同族会社オーナーが知るべき不動産管理5つの視点
投稿日:2026年05月12日

朝4時起きの税理士、丸山です。本日は「同族会社オーナーの不動産管理」についてお話しします。
同族会社のオーナー社長の中には、
「会社の業績は順調だが、個人の所得税が重くて手元に残らない」
「親から受け継いだ土地に自社の社屋を建てているが、家賃のやりとりは何となく曖昧なまま」
という方が驚くほど多くいらっしゃいます。
実は、この『個人と法人の不動産関係』を整理するだけで、年間数百万円単位で手取りが変わるケースは珍しくありません。
今日はオーナー社長が必ず押さえておきたい不動産管理のポイントを、5つの視点で整理します。
1.個人所有のままでは「税の三重苦」に陥る
社長個人の名義で賃貸用不動産を所有すると、家賃収入には所得税・住民税・事業税が課されます。
特に課税所得が900万円を超えると、所得税と住民税を合わせて約43%、4,000万円超では実に55%もの税率が適用されます。
役員報酬で多くを取っているオーナーほど、不動産所得が上乗せされることで一気に最高税率帯に突入してしまうのです。
さらに、個人で蓄えたその資産は、将来そのまま相続税の課税対象になります。
つまり「稼ぐときに55%、貯まったところで相続税」と、二重三重の課税構造に陥る。これを解消する突破口が、不動産管理法人の活用です。
2.3つの法人スキームを使い分ける
不動産管理法人には、大きく3つのスキームがあります。
①管理委託方式は、家賃の3〜5%程度を管理料として法人に支払う最もシンプルな方法。
②転貸(サブリース)方式は、法人が一括借り上げをして転貸する形で、家賃の10〜15%を法人収入にできます。
③不動産所有方式は、建物のみを法人に売却し、家賃すべてを法人収入とするもので、節税効果は最大です。
物件の規模、築年数、借入残高によって最適な方式は変わりますので、必ず数値シミュレーションで比較したうえで意思決定するのが鉄則です。
3.所得分散で家族全員の手取りを増やす
法人化の真価は「所得分散」にあります。
たとえば奥様や後継者であるご子息を役員に据え、年間120〜200万円の役員報酬を支給すれば、給与所得控除を最大限に活かしつつ、社長個人に集中していた所得を家族へと自然に分散できます。
所得税の累進税率は5%〜45%の幅があるため、一人で2,000万円取るより、3人で分け合う方が世帯全体の税負担は数百万円単位で軽くなる計算です。
これは単なる節税にとどまらず、将来、自社株や不動産を後継者へ移転していく「事業承継のリハーサル」としても極めて有効です。
4.社屋・社長宅を含めた総合戦略を描く
同族会社で意外に見落とされやすいのが、社長個人が所有する土地に会社の社屋が建っているケースです。
地代が無償や著しく低額のままだと「使用貸借」扱いとなり、相続時に貸宅地評価が認められず、土地の評価額が下がりません。
逆に相当の地代を授受し、かつ、税務署に『土地の無償返還に関する届出書』を提出していれば、借地権の認定課税リスクを回避しつつ、法人側で損金算入でき、相続時の評価減(貸宅地評価)も狙えます。
また役員社宅制度を組み合わせれば、社長の住まいにかかる家賃のうち8〜9割を法人経費にすることも可能です。
社屋・社長宅・賃貸物件を「ひとつのポートフォリオ」として総合設計することこそ、攻める税務の真骨頂です。
5.丸山会計事務所と「ともに未来を描く」
私たち丸山会計事務所は、確定申告だけで終わらない『攻める税理士』として、同族会社オーナーの不動産管理スキーム構築を20年以上ご支援してきました。
節税実績を支えてきた秘訣は、目先の節税ではなく、5年・10年先の事業承継までを見据えた総合戦略を描くこと。そして何のために、その行為を行うのかです。
経営理念「ともに未来を描く」のとおり、お客様の未来図を一緒に作り上げていきます。
まとめ
同族会社オーナーが個人で不動産を抱え続けると、所得税・住民税・相続税の三重苦に陥ります。管理委託・転貸・所有の3スキームを上手に使い分け、家族への所得分散と社屋・社長宅を含めた総合設計まで踏み込めば、手取りも承継準備も劇的に改善します。「知らずに損する」を防ぐ第一歩として、まずはご自身の不動産配置図を一度俯瞰してみてください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談については専門家にご確認ください。
▼経営に役立つ情報をもっと知りたい方は
→ メルマガ登録はこちら
→ 丸山会計へのお問い合わせはこちら
この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


