キーエンス式 性弱説経営:人の弱さを乗り越える仕組み

投稿日:2025年08月26日

努力が報われないと悩むあなたへ。キーエンスから学んだ「人の弱さ」を仕組みで乗り越える思考法

こんにちは!税理士の丸山です。
試験まであと少しですね、資格試験、難関資格に挑む社会人の皆さん、毎日お疲れ様です。

仕事と勉強の両立は本当に大変ですよね。「社会人 資格勉強」と検索するたびに、同じような悩みを持つ方がたくさんいることを感じています。努力しているのに成果が出ない、モチベーションが続かない、何度も挫折しそうになる…そんな経験、私自身も山ほどしてきましたから、その辛さは痛いほどよく分かります。

今日は、そんな皆さんの心に響くかもしれない、ある本との出会いについてお話ししたいと思います。それは、日本を代表する超高収益企業であるキーエンスの秘密に迫る一冊、『キーエンス流 性弱説経営』です。


「努力不足」と自分を責めていませんか? 人間はそもそも「弱い」存在だ

社会人受験生の皆さんは、もしかしたらこう考えているかもしれません。「もっと頑張らなきゃ」「努力が足りないんだ」と。私もかつてはそうでした。試験の結果が思わしくないと、「ああ、努力不足だ」と自分を責めて、ただ反省するだけで終わってしまう。でも、それで次からうまくいくかというと、なかなかそうはいかないんですよね。

この本を読んで、私は衝撃を受けました。キーエンスは「人は善でも悪でもなく、弱い存在である」という「性弱説」を前提に、経営を行っているというのです。

「え、弱いってどういうこと?」と思いますよね。例えば、あなたは階段とエレベーター、どちらを使いますか? きっと多くの人がエレベーターを選ぶはずです。勉強や筋トレも、「よし、やるぞ!」と決めても、ついついサボってしまったり、楽な方に流されたりすること、ありませんか?

キーエンスは、まさに「人は放っておけばサボるし、忘れるし、楽な方に流されてしまう」という前提に立っているんです。悪意があるからミスをするのではなく、人間の「弱さゆえにミスやサボりが起きる」と考える。そして、その弱さを責めるのではなく、弱さから来るミスやサボりを防ぐための「仕組み」を作って、人を動かしているのです。

私自身も「早く起きなきゃ」「ブログを書かなきゃ」と毎日思いますが、目の前の他の仕事に追われて、ついつい後回しにしてしまうことがあります。まさに「性弱説」の通りだと、この本を読んで痛感しました。


キーエンスに学ぶ「人の弱さ」を味方にする仕組み

では、キーエンスは具体的にどんな「仕組み」を作っているのでしょうか? いくつかご紹介しましょう。そして、それが皆さんの資格勉強にも応用できるヒントになるはずです。

ニーズカード制度:サボれない「見える化」と動機付け

キーエンスでは、営業担当者が顧客の「困りごと」や「欲しい商品」を記入する「ニーズカード」を日々集めています。口頭で「お客様の声を聞いてきてね」と伝えただけでは、「今日はいいや」「また今度でいいか」と後回しにしてしまうのが人間です。そこでキーエンスは、ニーズカードを出さなければ人事に響き、良い情報を持ち帰れば報奨金が出る仕組みを作っています。これは、人が楽な方に流されることを前提に、「動かざるを得ない仕組み」を構築している例ですね。

1分単位の日報:時間の使い方を「見える化」し、意識を変える

「時間を大切に使ってください」と上司に言われても、なかなか行動は変わりません。そこでキーエンスは、社員に「1分単位」で日報を書かせているのです。これは手間がかかりますが、この「見える化」によって、自分がこの1分間何をしていたのか、その行動は価値を生んでいたのかを常に意識せざるを得なくなります。つまり、「人は見えないものを管理できない」という考えが根底にあるのですね。

「努力不足」で終わらせない「原因の深掘り」

目標を達成できなかった時、多くの会社では「すみません、努力不足です」で終わってしまいがちです。しかしキーエンスでは、「努力不足というなら、何が足りなかったのか?」「なぜ時間が足りなかったのか?」と、うまくいかなかった原因を徹底的に追求させます。原因を見つけて改善しない限り、人は同じミスを繰り返すからです。仮説を立て、実行し、成果を確認するPDCAサイクルを回し続けることを徹底しているのです。

目標は「自分で」決めさせる

多くの会社では、目標は上から一方的に決められます。でも、キーエンスでは、社員自身に「どの目標に取り組むか」を選んでもらいます。なぜなら、「他人に一方的に与えられた目標には本気になれないが、自分で決めた目標には本気で取り組める」と考えているからです。


「弱い自分」を責めるのではなく、仕組みと工夫で変革する

この「性弱説」の考え方を知って、私自身の思考も大きく変わりました。自分自身が勉強や日々の業務で「ついついサボってしまう」「うまくいかない」と感じた時、以前なら「もっと頑張れ!」と自分を鼓舞するだけでしたが、今は「どうすればこの弱さを仕組みでカバーできるだろう?」と考えるようになりました。

