事業承継税制の継続届出書について教えてください。

投稿日:2024年12月06日

事業承継税制の継続届出書とは、事業承継税制の適用を受けた後継者が、一定の期間にわたって事業を継続していることを確認するために、都道府県、税務署に定期的に提出しなければならない書類です。この届出は、後継者が事業を承継した後も、事業が継続されていることや株式を保有し続けていることを都道府県、税務当局に報告するための重要な義務です。

1. 継続届出書の提出頻度
事業承継税制を適用して納税猶予を受けた場合、最初の5年間は、毎年「継続届出書」を提出する必要があります。この最初の5年間は、事業承継税制の適用を受ける上で非常に重要な期間とされており、後継者が事業をしっかりと運営しているかどうかが確認されます。

最初の5年間: 毎年、継続届出書を提出
事業承継税制を適用した株式や事業について、後継者が引き続き適用条件を満たしていることを証明するため、毎年の報告が求められます。

5年経過後: 3年に一度の提出
5年間の継続届出書の提出が終わった後は、3年に一度の提出に緩和されます。これ以降も、引き続き事業を継続していることを報告する義務がありますが、報告の頻度が少なくなります。

2. 継続届出書に記載する内容
継続届出書では、事業承継後の状況について詳しく記載する必要があります。主な記載内容としては、以下のような項目が含まれます。

後継者の事業運営状況
後継者が実際に会社の経営に携わっているかどうか、また事業が継続されているかどうかを報告する必要があります。後継者が代表取締役として活動している場合は、その詳細な活動内容も含めて記載します。

株式の保有状況
事業承継税制を適用した株式を後継者が引き続き保有していることが重要です。株式の保有比率や議決権の状況についても正確に記載する必要があります。もし株式を売却したり、他人に譲渡した場合は、事業承継税制の猶予が解除されるリスクがあるため、その点についても慎重な確認が求められます。

従業員の雇用状況
雇用継続要件がある場合、従業員の数が当初の要件を満たしているかどうかについても報告します。従業員数が減少した場合でも、一定の条件下で要件を満たしていることが確認できれば、継続届出書を提出することが可能です。

3. 継続届出書を提出しない場合のリスク
継続届出書を提出しない、または適切な内容を報告しない場合、事業承継税制の適用が取り消される可能性があります。つまり、猶予されていた相続税や贈与税が一括して納税しなければならなくなり、さらに延滞税などが加算される可能性があります。

具体的なリスクとしては以下のようなものがあります:

猶予の解除: 納税猶予が解除され、猶予されていた税額を全額納付しなければならなくなる。
延滞税の加算: 提出遅延や納税の遅れにより、延滞税が発生する。
税務署からの指導: 適正な報告が行われない場合、都道府県、税務署から追加の書類提出や詳細な説明を求められることがある。
そのため、毎年の継続届出書の提出を忘れずに行い、正確な情報を報告することが極めて重要です。

4. 継続届出書の提出と専門家のサポート
継続届出書の提出は、税制適用後も長期間にわたって続く手続きです。特に、後継者が経営に忙しくなる中で、提出期限を守り、正確な書類を提出するのは容易ではありません。そのため、税理士や認定支援機関などの専門家のサポートを受けることが有効です。

専門家に依頼することで、次のようなメリットがあります:

提出期限の管理: 継続届出書の提出期限をしっかりと管理してもらえるため、期限切れによるリスクを回避できます。
書類作成のサポート: 継続届出書に記載する内容について、正確かつ適切な情報を整理し、提出に必要な手続きをサポートしてもらえます。
税務リスクの回避: 事業承継税制の適用条件を守り続けるためのアドバイスを受けることができ、納税猶予の解除リスクを低減することができます。
5. 継続届出書の重要性と長期的な視点
事業承継税制を利用して猶予を受けた場合、後継者の経営継続が確認されることは、長期にわたって納税猶予を維持するための重要なポイントです。特に、5年間の毎年の届出期間を過ぎた後も、事業承継税制の適用を維持するためには、3年ごとの届出を怠らないよう注意が必要です。

また、長期的に事業承継税制を活用するためには、事業が安定して継続できる体制を整え、後継者が会社の経営にしっかりと携わり続けることが重要です。後継者が適切に経営を行い、税制上の条件を満たし続けることで、最終的に猶予された税金の免除を目指すことができます。

まとめ
事業承継税制を適用した場合、後継者は最初の5年間は毎年、5年経過後は3年に一度、継続届出書を提出し、事業が継続されていることを報告する必要があります。届出書には、後継者の事業運営状況や株式の保有状況、従業員数などを記載し、適切に提出することが求められます。提出を怠ると納税猶予が解除されるリスクがあるため、期限を守り、正確な内容を報告することが重要です。専門家のサポートを受けることで、適切な手続きを維持し、長期的な税制の恩恵を最大限に活用することができます。



この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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