事業承継に関するブログ

不動産売却時にかかる税金とは?計算方法と節税についても解説

投稿日:2024年08月02日

不動産を売却する際には、様々な税金が発生します。

これらの税金は売却価格や所有期間、利用状況によって異なります。

本記事では、不動産売却時にかかる税金の種類、計算方法、そして節税方法について詳しく解説していきます。

1.不動産売却時にかかる税金の種類

不動産を売却する際にかかる主な税金には以下のものがあります。

1:譲渡所得税

不動産の売却によって得た利益(譲渡所得)に対して課されます。

2:住民税

譲渡所得に基づいて地方自治体に納める税金です。

3:印紙税

不動産売買契約書に必要な印紙を購入するための税金です。

4:登録免許税

不動産の所有権移転登録や抵当権設定登録を行う際にかかる税金です。

5:消費税

自宅を売却する場合は必要ありませんが、保有している不動産を売却する場合にはかかる場合があります。

消費税は、2年前に1,000万円以上の売上金額があった場合は支払いの対象となり、支払い金額は今年の売上金額によって確定します。

2.不動産売却時にかかる「譲渡所得税・住民税」の計算方法

・通常の計算式

譲渡所得税と住民税の計算は以下の式で求められます。

「譲渡所得税額=(売却価格−取得費−譲渡費用)×税率」

ここで、税率は所有期間によって異なり、5年以下の短期譲渡の場合は約30%、それ以上の長期譲渡の場合は約15%となります。

 

住民税についても同様に計算されますが、以下のように異なります。

「住民税額=譲渡所得税の基準となる所得額×税率」

住民税は地方自治体によって若干の違いがあることもありますが、一般的には所得額の約5〜9%が目安です。

 

・3,000万円の特別控除の利用

自宅として10年以上使用していた不動産を売却する場合、最大3,000万円まで特別控除が適用されることがあります。

 

【税率の表】

所有期間 譲渡所得税率 住民税率
5年以下 30% 9%
5年超 15% 5%

3.減価償却の計算方法

不動産の取得後、経年による価値減少を減価償却として計算します。

減価償却費は、取得価格から残存価値を引いたものを耐用年数で割って求めます。

4.節税するための3つのコツ

・長期保有

所有期間が5年を超えると、税率が下がるため、長期保有は税金を抑える一つの方法です。

この所有期間の数え方は、現時点で5年以上経過しているかではなく、1月1日時点で5年を超えているかどうかという考え方になります。

 

・修繕費の積極的な計上

売却前に修繕を行った場合、その費用を譲渡費用として計上することができます。

維持管理のための修繕費は、不動産所得の経費となりますが、物件を売却するにあたって修繕が求められる場合は、譲渡所得の必要経費となります。

 

不動産所得の超過累進税率は5〜55%で、譲渡所得は15〜30%ですので、どちらの方がお得か?という点で考えると良いでしょう。

不動産所得が多くない場合は譲渡所得、普段から所得が多い場合は不動産所得の方がお得になるでしょう。

 

・外構、内装等の記録や領収書は残しておくと良い

不動産を売却する場合は、基本的に付属する設備等(例えばエアコン等)も一緒に引き渡すことになります。

前述の通り、譲渡所得は、「(売却価格−取得費(家+内装費)−譲渡費用)×税率」という式で算出するため、工事を行った際のデータや領収書を残しておくと節税につながる場合があります。

 

・適切な時期の売却

市場状況を見極めて、価値が高いうちに売却することも重要です。

5.不動産売却益が出た場合の特別控除・特例について

・3,000万円の特別控除

前述の通り、自宅の特別控除をうまく利用することで大幅な節税が可能です。

 

・不動産売却損が出た場合の節税制度

個人事業主の場合、税金の計算は1/1〜12/31に対して行われます。

例えば、以下の様な場合は税金が発生しません。

 

【例】

・1月に物件Aを3000万円で売却→取得費2,200万円→譲渡所得800万円

・11月に物件Bを売却→4,000万円→取得費5,000万円→損1,000万円

上記の場合、合計で200万円損をしているので、税金の支払いは不要となります。

 

ですので、もし売却予定の物件が複数あり、売却損が発生する可能性がある場合は、同じ年に売却することをお勧めいたします。

 

尚、上記の200万円の損益に対し、給料等の個人所得や別事業の利益とは所得区分が異なるため損益通算ができませんが、同じ不動産の売却にかかる利益とであれば可能になります。

 

【特例】

個人宅を売却した不動産で借金があり且つ売却損が発生した場合(売却しても借金の返済ができない場合)は、一部給料等の他の所得から損益通算が可能になります。

6.まとめ

不動産を売却する際には、多くの税金が関わってきます。

事前にしっかりと計画を立て、適切な節税対策を講じることで、税負担を軽減することが可能です。

 

丸山会計事務所は不動産に強い税理士事務所です。

お客様それぞれに寄り添った提案型のサービス提供を得意としておりますので、不動産売却を検討している方や節税についてのご相談はお気軽にお問合せください。

事業承継税制支援サービス

事業承継についてのお悩みは、丸山会計事務所にお任せください。
サービス内容や料金など、詳しくはこちらからご確認ください。

事業承継税制支援について詳しく見る

この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

お気軽にお問い合わせください
0120-025-388
お問い合わせ
TOP