大家さんの青色申告 経費で差がつく5つの基本
投稿日:2026年05月24日

朝4時起きの税理士、丸山です。
本日は「大家さんの青色申告と経費計上の基本」についてお話しします。
「青色申告は帳簿が大変そう」
「白色申告のままで十分」
――そう思い込んで、毎年数十万円の節税メリットを取りこぼしている個人大家さんが本当に多くいらっしゃいます。
実は青色申告は、ただの“申告様式の違い”ではなく、家賃収入を抱える大家さんにとって、戦略的な節税ツールそのものです。
私は名古屋を拠点に20年以上、不動産オーナーの税務を見てきましたが、青色申告に切り替えるだけで翌年の手取りが大きく変わったケースは数え切れません。
今日は、その本質と実務の勘所を5つの基本に絞ってお伝えします。
1.青色申告特別控除65万円の本当の使い方
青色申告の代名詞といえば「最大65万円の特別控除」です。
ただし、これを満額受けるには「事業的規模(5棟10室基準)」を満たし、複式簿記でe-Taxまたは電子帳簿保存に対応する必要があります。
例えば課税所得が900万円の方なら、所得税・住民税合わせて約43%の税率が適用されますので、65万円控除でおよそ27万円の節税効果。
10年積み重なれば、控除効果だけで新車1台分です。
「規模が小さいから関係ない」と決めつけず、まずは10万円控除からでも青色申告を始めることが第一歩です。
2.経費にできる支出・できない支出の境界線
経費計上で最も多い相談が「これは経費にできますか?」です。
固定資産税、火災保険料、修繕費、管理委託料、ローン利息(建物部分)、税理士報酬、物件視察の交通費などは、賃貸事業に直接関係するため経費計上が可能です。
一方、土地に対応するローン利息のうち赤字部分は損益通算が制限されるなど、見落としやすい論点も多くあります。
日々の領収書を「事業のため」と一言メモするだけでも、税務調査時の説明力が大きく変わります。
3.家族への給与で所得を分散する「青色事業専従者給与」
青色申告者は、生計を一にする15歳以上の配偶者や親族で、専らその賃貸事業に従事している人に支払う給与を、届出範囲内で全額経費にできます。
ただし、実態を伴う業務と相応の金額が必要で、他でフルタイムで働いている家族などへの形だけの支給は税務調査で否認されます。
例えば奥様に月8万円・年間96万円の専従者給与を支給すれば、ご主人の所得を圧縮しつつ、奥様にも給与所得控除55万円分が活きます。
世帯全体での所得分散により、累進税率の山を下げられる
――これは個人大家ならではの強力な武器です。
ただし、実態を伴う業務と相応の金額が必要で、形だけの支給は税務調査で否認されます。
4.純損失の3年繰越と修正申告の安心感
大規模修繕や空室発生で赤字になった年、青色申告者なら「純損失」を翌年以降3年間繰り越せます。
例えば今年200万円の赤字、翌年300万円の黒字なら、繰越控除で翌年の課税所得は実質100万円。
所得税・住民税合計で約60万円の節税につながるケースも珍しくありません。
さらに、青色申告者は推計課税を受けにくく、税務調査で更正処分(税務署による税額のやり直し)を受ける際にも必ず『事前の帳簿調査』と『理由の付記』が法律で義務付けられており、税務署の恣意的な処分から守られます。
攻めの節税を支える、守りの土台でもあるのです。
5.丸山会計事務所からの提案――ともに未来を描く青色申告
丸山会計事務所では、単に申告書を作るだけでなく、「お金が大きく動くタイミングで納税額に差をつける」攻める税理士として、青色申告の最大活用をご支援しています。
物件取得時の減価償却の取り方、専従者給与の設計、法人化のタイミング判断まで、年間トータルで最大の手残りを描く設計図をご提案します。
経営理念は「ともに未来を描く」。節税効果以上の報酬はいただかない方針ですので、安心してご相談いただけます。
まとめ
青色申告は、特別控除65万円・経費の柔軟な計上・家族への所得分散・赤字の繰越という4つの強力な武器を備えた、大家さんの基本装備です。
届出のタイミングは原則として開業から2か月以内、または年初から3月15日まで。
今日の一歩が来年の手取りを変えます。攻めの節税は、正しい申告から始まります。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談については専門家にご確認ください。
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この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


