努力が報われないのは、あなたのせいじゃない。税理士が教える「報われる努力」の秘密
投稿日:2025年08月26日
資格試験に挑む学生さん、社会人の皆さん、こんにちは!税理士・経営者の丸山です。
毎日、仕事と勉強の両立、本当に大変ですよね。職場では責任ある立場、家では家族のこと、そして自分自身のキャリアアップのために資格勉強……。限られた時間の中で、本当に皆さん、頭が下がります。
もしかしたら今、「これだけ頑張ってるのに、なんで結果が出ないんだろう…」「模試の点数も上がらないし、もう無理かも…」そう感じていませんか?
実は僕自身も、かつては目の前の仕事に追われて、勉強が後回しになりがちでした。「今日は疲れたから、もういいや」「明日、倍頑張れば大丈夫」なんて、自分に言い訳をしてしまうこともよくありました。努力が報われないと感じた時、人間はとても辛いものです。
ホームページの自己紹介でもありますが、何度も税理士試験の合格発表で、結果が出ない自分に泣きました。
でも、安心してください。それは決して、あなたが弱いからではありません。
報われない努力、そのモヤモヤ、わかります。
「朝早く起きようと思ったのに、結局二度寝してしまった…」「分厚い参考書を見ると、やる気が失せてしまう…」「目標を立てても、三日坊主で終わってしまう…」 こんな経験、一度や二度じゃないはずですよね。
僕も経営者として、常に「こうしなきゃ!」と思っているのに、なぜかできないことが山ほどあります。「ブログ書かなきゃ」「新しい情報を取り入れなきゃ」と思うのに、目の前の仕事に追われてしまう。人はサボりたいわけじゃないのに、ついついサボってしまうものなんです。,,,,
なぜ私たちは、頭ではわかっているのに、非合理的な行動をとってしまうのでしょうか?
僕自身も「まさか!」と驚いた、「人の心と行動のクセ」
最近、僕が読んで衝撃を受けた一冊があります。それが『行動経済学が最強の学問である』という本。YouTubeの要約動画を見たのがきっかけですが、その内容に触れると「なるほど!まさにこれだ!」と膝を打つことばかりでした。
この「行動経済学」とは、一言で言えば「なぜ人は、合理的ではない(つまり、ちょっと変な)行動をとってしまうのか」を解き明かす学問です。
ケンブリッジ大学の研究では、人は1日に最大3000回もの意思決定をしていると言います。朝食は何にするか、どんな服を着るか、どのカップ麺を選ぶか…意識していないだけで、私たちは毎日様々なことを決めているんです。
そして、その意思決定や行動が、必ずしも「合理的」とは限らない。ダイエット中なのにチキンサラダではなく、ついついカステラやポテトチップスを衝動買いしてしまったり飛行機、飛行機事故のニュースを見ると、統計的には自動車より飛行機の方が安全なのに、海外旅行をキャンセルしてしまったり、人間って、よくよく考えると変な行動を取っていますよね。
行動経済学では、この非合理な意思決定の原因を大きく3つに分けています。それが「認知のクセ」「感情」「状況」です。
「認知のクセ」: これは、私たちの脳が受け取った情報を、無意識のうちに歪めて処理してしまうことです。例えば、悲惨な飛行機事故のニュースを見たとき、私たちは「ああ、やっぱり飛行機って危ないんだな」と直感的に恐怖を感じ、旅行をキャンセルしようとします。 しかし、実際の死亡率を調べると、自動車事故の方がはるかに高いことがわかります。
この直感的な判断は、私たちの脳が持つ「システム1」という思考モードによるものです。システム1は素早く判断できる反面、選択ミスが頻繁に起こりやすいという特徴があります。
一方、論理的にじっくりと考えて判断するのが「システム2」です。普段の生活では、脳のエネルギーを節約するため、システム1が優勢になり、多くの意思決定を下しています。例えるなら、システム1は普段のルフィ、システム2はギアを上げたルフィのようなものです。 だから、資格勉強の計画を立てる時や模試の反省をする時など、「ここは大事な選択だ!」という場面では、システム2でじっくり時間をかけて考えるのがコツなんです。そして、驚くべきことに、疲れている時ほどシステム1を使いがちになるという事実。, 疲れやストレス、情報過多、時間がない時など、私たちは衝動的な行動を取りやすくなります。資格勉強で疲れている時に、ついつい誘惑に負けてしまうのも、このシステム1が優勢になっているせいかもしれませんね。
