5年の壁で税が倍変わる 不動産売却の出口戦略

投稿日:2026年06月15日

5年の壁で税が倍変わる 不動産売却の出口戦略

朝4時起きの税理士、丸山です。

本日は、不動産の出口戦略と売却時の税負担についてお話しします。

 

物件を売って利益が出たら、みんな同じように税金がかかる

——そう思っていませんか。

実はこれ、大きな誤解です。同じ1,000万円の売却益でも、売るタイミングを1年ずらすだけで納税額が2倍近く変わることがあります。

出口を意識せずに買い、出口を意識せずに売る。

これが大家さんの最も大きな「見えない損」です。

今日はその仕組みと、攻めの出口戦略を具体的な数字でお伝えします。

「5年の壁」——所有期間で税率が約2倍違う

不動産の譲渡所得には、所有期間によって2つの税率があります。

所有期間5年以下の「短期譲渡」は税率39.63%(所得税30%+復興税+住民税9%)、5年超の「長期譲渡」は20.315%(所得税15%+復興税+住民税5%)。

実に約2倍の差です。

 

たとえば譲渡益が1,000万円なら、短期なら約396万円、長期なら約203万円。

たった1年の差で約190万円も税金が変わるのです。

さらに要注意なのが期間の数え方。

「売った日」ではなく「売った年の1月1日時点」で5年を超えているかで判定します。

2021年3月に取得した物件は、2026年中に売っても1月1日時点では4年10カ月で短期扱い。

長期にするには2027年まで待つ必要があります。

売却益の計算と「取得費不明」の落とし穴

譲渡所得は「売却価格 −(取得費+譲渡費用)− 特別控除」で計算します。

ここで多くの大家さんが見落とすのが、取得費は買った値段そのままではないという点。

建物部分は保有期間中の減価償却費を差し引いた「簿価」が取得費になります。

長く持つほど建物の取得費は目減りし、その分だけ売却益=課税対象が膨らみます。

 

もう一つの落とし穴が、購入時の契約書を紛失したケース

取得費が証明できないと「概算取得費=売却価格の5%」しか認められません。

3,000万円で売れた物件の取得費がわずか150万円とみなされ、2,850万円もの巨額な譲渡益に課税される

——こうした悲劇が実際に起きています。

古い物件ほど、購入時の資料は命綱です。

使える特例をフルに使い切る

攻めの出口戦略とは、特例を取りこぼさないことです。

代表的なものに、マイホームを売ったときの「3,000万円特別控除」、相続した空き家を売ったときの「3,000万円控除」(一定の耐震・解体要件あり)、事業用資産の「買換え特例」による課税の繰り延べがあります。

買換え特例を使えば、売却益への課税を次の物件へ先送りでき、手元資金を厚く保ったまま規模拡大が可能です。

 

また、複数物件を持つ個人の方なら、利益の出る物件と含み損のある物件を同じ年に売って、

売却益と売却損同士を

相殺する手も有効です。(※個人の場合、売却の赤字を給与や家賃収入とぶつけて税金を減らすことは原則できないため、必ず同じ年に売却を合わせる必要があります。)

 

法人で保有していれば、個人のような制限はなく、譲渡益を役員退職金や大規模修繕などの経費とぶつけて圧縮することもできます。

どの特例も適用には期限と細かな要件があり、「売ってから相談」では手遅れになりがち

出口は、入口より前に設計しておくべきものなのです。

「ともに未来を描く」——出口から逆算する丸山会計

私たち丸山会計事務所は、確定申告や記帳代行にとどまらず、お金が大きく動くタイミングでこそ価値を出す「攻める税理士」でありたいと考えています。

不動産売却はまさにその瞬間。

売却の半年前、できれば購入の段階から、所有期間・建物割合・特例適用・法人活用までを逆算してご提案します。

これまで多くの節税を実現してきたのも、出口から逆算する設計があったからです。

「知らなかったから損をした」を、私たちはなくしたい。

経営理念である「ともに未来を描く」とは、目先の申告だけでなく、その先の資産形成までご一緒に考えるという約束です。

売却を検討し始めたら、ぜひ動く前にご相談ください。

まとめ

不動産売却の税負担は、所有期間(5年の壁)・取得費の管理・特例の活用という3点で大きく変わります。

短期と長期では税率が約2倍、取得費を証明できなければ売却価格の5%しか認められません。

出口は売る直前ではなく、買う前から設計するもの。攻めの出口戦略で、手残りを最大化しましょう。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談については専門家にご確認ください。

 

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この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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