不動産を「買うとき」の税金、軽減措置を使い損ねていませんか?——取得時にかかる3つの税で損しない着眼点

投稿日:2026年07月09日

不動産を「買うとき」の税金、軽減措置を使い損ねていませんか?——取得時にかかる3つの税で損しない着眼点

朝4時起きの名古屋の税理士丸山です。

不動産というと、毎年の固定資産税や、売却したときの譲渡所得税に目が向きがちです。
しかし実は「買った瞬間」にもまとまった税金がかかります

 
しかもその多くには軽減措置が用意されているにもかかわらず、申告や手続をしないと受けられないものや、取得の原因によって税率が大きく変わるものがあり、知らないまま支払って損をしているケースが少なくありません。
今回は、不動産を取得するときにかかる「不動産取得税」「登録免許税」「印紙税」という3つの税金について、見落としがちな着眼点を整理します。

目次

1. 不動産を「買うとき」にかかる3つの税金——保有税・譲渡税とは別物

2. 不動産取得税——申告しないと軽減が受けられない落とし穴

3. 登録免許税——「誰から・どう取得したか」で税率が変わる

4. 印紙税——軽減税率と「貼り忘れ3倍」のリスク

1. 不動産を「買うとき」にかかる3つの税金——保有税・譲渡税とは別物

不動産にかかる税金は、大きく「取得するとき」「保有しているとき」「売却するとき」の3つの場面に分けられます。
保有中の固定資産税や、売却時の譲渡所得税はよく知られていますが、取得段階でかかる税金は意外と見落とされがちです。
取得時にかかる代表的な税金が、都道府県に納める「不動産取得税」、登記の際に国へ納める「登録免許税」、契約書に貼る「印紙税」の3つです。

 

いずれも取引のたびに一度だけかかる、いわゆる流通税にあたります。
ポイントは、これら3つにはそれぞれ軽減措置が設けられている一方で、自動では適用されないものがある点です。
仕組みを知らずに通知や請求のまま支払ってしまうと、本来より多く納めてしまうおそれがあります

2. 不動産取得税——申告しないと軽減が受けられない落とし穴

不動産取得税は、土地や建物を取得した人に対して都道府県が一度だけ課す地方税です

 

売買だけでなく、家屋の新築・増改築、交換や贈与も対象になりますが、相続による取得は非課税とされています。

税率は本則4%ですが、令和9年3月31日までに取得する土地と住宅については3%に軽減されています。
課税の基準となるのは固定資産税評価額で、宅地についてはその2分の1が課税標準とされます。

 

さらに一定の要件を満たす住宅では、評価額から1戸あたり1,200万円(長期優良住宅は1,300万円)が控除され、その住宅の敷地にも税額の軽減があります。
ここで最も注意したいのが、これらの軽減を受けるには原則として都道府県税事務所への申告が必要だという点です。
納税通知書は、土地で登記後おおむね3か月後、新築家屋では翌年6月頃に届きますが、申告を失念すると軽減が反映されないまま課税されることがあります

 

届いた通知書の金額をそのまま払う前に、軽減が織り込まれているか確認することをおすすめします

3. 登録免許税——「誰から・どう取得したか」で税率が変わる

登録免許税は、不動産の登記をするときに国へ納める税金です。
課税標準は原則として固定資産税評価額で、登記の種類や取得の原因によって税率が異なります

 

たとえば土地の売買による所有権移転登記は本則2%ですが、令和11年3月31日までは1.5%に軽減されています。
一方、相続による移転は0.4%、贈与や交換による移転は2%と、同じ「名義変更」でも原因によって税率が大きく変わります。
建物については、所有権の保存登記が本則0.4%、自分が住むための一定の住宅であれば0.15%まで下がる特例があり、住宅ローンの抵当権設定登記も本則0.4%から0.1%へと軽減されます。
これらの住宅に関する軽減を受けるには、市区町村が発行する住宅用家屋証明書などの要件と手続が必要です。
登記を司法書士に任せきりにせず、自分の取得が軽減の対象になるかを一度確認しておくと安心です

4. 印紙税——軽減税率と「貼り忘れ3倍」のリスク

印紙税は、不動産の売買契約書や、ローンの金銭消費貸借契約書などに収入印紙を貼って納める国税です。
契約書に記載された金額に応じて税額が決まり、不動産の売買契約書については令和9年3月31日までの間、軽減税率が適用されます。
たとえば記載金額が1,000万円超5,000万円以下の場合、本則2万円のところ1万円で済みます
注意したいのは、印紙を貼り忘れたり納付を怠ったりすると、本来の税額の3倍にあたる過怠税がかかる点です。
貼った印紙に消印をしなかった場合も、その金額と同額の過怠税が課されます。
なお、建物の賃貸借契約書はそもそも印紙税の対象外で、土地の賃貸借契約書も記載金額のないものとして200円で足ります。
最近は電子契約も広がっていますが、紙の契約書でなければ印紙税はかからないため、コスト面から契約方法を見直す余地もあります。

おわりに——当事務所からのご案内

当事務所では、不動産の購入や建築をご検討の段階から、取得時にかかる税金とその軽減措置を一つひとつ確認し、手続の漏れがないようサポートしています
「買ったあとに想定外の通知書が届いて驚いた」という事態を防ぐためにも、早めにご相談いただければと思います
私たちは「ともに未来を描く」という経営理念のもと、お客様の大切な資産形成に寄り添ってまいります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別具体的な税務判断を行うものではありません。
実際のご判断に際しては、税理士等の専門家へご相談ください。
また、税制は改正される場合があります。
本記事は令和7年度時点の税制を参考にしています。

 

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この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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