「状況」: 私たちの周りの環境が、判断や行動に大きく影響を与えることを指します。例えば、Netflixの料金プランで「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」の3つがあると、多くの人が真ん中のスタンダードプランを選びます。これは、人が「高すぎず安すぎない中間」に安心感を抱く傾向があるためです。 私たちは、周りの人、天気、物の配置、時間帯など、様々な「状況」の影響を受けているのに、それに気づかずに「自分の意思で選んでいる」と思い込んでいることが多いんです。
「頑張る自分」を変えるのではなく、「環境」を変えるという視点
この「行動経済学」の学びから、僕は大きなヒントを得ました。それは「良い意思決定をしたいのなら、自分を変えるのではなく、状況を変える」ということです。
「どうでもいいこと」には悩まない工夫
何かを選ぶということは、それだけで脳のエネルギーを消耗します。例えば、スティーブ・ジョブズやオバマ元大統領がいつも同じ服を着ていたのは、毎日の「どうでもいい服選び」に意思力を使いたくなかったからだそうです。 だから、私たち社会人受験生も、トイレットペーパーの種類や夕食のメニューなど、「どうでもいいことには、あまり悩まない」工夫をすることが大切です。脳の貴重なリソースは、あなたの人生に直結する資格勉強に使いましょう。
「大事なこと」は朝に考える
脳は日中の意思決定によって、夜には「決定疲れ」を起こし、システム1が優位になって最適な判断ができなくなってしまうことが多いんです。夜はついつい怠けてしまう…という方も多いのではないでしょうか。 だから、資格勉強など「大事なこと」は、できるだけ朝早く起きて取り組むのが効果的です。集中力も高く、余計な誘惑に負けにくくなりますよ。
ポジティブな感情を保つ工夫
感情も意思決定に大きく影響します。満員電車でイライラしたり、落ち込んだりすると、衝動的な行動を取りやすくなります。
一方で、喜びや興奮といったポジティブな感情は、能力、活力、意欲を高めてくれます。仕事場のデスクに家族や好きなペットの写真を飾ったり、定期的に運動したり、人とのコミュニケーションを大切にしたり、好きな音楽を聴いたり…些細なことでもいいから、自分をポジティブに保つ工夫をしましょう。温かい飲み物を飲むだけでも、気持ちは落ち着きますよね。
不確実性を減らし、コントロール感を高める
何が起こるかわからない「不確実性」は、大きなストレスになります。例えば、がんの疑いがあると言われた時の方が、実際にがんと診断された時よりもストレス値が高かったという研究結果もあります。だから、資格試験の結果をぼーっと待つのではなく、「やれるだけのことはやった!」と割り切って、すぐに次の勉強や気分転換をするなど、行動に移すことが大切です。 また、人生を自分でコントロールしている感覚(コントロール感)も、ポジティブな感情を維持するのに非常に重要です。勉強場所や使うボールペン、ノートの種類など、些細なことでも自分で決める意識を持つと、ポジティブになれますよ。
比べるなら「過去の自分」と
人は誰かと自分を比べてしまう生き物です。しかし、成功者と比べて「なんて自分はしょぼいんだ…」と落ち込んでしまうのは、本当にもったいない。 だから、誰かと比較するのではなく、「比べるなら過去の自分」としましょう。昨日より少しでも成長している自分、一週間前よりできるようになったこと、そんな小さな進歩にフォーカスすれば、きっとポジティブになれますよ。
「報われる努力」をするための具体的なステップ
さあ、この「行動経済学」の知見を、あなたの社会人資格勉強にどう活かしていくか、具体的なステップを提案します。
