更地のままで大丈夫?土地活用4方式の税務比較
投稿日:2026年06月14日

朝4時起きの税理士、丸山です。
本日は「土地の有効活用と税務上の注意点」についてお話しします。
「相続した土地はとりあえず更地のまま持っておけば安心」
「活用するなら賃貸アパート一択」
——そう考えている方は少なくありません。ですが実は、土地は”持ち方・活かし方”を一つ選ぶだけで、毎年の固定資産税も、将来の相続税も、手元に残る利益も大きく変わります。
同じ土地でも、選択を誤れば数百万円単位で損をしかねないのです。
更地放置が「いちばん損」になる理由
更地のまま土地を寝かせておくと、固定資産税の軽減が一切受けられません。
住宅が建っている土地(住宅用地)なら、200㎡までの部分は課税標準が6分の1、200㎡を超える部分も3分の1に圧縮されます。
仮に固定資産税評価額3,000万円・面積200㎡の土地なら、住宅を建てるだけで固定資産税はおおよそ6分の1。
年間で十数万円の差が毎年積み上がっていきます。
「使っていないから安全」ではなく、「使っていないから税金が重い」のが現実です。
加えて、人口減少エリアでは更地を抱え続けるほど維持コストだけがかさみ、いざ売ろうとしても買い手がつきにくいという二重の負担も生じます。
4つの活用方式を税務で比較する
代表的な土地活用には、
(1)青空駐車場、
(2)賃貸住宅(アパート・マンション)、
(3)定期借地(土地を貸す)、
(4)等価交換・建替え
があります。
青空駐車場は初期投資が小さく手軽で、アスファルト舗装や砂利敷きなど貸付事業用の構築物を備えれば相続税の小規模宅地等の特例(後述)の対象にもなり得ます。
ただし住宅が建っていないため固定資産税の住宅用地特例は使えず、更地にロープを張っただけの状態では小規模宅地等の特例も対象外です。
賃貸住宅は投資額こそ大きいものの、固定資産税・相続税の両面で軽減が効き、家賃収入も得られる王道です。
定期借地は自己資金ゼロで地代収入を得られる一方、契約期間中は土地を動かせません。
等価交換は資金を出さずに建物を取得でき、譲渡課税の繰延べも狙えます。
どれが正解かは資金力・立地・相続の有無で変わります。
相続税評価は「建てる」と大きく下がる
土地に賃貸住宅を建てると、その土地は「貸家建付地」として評価され、自用地評価から借地権割合×借家権割合(30%)×賃貸割合の分だけ減額されます。
借地権割合60%の地域なら、満室稼働で約18%の評価減です。
さらに賃貸事業として一定要件を満たせば、小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地)で200㎡まで評価額が50%減。
3,000万円の土地が実質1,000万円台まで圧縮されることも珍しくありません。
なお青空駐車場でも、砂利敷きやアスファルト舗装などの構築物があれば貸付事業用宅地として50%減の対象になり得ますが、建物がない分、貸家建付地としての評価減(前述の約18%)は受けられない点に注意が必要です。
具体例:300㎡の遊休地を持つAさんのケース
名古屋市内に固定資産税評価額4,500万円・相続税評価額6,000万円の更地300㎡を相続したAさん。
更地のままなら固定資産税は年約63万円(4,500万円×1.4%)。名古屋市は市街化区域のため、これに都市計画税(税率0.3%)約13.5万円が加わり、年間の土地保有コストは約76.5万円に上ります。
相続税評価も6,000万円のままです。
ここに賃貸アパートを建てると、固定資産税は住宅用地特例で大幅に下がり、土地は貸家建付地評価で約18%減、さらに小規模宅地等の特例(200㎡まで50%減)を組み合わせると、相続税評価は実質3,000万円台まで圧縮できる可能性があります。
家賃収入という新たなキャッシュフローも生まれます。
「建てるかどうか」ではなく「どの順番で・どの特例を効かせるか」が、税負担を左右するのです。
丸山会計が考える「攻める土地活用」
土地活用は「何を建てるか」より前に、「税務でどう設計するか」で結果が決まります。
私たち丸山会計事務所は、確定申告の代行にとどまらず、固定資産税・所得税・相続税を一体で見据えた”攻めの提案“を強みとしています。
目先の節税だけでなく、10年後・次の世代まで見据えて、お客様と「ともに未来を描く」。
それが私たちの経営理念です。お金が大きく動く土地活用のタイミングこそ、着手前のご相談で差がつきます。
建ててしまった後では選べる特例が限られますが、着工前であれば建物の名義・規模・事業形態まで含めて最適に設計できます。
まとめ
土地は「持っているだけ」では税負担が重く、活かし方ひとつで固定資産税も相続税も大きく変わります。
青空駐車場・賃貸住宅・定期借地・等価交換
——それぞれに税務上の損得があります。建てる前の設計が勝負。
迷ったら、着工前にぜひ専門家へご相談ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談については専門家にご確認ください。
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この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


