金利上昇時代を乗り切る大家の資金繰り戦略

投稿日:2026年05月08日

金利上昇時代を乗り切る大家の資金繰り戦略

朝4時起きの税理士、丸山です。

本日は不動産投資における金利上昇リスクと資金繰り対策についてお話しします。

 

「日本の低金利時代はまだまだ続く」

——そう思い込んで、変動金利で大きなローンを組んでいませんか。

実は2024年以降、日銀はマイナス金利政策を解除し、政策金利の引き上げ局面へ本格的に突入しました。

「毎月の返済額は一定だから安心」という低金利神話は、すでに過去のものです。

借入の多い大家さんにとって、金利上昇は空室や家賃下落よりも破壊力のあるリスクだと私は考えています。

金利1%上昇で返済額はいくら増えるのか

具体的に計算してみましょう。

1億円を返済期間25年・元利均等・変動金利1.0%で借りている場合、毎月返済額は約37万7千円です。

これが金利2.0%に上昇すると毎月約42万4千円となり、年間で約56万円の負担増。

金利3.0%まで上がれば年間約114万円もの手取りが消える計算になります。

 

ポイントは、家賃収入は金利ほど簡単には上がらないということです。

満室経営ができていても、金利2%上昇でキャッシュフローが赤字に転落する物件は珍しくありません。

「今はまだ回っているから大丈夫」と油断せず、金利が+1%、+2%、+3%のシナリオで手元に残る現金を試算しておくことが、今すぐやるべき最優先の作業です。

資金繰りを守る3つの基本対策

第一に、手元キャッシュの厚みを確保することです。

家賃収入の6〜12ヶ月分を運転資金として別口座に分けておくと、金利ショックや大規模修繕が重なっても耐えられます。銀行も預金残高の厚い借り手を優遇するため、次の融資条件にもプラスに働きます。

 

第二に、借換えや条件変更を早めに検討することです。

金利が上がりきる前、あるいは上がり始めの段階で、固定金利への借換え、あるいは返済期間の延長による月額平準化が有効です。借換え時の抵当権抹消・設定費用や事務手数料は、「資本的支出」ではなく「支払手数料」や「支払利息」として当期の経費にできるケースが多く、節税面でもプラスに働きます。

 

第三に、繰上げ返済の戦略的な活用です。

ただし、余剰資金を全額繰上げ返済に回すのは危険。団体信用生命保険の保険機能、支払利息が生む節税効果、次物件を取得するための信用余力——これらを総合判断し、「返すべき借入」と「残すべき借入」を見極めることが重要です。

金利上昇期こそ活きる節税と法人活用

見落とされがちな視点ですが、金利上昇局面では支払利息の増加そのものが経費となり、課税所得を圧縮します。

キャッシュフローは悪化しても、節税効果との差し引きで実質負担を測ることが重要です。

特に個人で課税所得900万円を超える高所得の大家さんは、所得税・住民税の合計が約43〜55%に達するため、法人化によって実効税率を約23〜33%まで下げられる余地があります。

役員報酬や生命保険、小規模企業共済などの併用で、個人時代には使えなかった節税策がフル活用できます。

 

さらに金利上昇で物件価格が下がり始めるこの局面は、新規取得や物件の組み換えチャンスでもあります。

減価償却を多く取れる築古物件への入れ替えで、金利負担増を課税所得の圧縮で相殺する

——これは資金繰りと節税を同時に解決する王道の一手です。

「攻める税理士」丸山会計の視点

私たち丸山会計事務所は、記帳代行と確定申告で終わる税理士ではありません。

金利上昇リスクが現実化するこのタイミングこそ、お金が大きく動く瞬間に納税額の差をつける提案をすべきだと考えています。

金利シナリオ別のキャッシュフロー・シミュレーション、銀行に響く決算書の作成、借換え交渉用の収支改善資料、法人化の損益分岐点判断、物件組み換えの出口設計まで

——経営理念「ともに未来を描く」のもと、節税効果以上の報酬がかかる提案はしないという方針で、攻める姿勢を貫いています。

まとめ

金利上昇は「いつか来るリスク」ではなく「すでに始まっているリスク」です。

手元資金の厚みを確保し、借換えや条件変更を早めに検討し、法人化や物件組み換えで実質負担を下げる

——この三本柱で乗り切りましょう。

少しでも不安を感じたら、金利シナリオ別の試算を今日のうちに回してみてください。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談については専門家にご確認ください。

 

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この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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