26/6/5配信:国税も動いた「トリプル課税」の実例。不動産の法人移転に潜む罠

投稿日:2026年06月05日

 

 

丸山会計事務所の丸山です。

毎朝4時に起きるのが

私のルーティンなのですが、

最近は随分と外が明るくなるのが

早くなりました。

寝室の横で、パソコンを開き

新しい勉強をするのが私の日課です。

家族が起きてくる前のこの時間が、

私にとって一番集中できます。

 

さて、本日の本題です。

「個人で持っている収益不動産を、

自分の会社に移したい」

所得税の節税や、

相続税対策として、

非常に有効な手法です。

 

不動産税務や組織再編が得意な私としても、

得意中の得意な分野です。

 

しかし、ここで多くの経営者が

「落とし穴」にハマってしまいます。

それは、

「いくらで会社に売るか」

という問題です。

 

「自分の会社だから、

いくらで売っても自由でしょ?」

そう思われたなら、

非常に危険です。

 

例えば、時価1億円の物件を、

4,000万円で会社に売却したとします。

「安く買えてラッキー」

では済まないのです。

 

ここには、なんと

「3つの税金」が

一網打尽に襲いかかってきます。

売ったあなた(個人)

「みなし譲渡」のルールにより、

「1億円で売った」とみなされて

「譲渡所得税」がかかります。

(所得税法59条)

買ったあなたの会社(法人)

安く買えて得した6,000万円は

「受贈益(もらい得)」とみなされ、

「法人税」が課税されます。

(法人税法22条)

他の株主(ご家族など)

会社の価値(株価)が上がったため、

他の株主に対して

「贈与税」まで課税されます。

(相続税法9条など)

 

「丸山さん、いくらなんでも

そんなトリプルパンチ、本当にあるの?」

そう思われるかもしれませんが、

「実際に国税局と争って、 納税者が負けた高裁の裁判(東京高裁平19年)」

があるのです。

 

「低額譲渡で法人の株価が上がったから、

他の株主にも贈与税だ」

という国税側の主張を、

裁判所はハッキリと認めました。

 

つまり、安く売りすぎると、

全員が課税されてしまう。

逆に、役員などが高すぎる価格で売れば、

「役員賞与」とみなされ、

所得税がかかる。

 

まさに、

ピンポイントで「適正な時価」を

狙い撃ちしなければならないのです。

 

では、その「適正な時価」とは、

一体いくらなのか?

物件の規模、用途、

その取引の文脈によって、

採用すべき評価手法は全く異なります。

 

ここを感覚で決めてしまうと、

数年後の税務調査で

数千万円の追徴課税…

という悪夢になりかねません。

 

不動産の法人移転を考える際には、

契約書に判を捺す前に、

必ず「税務上の時価」を

確認してくださいね。

 

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この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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