経過措置70%へ緩和 改正後インボイス対応の5視点

投稿日:2026年06月06日

経過措置70%へ緩和 改正後インボイス対応の5視点

朝4時起きの税理士、丸山です。

本日は「消費税・インボイス制度の最新動向」について、令和8年度税制改正(2026年3月31日成立・公布)で大きく姿を変えた経過措置の正しいロードマップをお話しします。

 

「経過措置は2026年10月から一気に50%に下がる」

――半年前まではそれが常識でした。

しかし、令和8年度税制改正で経過措置は緩和・延長され、2026年10月からは「70%控除」が2年間続き、その後50%・30%・0%へと段階的に縮小する5段階方式に組み直されました。

終了時期も2029年から2031年9月まで2年延長されています。

「もう50%か」と身構えていた大家さんも、「だから関係ない」と油断していた大家さんも、改正後の正しい時間軸で対策を組み直す局面に入っています。

①経過措置は「80→70→50→30→0」の5段階へ

今回の改正でまず押さえるべきは、経過措置の控除率スケジュールが書き換わったことです。

2023年10月から2026年9月までの80%控除はそのままですが、2026年10月から2028年9月までは50%ではなく70%に緩和。

続いて2028年10月から2030年9月までが50%、2030年10月から2031年9月までが30%、2031年10月以降が0%という5段階に再設計されました。

 

改正前は「80%→50%→0%」の3段階で2029年9月終了でしたから、テナント側の負担増ペースは大幅に緩和されています。

免税オーナーから事業用テナントを借りている事業者は、当初の想定より2年余分に経過措置の恩恵を受けられる計算です。

とはいえ「ゼロになるのが2年延びただけ」であって、出口がなくなったわけではない点はくれぐれもお間違いなく。

②住宅オーナーは原則無風、混在オーナーは数字で再点検

居住用家賃は消費税の非課税取引なので、住宅のみを賃貸する個人オーナーにとってインボイス制度の影響は基本的にありません。

ここは安心して大丈夫です。

問題は、1階店舗・上階住宅という併用ビルや、駐車場・看板・自販機・テナント収入が同居しているケースです。

 

課税事業者の判定は「基準期間(前々年)の課税売上高が1,000万円超」が原則で、加えて「特定期間(前年1〜6月)の課税売上高と給与等支払額がともに1,000万円超」でも納税義務が生じます。

1,000万円以下でも、テナント側からインボイス発行を求められる立場にある以上、登録すべきか・免税で維持するかは数字でシミュレーションして判断するのが筋です。

③2割特例は終了、個人事業者には「3割特例」が新登場

従来から好評だった「2割特例」は、令和8年9月30日を含む課税期間で原則終了となります。

これに替わる形で、令和8年度改正により個人事業者を対象とした「3割特例」が新設されました。

令和9年分・令和10年分の消費税申告について、課税標準額に対する消費税額の3割を納付すれば足りるという措置で、法人は対象外という点が要注意です。

 

つまり、個人で店舗併用ビルや駐車場収入があるオーナーは、令和8年までは2割、令和9年・10年は3割、それ以降は本則または簡易課税という「3段階で負担が増える前提」で資金計画を組むのが現実的です。

法人化済みのオーナーは、令和9年以降の納税が一気に重くなり得るので、簡易課税の選択届出書のタイミングを早めに検討してください。

④管理会社・サブリースとの交渉に「正しい数字」で臨む

改正情報のアップデートが遅れた管理会社やサブリース業者から、「経過措置が50%になるので手数料を上げたい」「家賃を下げてほしい」と古い前提で打診されるケースが出てきています。

実際の控除率は70%ですから、本来であれば値下げ幅も上げ幅も旧設計の3分の1で済むはずです。

 

一方的な減額や手数料引き上げは、独占禁止法上の「優越的地位の濫用」や下請法上の問題に発展し得るデリケートな論点です。

書面で計算根拠を求め、複数のシナリオを示してもらう、そして必ず「改正後の70%」前提でやり直してもらう

――この一手で年間数十万円の差が出ることも珍しくありません

⑤丸山会計事務所が「攻める税理士」として伴走できること

丸山会計事務所は不動産税務と消費税の最新動向を強みに、店舗併用ビル・テナントビル・賃貸併用住宅のオーナーに対して、登録の要否、3割特例・簡易課税・本則課税の選択、テナントとの交渉方針までシミュレーション付きでご提案しています。

最大5,000万円超の節税実績は、こうした「お金が大きく動くタイミング」での判断をデータに基づいて握ってきた結果です。

 

経営理念は「ともに未来を描く」。

確定申告や記帳代行だけで終わらず、令和8年度改正のリアルタイムな影響、2028年・2030年・2031年と続く節目を見据えた長期戦略を、提案型でお客様と共有していくのが私たちの仕事です。

「知らないことで損をした」を一つでも減らすために、改正情報を正しく仕入れて動いていただきたいと思っています。

まとめ

令和8年度税制改正で、インボイス経過措置は2026年10月以降「70%→50%→30%→0%」の4段階に緩和され、終了時期も2031年9月まで延長されました。あわせて2割特例は終了し、個人事業者には3割特例が新設されています。古い「50%」前提で慌てる必要はありませんが、改正後の正しい時間軸で計画を組み直すことが、攻めの大家には欠かせません。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談については専門家にご確認ください。

 

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この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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