26/5/15配信:なぜ「たった5%の値上げ」で、利益は2倍になるのか
投稿日:2026年05月15日
おはようございます!
朝4時起きの丸山会計の丸山です。
静かな部屋で決算書を見返していました。
すると改めて感じるのです。
決算書は単なる「過去の数字」ではなく、
「未来の利益戦略」が詰まった宝の山だな、と。
しかし、情報は利用することにこそ価値があります。
利用しなければ、ただの紙の束と同じです。
今日は、眠っている決算書という情報を使い、
「あとどれだけ値上げすれば、利益構造が改善するのか」
を、誰でも直感的にわかる形でお話ししたいと思います。
まずは、ある会社の数字を例に考えてみましょう。
【モデル企業の損益状況】
・売上高:20,000万円(2億円)
・売上原価:12,000万円
・売上総利益(粗利):8,000万円
・固定費(人件費や家賃など):7,000万円
・経常利益:1,000万円
この会社の「売上高経常利益率」は「5.0%」です。
これを噛み砕くと、
「1万円売れても、手元にわずか500円しか残らない構造」
ということです。
逆に言えば、売上の95%(9,500円)は、
仕入れや人件費、家賃などで、
売れた瞬間に消えていく……というシビアな現実を表しています。
さて、この状況で社長がこう決意したとします。
「今期は、利益を2倍の2,000万円にしたい!」
あと1,000万円の利益を上乗せするために、
あなたなら、どの「ボタン」を押しますか?
利益を増やす方法は、大きく分けて「4つのボタン」しかありません。
経営とは、この「どのボタンを、どの強さで押すか」を決める作業です。
それぞれのボタンで、利益を1,000万円増やすために
必要な「エネルギー量」を計算してみましょう。
これを専門用語で利益感度分析と言います。
【目標達成(利益+1,000万円)への道】
- 「固定費」ボタン ⇒ 今の経費を 「14.3%」もカットしなければなりません。 (相当なリストラや節約が必要です)
- 「販売量(客数)」 ボタン ⇒ 今より 「12.5%」 も多く売る必要があります。
(市場が飽和している中では至難の業です) - 「原価」 ボタン ⇒ 仕入れ先を叩き、「8.3%」 のコストダウンを強いる。
(取引先との関係が悪化するリスクがあります)
どれも、血の滲むような努力が必要そうですよね。
ところが、4つ目のボタンだけは、必要なエネルギーがまるで違います。
- 「販売価格(値上げ)」 ボタン
⇒ 今の価格を、たった 「5.0%」 適正化するだけ。
「え?たった5%値上げしただけで、利益が倍になるの?」
そう思われるかもしれません。
しかし、これこそが決算書の数字が教える真実です。
なぜ、これほど大きな差が出るのか。
それは、値上げで増えた分の売上には、
「追加の仕入れ」も「追加の人件費」もかからないからです。
95%が経費で消えていく構造の会社にとって、
この「追加の5%」は、
「ほぼそのまま、利益に近い形で残りやすい」 という極めて強力な性質を持っています。
もともとの利益率が5%(500円)の会社なら、
5%(500円)値上げして、利益が「500円+500円」で2倍になる。
決算書の「売上高経常利益率」という情報を読み解くだけで、
「何%値上げすれば、利益が倍増するのか」
その魔法の数字が、一瞬で弾き出せてしまうのです。
もちろん、多くの経営者はこう不安になります。
「値上げをしたら、お客様が離れてしまうのではないか」と。
そのお気持ちは、痛いほどよくわかります。
しかし、原材料費も人件費も上がっている今、
無理な安売りを続け、利益を削ってサービス品質を落とす方が、
長期的には大切なお客様に多大な迷惑をかけることになります。
自社の数字を冷静に分析してみると、
「本当に値上げをすべきなのか」
「それとも、先に削るべきコストがあるのか」
が、驚くほど整理しやすくなります。
情報は、利用することに価値があります。
眠らせている決算書を、最高の戦略ツールに変えましょう。
実際に自社の数字でこのシミュレーションをしてみると、
「どこを触れば、利益がしっかり残る会社になるのか」
が、面白いほど見えてきます。
もし、「自社のこの数字、どう読めばいい?」と思われましたら、
一緒に決算書を広げてみませんか。
確かな数字を味方につけて、共に理想の戦略を練っていきましょう。
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この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