- 思考モードを意識する: 資格勉強で一番重要なのは、計画の立案や模試の振り返り、苦手科目の分析など、じっくり考える必要がある場面です。こういった重要な意思決定は「システム2」を使い、時間をかけて深く考えましょう。それ以外の日常の些細なこと(例えば、休憩中に飲む飲み物を選ぶなど)は「システム1」で直感的に決めて、脳のエネルギーを温存してください。
- 疲れを管理し、適切なタイミングで勉強する: 疲れている時は「システム1」が優勢になり、選択ミスや衝動的な行動が増えます。十分な休息を取り、体調を整えてから勉強に臨むことが、効率的な学習の鍵です。特に税理士試験 モチベーションを維持するためには、心身の健康が最優先です。 また、夜は決定疲れで集中力が落ちやすいため、重要な勉強はできるだけ集中力の高い朝の時間帯に設定することをおすすめします。
- 勉強環境を「非合理行動対策」に整える: 誘惑の多い場所を避け、集中できる環境を作りましょう。スマホや漫画など、勉強を妨げるものを視界に入れない工夫は基本中の基本です。参考書や文房具の配置、集中できるBGMなど、「状況」があなたの勉強行動を後押しするように工夫してみてください。
- ポジティブ感情を養う仕組みを作る: 勉強の進捗を可視化したり、小さな目標(例:1時間集中したら休憩)を達成したらご褒美を設定したりと、自分を励ます仕組みを取り入れましょう。また、試験結果など「不確実な結果」に過度に不安を感じるのではなく、「やれることはやった!」と割り切り、気分転換をする勇気も必要です。
- 「過去の自分」と競争する: 他の受験生と自分を比較して落ち込むのは、精神的な消耗が大きいです。 そうではなく、「昨日の自分より、今日の自分は成長したか?」に焦点を当てましょう。たとえ小さな進歩でも、確実にあなたの自信につながり、税理士試験 モチベーションを高く維持する原動力になります。
諦めないあなたへ。未来は、あなたの行動で変わる。
資格試験の道のりは、決して平坦ではありません。僕も経営者として、常に変化の波に乗り、新しい知識を取り入れる努力を続けています。例えば、AIの進化が会計事務所の業務に大きな影響を与えている今、AIを活用して業務を効率化したり、新しいサービスを開発したりと、日々学びと実践の連続です。
AIが発展する現代でも、人が求められるスキルは「事業理解」や「人間性」、そして何よりも「学び続ける好奇心」です。 「やりたい人には勝てない」、本当にそう思います。あなたが心からこの資格を獲りたいと願うなら、それは何よりも大きな強みです。
努力しても報われないと感じる日もあるでしょう。でも、それはあなたが弱いからではありません。人間の「非合理な心のクセ」を知り、それに対処する方法を身につければ、きっと「報われる努力」ができるようになります。
未来は、あなたの行動で変わります。諦めず、一歩一歩、確実に進んでいきましょう。僕も税理士として、経営者として、そして一人の人間として、皆さんの挑戦を心から応援しています!
最後に
今回ご紹介した「行動経済学」の知識は、資格勉強だけでなく、仕事や日常生活におけるあらゆる意思決定に役立つものです。
僕のブログでは、税務や経営のことだけでなく、皆さんのビジネスや人生に役立つ情報も発信しています。
実際に、僕のブログ記事(例えば「外注営業マンへの報酬の源泉徴収」に関する記事など)も、たくさんの方に読んでいただいていますし、大学生から扶養について問い合わせの電話があったりもします。
この学びが、あなたの人生を切り開くヒントになれば嬉しいです。今日から、あなたもぜひ「行動経済学」の知恵を、日々の勉強に取り入れてみてください。小さな工夫が、やがて大きな成果につながるはずです。皆さんの 資格勉強が実を結ぶことを心から願っています!
当事務所では、積極的に採用も行っています!
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この記事の監修

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。