うっかり「届出」を忘れると数千万円の損?特定資産の買換え特例、令和6年からの新ルールを徹底解説

投稿日:2026年05月25日

うっかり「届出」を忘れると数千万円の損?特定資産の買換え特例、令和6年からの新ルールを徹底解説

不動産オーナーの皆様、朝4時起きの税理士、丸山です。

「長年持っていた土地を売って、新しい物件に組み替えたい」

「でも、売却益に対する税金が重すぎて、次の投資資金が減ってしまうのが悩みだ」

そんな方にとって非常に強力な武器になるのが「特定資産の買換え特例(圧縮記帳)」です。

しかし、この制度、実は令和6年(2024年)41日以降の取引から「手続きのルール」が大きく変わったことをご存知でしょうか?

今回の話しは実際の私の事務所に相談があり、実務の現場では、「以前と同じ感覚でいたら、届出期限を過ぎて特例が使えなくなった」という悲劇的なミスが散見されます。今回は、プロの視点から「絶対に失敗しないための届出ルール」を、個人・法人の違いを含めて噛み砕いてお伝えします。


そもそも「特定資産の買換え特例」とは?

簡単に言うと、10年を超えて保有している国内の土地や建物を売って、新しく事業用の資産(土地や建物など)を買い換えた場合、売却益の最大90%にかかる税金を「将来」に先送りできる制度です。

(例:1億円の売却益が出た場合、特例を使えば2,000万円分にしか課税されず、残り8,000万円分は課税を繰り延べられるイメージです)


実務で最も怖い「3か月期間」の届出ルール

今回の改正で、特に注意が必要なのが「同じ年(法人は同じ事業年度)の中に、売却と購入の両方を行う場合」です。この場合、確定申告を待たずに「事前の届出」が義務化されました。

1. 同一期間内に売って買う場合の期限

譲渡と取得の両方を行う場合、以下の期限までに届出書を提出しなければなりません。

「譲渡日」と「取得日」のいずれか早い日を含む「3か月期間」の末日の翌日から2か月以内

個人の場合:3か月期間は「1〜3月」「4〜6月」「7〜9月」「10〜12月」と固定されています。

例:令和6年5月に売却し、同年8月に購入した場合、早い方の5月が含まれる期間(4〜6月)の末日「6月30日」の翌日から2か月以内、つまり「8月末」が届出期限です。

法人の場合:事業年度(決算期)を基準に3か月ごとに区切ります。

例:3月決算法人が令和8年4月に譲渡・取得した場合、最初の3か月(4〜6月)の末日の翌日から2か月以内、つまり「8月末」が期限です。

2. 先行取得(先に買ってから売る)の場合

先に新しい物件を買い、その後に旧物件を売る場合(年をまたぐ場合など)も、事前届出が必要です。

個人の場合:物件を取得した年の翌年3月15日まで

法人の場合:物件を取得した事業年度終了の日の翌日から2か月以内

個人の場合は確定申告の期限と同じですが、法人の場合は決算後すぐですので、スケジュール管理が異なります。


専門家が教える「届出が不要なケース」

実は、すべてのケースで事前届出が必要になったわけではありません。

「売った翌年以降に買う予定」の場合(いわゆる後取得)は、これまで通り確定申告時に「買換(代替)資産の明細書」を添付すればよく、事前の届出は不要です。

「同じ年に売買を完結させるかどうか」で、手続きのハードルが劇的に変わるという点は、プロとしても特に注意して見ているポイントです。


実務家アドバイス

「意思表示」を忘れると救済措置はない

この届出書は、国税庁に対し「私は特例を使います」という事前の意思表示をするためのものです。

実務上、顧問税理士との連携が不足していると、土地を売却した事実が決算直前や確定申告時期にしか伝わらず、気づいたときには「3か月ルール」の期限が過ぎていた……というケースが実際に起きています。期限を1日でも過ぎれば、特例は一切認められません。

「不動産を動かすときは、契約書に印鑑を押す前に税理士に連絡する」。これが数千万円のキャッシュを守る鉄則です。


資産の組み換えは、スピードと正確性が命です

不動産税務は、知っているか知らないか、そして「期限を守れるか」だけで、手元に残る資産額が数倍変わる世界です。

「自分のケースで特例が使えるか、届出が必要か知りたい」

「令和6年からの新ルールに則って正しく申告したい」

そんな不安をお持ちの方は、ぜひ一度、丸山会計事務所へご相談ください。地主様・オーナー様の立場に立ち、最新の税制に基づいた最適なアドバイスをいたします。

大切な資産を守り抜くために、一歩先のアクションを。

 

 

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この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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