事業承継に関するブログ
持株会社へ移行するための2つのスキーム|最適な移行方法の決め方とは?
投稿日:2023年06月07日
複数の会社を経営しているグループが持株会社を作り、組織再編をする場合や事業承継するには様々な方法があります。
その中でも今回は「創業者にメリットがある方法」と「会社に負担がかからない方法」の2つをご紹介していきます。
融資を充てる持株会社スキーム
1つめの方法が融資を利用して持株会社に事業会社を所有させるスキームです。
- 持株会社を作る
- 子会社化する会社の株を、持株会社が買い取る
- 銀行が持株会社に子会社株の買取り資金を融資する
- 持株会社が買い取った株の配当等で融資を返済していく
簡単に言えば、持株会社が子会社化する会社の株を買い取る方法です。
しかし、設立したばかりの持株会社にはお金がないので、買取資金を銀行が融資をし、持株会社が配当金収入から返済を行います。
この方法は事業承継の際にも利用される方法です。
後継者が持株会社を作り、銀行から融資を受け、親の会社の株式を買い取ることでスムーズに事業承継を進めることができます。
融資を充てる持株会社の設立方法のメリットとデメリットを解説していきます。
メリット
融資を利用する方法では、創業者は株式をお金に替えることができるのがメリットです。
株式移転などの方法で持株会者へ移行したり事業承継をした場合には創業者は株式をお金に替えることはできません。
持株会社の株式になるだけになります。
しかし、融資を利用して創業者が保有する株式を買い取ってしまえば、創業者には高額な現金が入ります。
創業者にとっては非常にメリットの多い方法だと言えるでしょう。
デメリット
融資を利用して持株会社を設立する方法のデメリットは、後継者や持株会社には借金返済義務が残るという点です。
創業者にお金が入る反面、後継者には借入金の返済が生じるため、後継者にとってはマイナスです。
特に事業承継でこの方法を使用する場合は、子供が借金したお金を親へ渡すという流れになるので、この方法を事業承継で採用することはハードルが高いでしょう。
株式交換や株式移転で持株会社を作るスキーム
2つめは株式交換や株式移転という方法で持株会社を作るスキームです。
- 株式交換:子会社化したい会社の株式を持株会社が取得する代わりに、子会社の株主へ持株会社の株式を取得させること
- 株式移転:子会社化する会社の発行済み株式の全部を新たに設立する持株会社に取得させること
これらの方法で持株会社を設立すれば、お金のやり取りが発生せず、単に子会社化した会社の株式を持株会社へ株式移転か株式交換という方法で移すことができます。
株式交換や株式移転で持株会社を作るスキームのメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
メリット
株式交換や株式移転で持株会社を作るメリットは次の2点です。
- 持株会社に金銭的な負担が生じない
- 組織再編税制を使えば税金が発生しない
持株会社は株を買い取るわけではないので金銭的な負担が生じません。
そのため、融資を使ったスキームのように借入金を利用しなくても、持株会社を作ることができます。
また、株式交換や株式移転をすると、そこには譲渡損益が生じ、通常は譲渡益に対して税金が発生します。
しかし、一定の要件を満たす組織再編であれば、資産や負債を簿価で引き継ぐことができるので税金が発生しません。
この税制を「組織再編税制」と言います。
株式交換や株式移転では組織再編税制を使うことで、譲渡益を非課税することができるのも大きなメリットです。
株式交換や株式移転で持株会社を作ることは、持株会社側や事業承継をする際に子供側にメリットがある方法だと言えます。
デメリット
株式交換や株式移転のデメリットや創業者などの子会社化する企業の株主に株式の売買代金のお金が入らないという点です。
また、株式交換、株式移転によって設立された持株会社の株主構成は、既存の会社と同じになりますので、そこから株主を後継者へ移転させるために贈与、売買などの施策が必要となります。
持株会社の子会社になる企業の株主に入るのは持株会社の株式です。
持株会社が株式を買い取ってくれるわけではないので、子会社化される企業の株主にはメリットがあります。
まとめ|状況に合わせて最適な方法を
融資を使って持株会社を作るスキームと、株式交換や株式移転で持株会社を作るスキームはそれぞれ得をする人と損をする人が正反対です。
融資を使用する方法は子会社化する企業の株主に現金が入るというメリットがあります。
他方、持株会社には借金が残るのがデメリットです。
株式交換や株式移転では、持株会社からは資金流出がないので経済的負担なく子会社化を進めることができます。
しかし、子会社になる企業の株主には現金が入るわけではないのでメリットがありません。
持株会社の作り方にはいくつか方法があり、それぞれメリットとデメリットは正反対です。
それぞれの方法の特徴をしっかりと理解して、最適な方法で持株会社を作るのがよいでしょう。
事業承継の現場では、方法は一つではなく、いくつもの方法があります。
その中で何を優先させるのか、創業者、後継者の話合いの場を持ち、最適な方法を模索することが必要となります。
事業承継にかかる提案は丸山会計までご相談ください。
この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。
- お気軽にお問い合わせください
- 0120-025-388
- お問い合わせ