26/7/17配信:社長一人では会社は伸びない。ホールディングスが会社を強くする理由
投稿日:2026年07月17日
朝4時起きの税理士、丸山です。
最近自分の仕事場に昇降機能付きデスクを取り入れ
立ながらこのメルマガを作成しています。
本日は、業績が好調な経営者様から
ご相談が絶えない「事業承継」と
「組織づくり」についてお話しします。
「ホールディングス(持株会社。以下HD)」
なんて、大企業がやる経営システムでしょう?
そう思われるかもしれませんが、
実は今、伸びている中小企業ほど
この手法を積極的に導入しています。
なぜなら、
将来の株価評価を抑えるだけでなく、
次の責任者を育て、
強い組織をつくる経営戦略だからです。
■ なぜ儲かる会社ほど事業承継が難しくなるのか
毎年しっかりと利益を出し、
内部留保が貯まっている会社。
経営としては100点満点ですが、
税務の視点で見ると、
自社株の評価額が雪だるま式に
上がり続けている危険な状態です。
これを放置したまま相続が発生すると、
後継者に数千万円、あるいは
億単位の相続税がのしかかります。
自社株はすぐには換金できないため、
最悪の場合、税金を払うために
会社を売却する事態にもなりかねません。
まさに、会社の足元に
「時限爆弾」を抱えているようなものです。
■ 株価評価を効果的に抑える「多層化」の仕組み
そこで有効なのが、
一つの会社の上に新しく親会社を作る
「二階建て」、さらには「三階建て」という
組織を多層化していく経営戦略です。
家で言えば、
一階が現場、二階が統括会社、というように
役割を分けていくイメージです。
税務上の大きなポイントは、
「資産を多く持つ会社を、子会社や
孫会社の階層へ下げていく(ぶら下げる)」
というスキームにあります。
細かな計算方法は非常に専門的になり、
含み益に対する法人税相当額の控除など
個別の緻密な設計が必要ですが、
このようにグループ会社を適切に設計すると、
最上部にある親会社の株価評価を
効果的に抑えられる可能性があります。
株価評価の上昇を抑える効果が期待できるため、
多くの経営者様は、まず税務面に関心を持たれます。
しかし、私はホールディングスの本当の価値は、
そこではないと思っています。
■ 節税スキームより怖い、人間の感情問題
しかし私は、
ホールディングスの本当の価値は
そこではないと思っています。
ここからが本題です。
どれだけ綺麗に節税スキームを組んでも、
事業承継が失敗するケースは
後を絶ちません。
そこには「人間の感情」という、
理屈通りにはいかない
泥臭い問題があるからです。
「息子に社長の座を譲ったが、
口を出さずにはいられない現社長」
「権限はもらったはずなのに、
常に親の顔色を伺ってしまう後継者」
こうした遠慮や確執が、
会社を内部からガタガタにしていきます。
■ 人は「任される」からこそ、組織は活性化する
会社は、
社長一人の能力では大きくなりません。
社長を支える責任者が育って初めて、
本当に強い会社になります。
そこで私は、単にHD化するだけでなく、
「種類株式(議決権などを調整できる株式)」
なども戦略的に組み合わせ、
オーナーの役割と現場経営の役割を分け、
責任と権限を一致させた組織設計を
制度として仕組み化することをご提案しています。
全体の戦略は親会社で握りつつ、
子会社・孫会社の社長には、後継者や
生え抜きの幹部を抜擢し、丸ごと任せる。
人間、どこかで
「最後は先代が何とかしてくれる」
と思っているうちは、絶対に育ちません。
ひとつの会社のトップとして、
「自分が決めなければ、明日会社が潰れる」
というヒリヒリした責任を背負う。
この「任される」という経験があって
初めて、人は本気で動き出します。
私が関与させていただいた会社でも、
社員が「この社長を支えたい」と自然に集まり、
組織が大きく伸びた会社があります。
社長一人が会社を引っ張る組織より、
社長を中心に社員が自然と集まる組織の方が、
結果としてずっと強い会社になります。
そうして良い採用が固まり、
役割を持った責任者が育ち始めたとき、
会社は一気に伸びていくのです。
■ 税金ではなく会社の未来を設計する
ホールディングス化は、
単なる税金対策のテクニックではありません。
財務リスクをきれいにコントロールしつつ、
次世代のリーダーに現場を任せ、
会社をさらに成長させるための
「攻めの組織戦略」です。
ただし、組織再編を実行するには、
税務や法務の非常に細かな要件を
クリアしなければなりません。
タイミングや仕組みの設計には、
綿密なシミュレーションが欠かせません。
「うちの会社なら、どんな形が最適だろう」
と少しでも気になられた方は、
まずは現状の確認だけでも構いません。
本当に承継すべきなのは、
株でも会社でもありません。
人が育ち、次の世代へ受け継がれていく
「仕組み」です。
良い会社とは、
社長一人が頑張る会社ではありません。
人が育ち、
人が集まり、
次の世代へ自然につながっていく会社です。
私たちは、
税金だけを見る税理士ではありません。
人が育ち、次の世代へ受け継がれていく会社を、
ともに描くパートナーでありたいと考えています。
「うちの会社なら、どんな形が最適だろう。」
そう思われたら、ぜひ一度、
丸山会計事務所にご相談ください。
ともに未来を描いていきましょう。
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この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


