確定申告の落とし穴 不動産オーナーが見落とす5論点

投稿日:2026年05月26日

確定申告の落とし穴 不動産オーナーが見落とす5論点

朝4時起きの税理士、丸山です。

本日は「確定申告で見落としがちな論点」についてお話しします。

「青色申告で済ませたから、もう税務調査は怖くない」

──不動産オーナーの方からよく耳にする声です。

しかし実は、税務調査で指摘される多くは難解な論点ではなく、ごく基本的な“うっかり見落とし”。

クラウド会計を導入していようが、freeeやマネーフォワードで自動仕訳していようが、押さえるべきポイントを外せば追徴課税は数十万、ときに数百万円に及びます。

今日は、私が現場で何度も目にしてきた「やってしまいがちな確定申告の落とし穴」を5つに絞り、過去の事例を交えて深掘りします。

1.未収家賃の計上漏れ──“入金ベース”は危険信号

家賃収入は「入金日」ではなく「契約上の支払日」で計上するのが原則です。

12月末分の家賃が翌年1月に入金された場合でも、12月の収入として申告するのが正しい処理です。

よくあるのは、滞納家賃を「もらっていないから収入にしない」とするケース。こ

れは税務調査で必ず指摘されるポイントで、過去には3年分の計上漏れで500万円超の追徴を受けた事例も実在します。

回収不能と判断した場合は、貸倒損失として処理する正しいルートに乗せる必要があります。

サブリース契約の場合も同様で、サブリース会社からの送金日ではなく契約上の支払日が基準。

年末の入金タイミングは特に注意が必要です。

逆に言えば、12月分の借入金利息や、年内に完了した修繕の未払金など、『未払いの経費』を計上し忘れて税金を多く払いすぎている大家さんも少なくありません。

入金・支払ベースから『発生ベース』への切り替えは、リスク回避と節税の両面で必須の視点です。

2.固定資産税の精算金──買い手も売り手も間違える落とし穴

年の途中で物件を購入した際、売主に「固定資産税の日割り精算金」を支払うのが慣例ですが、これは“租税公課(経費)”ではなく“取得価額への加算”が正しい処理です。

買い手側はそのまま経費にしがちですが、税務調査では否認の温床になります。

逆に売却側は譲渡所得の収入金額に加算する必要があり、これを忘れて翌年の課税通知で慌てる方も少なくありません。

5,000万円超の物件であれば精算金30〜50万円が動くこともあり、影響は決して小さくありません。

さらに不動産取得税や登録免許税の取扱いも、土地建物の按分や経費化のタイミングを誤ると後から修正申告という事態にもつながります。

3.修繕費と資本的支出──“20万円ライン”を知らずに損する人多数

壊れた箇所の原状回復は修繕費(全額経費)、価値を高めるリフォームは資本的支出(減価償却)に振り分けます。判定基準として「20万円未満」「おおむね3年以内ごとの周期的支出」など、税務上の弾力的な取扱いが用意されています。

これを知らずに、80万円をかけた間取り変更を伴うリフォームや、用途変更のための工事をすべて修繕費にして否認されるケースは典型例です。

逆に本来修繕費にできるものを資産計上し、節税機会を逃している大家さんも多いのが実情。

判定の根拠を見積書段階で残しておくことが、税務調査対策の第一歩です。工事内容を「原状回復のため」と明記してもらうだけで、経費認定のハードルが下がります。

4.家事按分の根拠資料──“なんとなく50%”は通用しない

自宅兼事務所の家賃や光熱費、車両費の按分割合は、合理的な根拠が必要です。

「だいたい半分くらい使っている」では、調査官は納得しません。床面積比、使用時間、走行距離など、客観的に説明できる資料を残しておくことが鉄則です。

経験上、按分根拠の整備ができていれば3〜4割の経費計上もしっかり通ります。逆に資料が無ければゼロ査定もあり得ます。

スマホのカレンダーや走行距離アプリで“使用実態のログ”を残す習慣をつけるだけで、按分の説得力は大きく変わります。

通信費や駐車場代も忘れがちな按分対象ですので、年明け早々に整理しておきましょう。

5.丸山会計の視点──確定申告は“提出して終わり”ではない

私たち丸山会計事務所は「ともに未来を描く」を経営理念に、確定申告を“年に一度の通過儀礼”で終わらせない伴走を大切にしています。

攻める税理士として、申告書を整えるだけでなく、来期以降の所得圧縮、減価償却の組み立て直し、法人化のタイミング設計、相続を見据えた資産配置まで踏み込んでご提案します。

こうした「お金が大きく動くタイミング」での攻めの提案の積み上げから生まれたものです。

「知らないことで損をした」

──そんな悔しさをひとつでも減らしたい。それが私たちの原点であり、名古屋から全国の不動産オーナーの皆さまに寄り添う理由です。

まとめ

確定申告で本当に怖いのは、知らないまま処理してしまう“見落とし”です。未収家賃、固定資産税精算金、修繕費判定、家事按分──いずれも基本論点ですが、押さえているか否かで税負担は大きく変わります。判断に迷ったら、提出前にプロの目を一度入れる。それが、攻めの節税への確かな第一歩です。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談については専門家にご確認ください。

 

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この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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