親族間・同族会社への「どんぶり勘定」は青色取消しリスク大!税務調査で狙われる不動産オーナーのための新・書類保存ルールと対策
投稿日:2026年07月22日

先祖代々の土地を守る地主の皆様、そして複数の賃貸物件を経営されている不動産オーナーの皆様、毎朝の経営努力お疲れ様です。
朝4時起きの税理士、丸山です。
「身内への支払いや、自分の資産管理法人との取引だから、領収書や契約書は少し大雑把でも大丈夫だろう」 そんな風に考えている方はいらっしゃいませんか?
実はその油断が、これからの時代、非常に大きな税務リスクを招くことになります。
令和8年度(2026年度)の税制改正により、新しく「関連者間取引に係る書類の整理保存の特例」が創設されました。
これに伴い、国税庁から具体的な運用のルール(事務運営指針)が公表されています。
今回は、長年数多くの地主様や経営者様の税務に寄り添ってきた私の経験に基づき、この新しい制度が不動産オーナーにどう影響するのか、そしてどのような対策をとるべきなのかを実務家視点で分かりやすく紐解きます。
【本編:身内・法人との取引を狙い撃ちにする新特例】
1. そもそも「関連者間取引の書類保存特例」とは?
この特例を分かりやすく翻訳すると、「親族や、自分が支配している会社(資産管理法人など)との間で取引をした時は、第三者から見て実態がハッキリ分かるレベルの書類を残して保存しなさい」という厳格なルールです。
これまでは、身内間のやり取りであれば「後から帳尻を合わせればいい」と甘く見られがちでしたが、今後は取引の時点で客観的な証拠書類を揃えておくことが法律で強く求められるようになりました。
2. 「一式」や「抽象的な表記」はアウト
今回の国税庁の指針で特に注意すべきなのは、書類の「記載内容の程度」です。
必要記載事項は、取引の内容を第三者の立場からみて客観的に把握することができる程度の記載が求められています。
例えば、地主であるあなたから、ご自身の資産管理法人に対して次のような書類を発行していませんか?
・領収書や請求書の売上項目が「コンサルティング料 一式」となっている
・身内への業務委託費が「不動産管理業務 〇〇円」と抽象的にしか表示されていない
国税庁の指針では、このように「一式」とされていたり、内容が抽象的で実態が把握できない場合には、「書類の保存がないもの(必要記載事項の記載等がない事項=特定事項が生じている状態)」とみなされることが明記されています。
不十分な場合は、その不足している事項を明らかにする「特定事項記載書類」を別途取得、または作成して整理保存しなければなりません。
【注意点:実務家が警鐘を鳴らす2大リスク】
「書類が少し足りないくらいで、税金が増えるわけではないだろう」と思われるかもしれませんが、それは大きな間違いです。
実務上、税務調査で以下の2つの牙が剥かれます。
① 青色申告の承認取消しリスク
青色申告は、税金が安くなる様々な特典(専従者給与の算入など)を受けられる非常に有利な制度です。
しかし、今回の指針では、この書類保存の状況や是正の可否、違反の程度を踏まえた上で、「青色申告の承認の取消し」を適切に行うことが示されています。
身内間のどんぶり勘定が原因で青色申告が取り消されれば、過去に遡って多額の増税を課される致命傷になりかねません。
② 推計課税による強制的な税額決定
さらに、青色申告ではない法人や個人であっても、書類が不十分で「取引の実態を明らかにすることができない」と税務署長に判断された場合、類似する同業者の利益率などをベースに税金を計算される「推計課税」の要否を検討されることになります。
税務署側の計算で一方的に高い税金を課されるリスクがあるのです。
【実務家・丸山の一言アドバイス】
「身内同士だから契約書はいらない」「身内だから毎月定額を振り込んでおけば経費になる」という時代は完全に終わりました。
税務調査官が真っ先にチェックするのは、こうした『身内間・同族会社間の取引』です。
対価の決め方や、実際にどのような役務(サービス)が提供されたのかを、日記や業務日報、成果物として客観的に残しておくことが、これからの最大の防御策となります。
【結び】
今回の税制改正は、資産管理法人を活用して節税を図っているオーナー様や、親族間で不動産管理を行っている地主様にとって、足元をすくわれかねない重要な転換点です。
「うちの契約書や領収書の書き方で大丈夫だろうか?」
「資産管理法人との取引を見直したい」と少しでも不安を感じられた方は、決して一人で悩まずに、不動産税務のプロフェッショナルである丸山会計事務所にお任せください。
当事務所では、改正法に完全準拠した書類の整備から、税務調査にビクともしない健全な資産防衛策まで、地主様一人ひとりの財産に合わせた最適なサポートをご提案いたします。
まずは一度、お気軽にご相談・ご予約ください。
大切な先祖代々の土地と資産を、確実な実務で守り抜きましょう。
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この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