実は、私の会計事務所でも、この考え方を取り入れ始めています。例えば、議事録の作成です。社員が「ついつい後回しにしてしまう」という弱さがあるなら、AI議事録を導入して自動化する。さらに、顧客との会話を自動録音する仕組みなども、悪意ではなく「言った言わない」をなくし、社員を守るための工夫として検討しています。

また、この「性弱説」は、最近私が学んだ「行動経済学」とも深く繋がっていると感じました。行動経済学では、人間は必ずしも合理的に行動しない「非合理な生き物」だと説いています。

特に疲れている時や時間がない時、情報が多すぎる時などには、直感的な「システム1」での意思決定に偏りがちで、ミスが起こりやすいのです。これは、疲れている社会人受験生の皆さんにとって、まさに「あるある」ではないでしょうか?

大事な勉強計画や意思決定は、疲れていない「朝」など、集中できる時間に行うべきというアドバイスも、この視点から納得できます。


社会人受験生よ、「弱い自分」を味方につけろ!具体的な行動提案

さて、キーエンスから学んだ「性弱説経営」の考え方を、皆さんの資格勉強にどう活かすことができるでしょうか?

  1. 勉強の「見える化」を徹底する
    キーエンスの1分単位日報のように、自分の勉強時間を徹底的に記録してみましょう。何時から何時まで、どの科目を、何をしていたのか。記録アプリを使うのも良いでしょう。漠然と「何時間勉強した」ではなく、具体的な行動を「見える化」することで、「この時間の使い方は無駄だったな」「集中できていなかったな」と気づき、時間の使い方を本気で見直すきっかけになります。
  2. 「努力不足」で終わらせず、原因を深掘りする
    模試で点数が伸び悩んだり、問題がなかなか解けなかったりした時、「努力不足だ」と自分を責めるのはやめましょう。代わりに、「なぜできなかったのか?」を徹底的に深掘してください。
    • 知識が足りないのか? (→どの分野か?)
    • 計算ミスが多いのか? (→ケアレスミスか、根本的な理解不足か?)
    • 時間が足りないのか? (→時間配分か、解答スピードか?)
      具体的な原因を特定し、それに対する対策を立て、次で試す。このPDCAサイクルを回すことが、着実な成長に繋がります。
  3. 「サボれない仕組み」を構築する
    人間は弱い生き物です。だからこそ、サボりたくなくてもサボれないような「仕組み」を自ら作るのです。
    • 勉強場所の固定化: 誘惑の少ない場所(図書館、自習室など)で勉強する習慣をつける。
    • 勉強時間の予約: スケジュールに「勉強の時間」を明確に組み込み、他の予定を入れないようにする。
    • 仲間との進捗共有: 信頼できる勉強仲間と、週次で進捗報告し合うのも良いでしょう。キーエンスの「ハッピーコール」のように、人に進捗を見られることで、「サボれない」動機付けになります。
  4. 目標は「自分で」設定する
    誰かに言われたからではなく、「自分が本当に達成したい」という目標を具体的に設定しましょう。その目標は、あなたの「税理士試験 モチベーション」を高く維持する原動力になります。
  5. 感情のマネジメントも仕組みに組み込む
    疲れていると、人間はネガティブになりがちです。意識的にポジティブな感情を保つ工夫をしましょう。
    • 好きな写真や物をデスクに置く。
    • 定期的に運動する、人とのコミュニケーションを大切にする。
    • 少し疲れたら思い切って休む勇気を持つ。無理な頑張りは非合理な選択を招きます。

最後に:あなたの努力は必ず実を結ぶ

「社会人 資格勉強」は、本当に長く厳しい道のりです。途中で「もう無理だ」と諦めそうになる時もあるでしょう。私もそうでしたから、よく分かります。

でも、この「性弱説」の考え方を知って、自分を責める必要はないと気づいてほしいのです。あなたは決して「努力が足りない」わけではありません。ただ、人間の「弱さ」を理解し、それをカバーする「仕組み」や「工夫」が不足していただけかもしれないのです。

「人は弱い」だからこそ、仕組みでサポートする。この考え方は、資格勉強だけでなく、日々の仕事や人生にも応用できる、まさに「最強の思考法」だと感じています。

あなたが今、どんなに苦しい状況にいても、必ず道は開けます。自分を信じ、そして「自分の弱さ」を味方につける工夫を凝らしてください。一つ一つ、具体的な行動を積み重ねていけば、必ず目標に到達できると信じています。

このブログが、皆さんの「税理士試験 モチベーション」維持の一助となれば幸いです。私の会計事務所では、日々の業務にAIやDXを積極的に取り入れ、お客様の課題解決に尽力しています。ブログでも、税務や経営に関する役立つ情報を発信していますので、ぜひ他の記事も覗いてみてくださいね。

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この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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