サブリース契約の家賃減額リスク 大家の5つの防衛策
投稿日:2026年05月22日

朝4時起きの税理士、丸山です。
本日は「サブリース契約に潜む家賃減額リスクと、大家さんを守る防衛策」についてお話しします。
「サブリース=家賃保証だから空室リスクゼロ」
――そう信じて新築アパートを建てた途端、数年後に「家賃を15%下げてもらえなければ契約を解除します」と通告される。
実はこのトラブル、全国で続発しています。
家賃保証は永久保証ではなく、契約書の中には必ず「賃料は経済情勢の変化により改定できる」という条項が潜んでいます。
今日は税理士の立場から、サブリース契約の落とし穴と、攻めの大家経営に転じるための5つの実務ポイントを解説します。
1.家賃保証の正体 ― 借地借家法32条という”穴”
サブリース業者から大家へ支払われる賃料も、法律上は「賃貸借契約」の対象です。
借地借家法32条では、経済事情の変動や近隣相場の下落などを理由に、賃料減額請求を行う権利を貸主・借主の双方に認めています。
判例上、サブリース業者(転貸人)もこの規定を根拠に減額を求めることができ、2003年の最高裁判決でも明確に認められています。
つまり、契約書に「30年家賃保証」と書かれていても、絶対に下がらない保証ではないのです。
2.2020年サブリース新法で変わった3つの実務
2020年12月に施行された「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」、通称サブリース新法では、不適切な勧誘や説明を防ぐため、サブリース業者に
①誇大広告の禁止、
②不当勧誘の禁止、
③重要事項説明書の交付義務が課されました。
とくに「将来の家賃改定の可能性」「契約解除の要件」「修繕費負担の区分」は、契約締結前に書面で確認することが必須です。
これから新規に契約する方は、この3点を絶対に口頭説明で済ませず、書面で押さえてください。
3.家賃減額を通告された時の3つの打ち手
通告を受けた時にやるべきことは3つです。
第一に「賃料減額調停」を簡易裁判所に申し立てる選択肢を検討する。近隣の相場資料、固定資産税評価額の推移、建物の稼働率データを揃えれば、業者の言い値より低い減額幅で合意できるケースは少なくありません。
第二に「契約解除+自主管理への移行」。
また、業者との契約を解除した上で『ご自身の資産管理法人(同族会社)を設立して自らサブリースを行う』という方法も有効です。
実務上、今までサブリース会社に支払っていた入居者家賃の10〜15%程度を法人の利益として残す設計が可能なため、外部に払っていた利益を家族の所得分散に変える攻めの転換になります。
一方的減額に応じない大家には業者側から解除を申し出るケースも多く、その場合は違約金が発生しないことがあります。
第三に「収益計画の再構築」。減額後の家賃水準で資金繰りが回るかを、月次ベースで再シミュレーションすることが欠かせません。
4.税務面の見落とし ― 空室・減額期は節税のチャンス
家賃減額や空室発生は確かに痛手ですが、税務面ではむしろ攻めの一手を打てる時期でもあります。
空室期間中の固定資産税、損害保険料、減価償却費はそのまま必要経費に算入できますし、原状回復のための修繕費も計上可能です。
さらに不動産所得が赤字になれば、給与所得や他の事業所得との損益通算(土地取得借入金利息部分を除く)で、所得税・住民税を大幅に圧縮できます。
法人所有なら欠損金10年繰越を活用し、将来の黒字と相殺する設計が有効です。減額交渉の真っ最中こそ、出口戦略と税務戦略を同時に練り直すタイミングです。
5.丸山会計の「ともに未来を描く」攻めの提案
私たち丸山会計事務所は、確定申告や記帳代行にとどまらず、サブリース契約書の読み解きから減額交渉時のシミュレーション、法人化や売却の出口設計まで、不動産オーナーの「お金が大きく動くタイミング」に伴走する”攻める税理士”を信条としています。
契約の入り口段階から税務と経営の両輪で設計してきたからです。
「知らなかったことで損をした」をひとつでも減らし、お客様とともに未来を描くために、契約を結ぶ前の1時間分の相談こそ最大の投資だと考えています。
まとめ
サブリースは決して悪い制度ではありませんが、「家賃保証」という言葉の裏には借地借家法32条という大きな穴があります。
新法で重要事項説明が義務化された今こそ、契約書の隅々まで読み解き、減額通告に備えた税務・経営シミュレーションを準備してください。
攻めの大家経営は、契約を結ぶ前から始まっています。
【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談については専門家にご確認ください。
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この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


