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税理士試験でおすすめする科目の選び方とその順番を解説
投稿日:2023年11月28日
税理士試験の合格を目指している方は、どの科目を選んで勉強を進めた方がいいのか、気になる方も多いのではないでしょうか。受験勉強には多くの時間を費やすことになるため、会計事務所で働くときに役立つ科目を選ぶことと、効率的な順番で勉強を進めることが重要となります。本記事では、税理士試験の概要と実務で役立つおすすめの科目、勉強をすすめる上でおすすめの順番について解説していきます。
目次
1.税理士試験は科目選択制になっている
試験科目は11科目ある科目うちの5科目を選択する
税理士試験は全部で11の科目があり、その中で5科目に合格すればいいとされています。11の科目は、会計学に属する2科目(簿記論と財務諸表論)と税法に属する9科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)に分かれています。
その中で、会計学に属する2科目(簿記論と財務諸表論)は、必須科目となっていて必ず選ばなければなりません。また、税法の所得税法、法人税法の2科目のうち、どちらか1科目を選択しなければならないとされています。
一般的には数年かけて5科目の合格を目指す
税理士試験は1年に1回行われていますが、この1回の試験で5科目すべてに合格する必要はありません。税理士試験は科目合格制となっているため、数年かけて5科目合格すればよいとされています。
そもそも税理士試験は、1年での5科目合格はとても困難であるため、数年かけて5科目の合格を目指すのが一般的です。
科目によって、範囲が広く勉強時間が長くかかるものと、比較的範囲が狭いものがあり、始めに受験する科目を決め、計画的に学習するのがいいでしょう。
2.税理士試験でおすすめの科目の選び方
税理士試験の合格基準を考える。
税理士試験の合格基準は国税庁の発表では各税目ともに、満点の60%と記載があります。
しかし、現実は各科目ともに、実施した試験から上位の8%~14%前後の合格者となるように調整がされます。
範囲が狭い科目では、満点が要求されます。範囲が広い科目では、人が正解できるところをいかに落とさないかがポイントとなります。
税理士試験ではどの科目を選ぶのかが重要
税理士試験で受験する5つの科目は、どの科目を選ぶのかがとても重要です。試験科目は、範囲が広く勉強時間が長い科目と、比較的勉強時間が短い科目があります。効率的に早く5科目に合格したい人は、9つの税法に属する科目の中で、比較的勉強する時間が短い酒税法や国税徴収法を選ぶのがいいでしょう。
しかし、勉強時間が短くて済む反面、高得点を取らないと受かりにくいといった側面もあります。
私の友人でも、安易に勉強時間が短い科目を選択し、結局数年かかった方もみえます。勉強範囲が短い分、優秀な方、天才的な方は合格しやすいと思いますが、年間の合格者が全国で数十人ということもありますので逆に狭き門となります。
また、これらの2科目は実務で取り扱うことが少ないため、勉強した知識を使って仕事をすることができないと感じてしまうかもしれません。
税理士試験の勉強を実務に活かすためには、仕事で必要とされることの多い科目を選ぶのが望ましいといえます。
実務で役立つおすすめの試験科目
試験科目を選ぶときに、実務でも役立つことも多く、おすすめなのは消費税法です。消費税法は、会計事務所の業務で、必ずといっていいほど取り扱う科目といえます。
また、消費税法は改正も多く複雑で、ミスが起きやすいといわれています。税理士がお客様から受ける損害賠償請求に至った事例も一番多く、十分に知識を身に付けておいた方がよいといえるでしょう。
次に、実務で役立つ科目としておすすめなのは法人税法です。法人税法は、範囲がとても広く勉強時間も長い科目ですが、法人税法の概念を理解しておくと、所得税法を受験する場合に、理解しやすくなるといったメリットもあります。
税法に属する分野で最後におすすめするのが、所得税法か相続税法の2つになります。所得税法の勉強は、法人税法で学んだ知識が活かせるので、効率的に勉強ができるといえるでしょう。
相続税は税理士の業務を行っている上で常に関連してきます。
土地の評価の考え方、株式の価値の考え方など、理解をしておくと、会計から法人税、所得税、それがどう相続税に繋がっていくかが理でき、各税目のつながりも理解ができると思います。
そのためこの2科目も実務でも役立つ機会が多く、知識として身に付けるにはとても有効です。
勉強をすすめる順番も重要
税理士試験は、数年かけて5科目に合格するのが一般的ですが、受験する順番によって、効率的に勉強を進めることができるものがあります。
実務に役立つ科目としておすすめしている、消費税法、法人税法、所得税法は、会社などで得られた収入や利益に対して課税される税です。
この3科目は、会計に関する知識を身に付けることで効率的に勉強を進めることができます。
そのため、必須となっている簿記論、財務諸表論を、先に勉強しておくことがおすすめです。
必須科目の2科目に合格した後は、3番目の科目として、勉強時間が比較的に中くらいとされる、消費税法を勉強するのがよいでしょう。
税法科目の勉強方法は簿記論、財務諸表論と税法科目の勉強方法は少しことなりまるため、消費税で税法科目の勉強方法を学ぶことが、次の法人税、所得税、相続税に繋げることができると思います。
必須科目の2科目と、実務でよく使う消費税法の合計3科目に合格することができれば、次に範囲が広く勉強時間の長い、残りの2科目に集中することができます。
4番目は、範囲も広くボリュームも多いとされる、法人税法がおすすめです。法人税法に合格することで、5番目に所得税法の勉強をすることになった場合、法人税法の知識を活かすことができるので効率的です。
所得税法ではなく相続税法を選択する場合は、5番目として最後に勉強することをおすすめします。ボリュームも多い科目となりますが、会計の知識が必要とされる消費税法、法人税法を先に勉強し、最後に相続税法を勉強することが効率的といえます。
実務で役立つ科目としておすすめするこの5科目を、効率的に取得していくために、この順番で進めていくのがいいでしょう。
3.まとめ
税理士試験は全部で11の科目があり、その中で5つの科目に合格すればよいとされています。受験する5科目は、将来税理士として仕事をすることを見据え、実務で役に立つ科目を選んで取得することがおすすめです。また、数年かけて5科目を効率的に取得していくために、受験する科目の順番を決めることも重要ポイントといえます。
受験する科目や勉強の進め方でお悩みの際は、丸山会計事務所までお気軽にご相談ください。
この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。
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