【税理士受験生向け】インフレ対策を含めた資産運用の重要性
投稿日:2026年01月21日
税理士の価値は「申告書」から「資産防衛」に移る
税理士試験は確かに難関です。
合格は大きな達成です。
ただ、資格はスタート地点でもあります。
いま顧問先が本当に求めているのは、申告書の作成だけではありません。
- 税金をどうコントロールするか
- キャッシュフローをどう守るか
- インフレで資産が目減りする中で、どう残すか
- 次世代にどうつなぐか
ここまで含めて相談される場面は確実に増えています。
インフレ時代は「節税だけ」では資産が守れない

デフレ時代は、守りが正解になりやすかった。現金で持っていても価値が減りにくい。
だから節税に集中すれば一定の意味がありました。
しかし、インフレ局面では状況が逆です。
現金は、持っているだけで購買力が落ちる。つまり「何もしない」ことがリスクになる。
このとき、税理士が「税金だけ」の視点だと、顧問先の資産防衛に穴が空きます。
節税しても、資産価値が減っていけば意味がない。
だから税理士も、資産運用・インフレ対策を理解する必要が出てきます。
「知らない」は、助言できないという意味になる
資産運用は、税理士の本業ではない。
それは正しい指摘です。
しかし、顧問先は聞いてきます。
不動産、保険、金融商品、ラップ、法人と個人の資金移動。
提案は金融機関が持ち込みます。
顧問先は「先生、この話どう思います?」と聞きます。
ここで「分からない」と言った瞬間に、顧問先は税理士を“税金計算の人”として扱い始める。
つまり、関係が浅くなる。価格競争に巻き込まれやすくなる。
逆に、運用商品を売る必要はありません。
しかし、仕組み・税務影響・リスク・判断基準を整理して話せるだけで、信頼は一段上がります。
税理士が身につけるべきは「商品知識」ではなく「判断軸」

運用で重要なのは、商品名を暗記することではありません。
税理士が強いのは、数字で構造を理解し、意思決定を整理できる点です。
たとえば、顧問先の相談に対し、次を整理できると強い。
- 目的は何か(節税/資産形成/相続準備/事業承継)
- 期間はどれくらいか(短期で現金化したいのか、長期で持つのか)
- キャッシュフローに耐性はあるか
- 税務上の扱いはどうか(所得区分、課税タイミング、損金算入の可否等)
- 最悪のケースが起きたときの撤退路はあるか
税理士の価値は、ここにあります。
「節税の目的は何か?」に答えられる税理士が選ばれる

節税は大事です。
しかし、節税が目的化すると危うい。
節税の目的は突き詰めれば、お金を残すことです。
キャッシュフローの最大化です。課税の繰延べを含め、資産全体の設計です。
この思想を持つ税理士は、顧問先の意思決定に深く関われます。
結果として、顧問契約は「記帳代行の価格」ではなく、「資産防衛の価値」で評価されるようになります。
受験生・若手税理士に伝えたい現実

税理士業界は、価格競争に巻き込まれやすい構造があります。
記帳代行・確定申告は代替が増えています。AIも入ってきます。
では、どう差別化するのか。
答えの一つは、資産税・不動産・保険・運用の領域を理解し、顧問先の“未来”に関わることです。
税理士は本来、長期で顧問先の家族事情・財務事情を知る立場にいます。
担当者が数年で変わる金融機関より、深い理解ができる。
ここに圧倒的な優位性があります。
まとめ:税理士の未来は「資産を残すプロ」へ

税理士は、税金の専門家です。
しかし、これからは「税金だけの専門家」では足りない局面が増えます。
- 節税
- インフレ対策
- 資産運用
- 不動産
- 事業承継
これらをつなぎ、「顧問先の資産を残す」という本質に向き合える税理士が、選ばれる時代です。
この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


