改正で激変した生前贈与 不動産オーナーの新常識

投稿日:2026年06月14日

改正で激変した生前贈与 不動産オーナーの新常識

朝4時起きの税理士、丸山です。

本日は相続税・贈与税の改正と、不動産オーナーがいま取るべき対策についてお話しします。

 

贈与は毎年110万円までなら非課税。だからコツコツ渡しておけば相続税は減らせる

——多くのオーナーがそう信じています。

ですが、これはもう過去の常識です。

近年の改正で生前贈与のルールは大きく塗り替えられ、これまでと同じやり方を続けると、せっかくの贈与が”なかったこと“にされてしまうケースが増えています。

特に複数の収益物件を持つオーナーほど、対策の巧拙が数千万円の差につながります。

今日はその変化の中身と、不動産オーナーならではの攻めの対策を、具体的な数字を交えてお伝えします。

① 暦年贈与の「持ち戻し」が3年から7年へ

最大の改正点は、相続前に行った贈与を相続財産に足し戻す「生前贈与加算」の期間が、従来の3年から7年へ延長されたことです。

たとえば毎年110万円を子へ贈与していても、亡くなる前7年分(最大770万円相当)は相続財産に戻して課税されます。

延長された4年分については総額100万円の控除がありますが、それでも”駆け込み贈与”の効果は大きく削られました。

仮に相続税率が30%のご家庭なら、戻された700万円弱に対しておよそ200万円の税負担増となる計算です。

つまり、対策を始めるのが遅いほど不利になる。

だからこそ、健康なうちに、一日でも早く動き出すことが何より重要になっています。

逆に言えば、早期に着手できる人ほど7年加算の影響を受けにくく、贈与の効果をフルに享受できるのです。

② 相続時精算課税に年110万円の基礎控除が新設

一方で見逃せないのが、相続時精算課税制度の使い勝手が大幅に良くなった点です。

従来この制度は累計2,500万円まで贈与税がかからない代わりに、贈与した分はすべて相続時に持ち戻すという仕組みで、暦年贈与の110万円非課税が使えなくなる弱点がありました。

改正後は、この精算課税にも毎年110万円の基礎控除が新設され、しかもこの110万円分は相続時に持ち戻されません。

年110万円以内の地道な贈与なら、暦年課税よりも精算課税のほうが有利になる場面が出てきたのです。

ただし精算課税は一度選ぶと暦年課税に戻せないため、どちらを選ぶかで生涯の納税額が数百万円単位で変わることもあります。

お子さまの人数や贈与できる期間によって最適解は変わり、最初の選択がきわめて重要です。

③ 不動産だからできる「評価圧縮」との合わせ技

不動産オーナーの強みは、現金を不動産に換えるだけで相続税の評価額を圧縮できる点にあります。

更地に賃貸アパートを建てれば、土地は貸家建付地として約2割、建物は固定資産税評価額ベースでおおむね6割前後まで評価が下がります。

1億円で建てた建物が4,000万円前後で評価されることも珍しくありません。

 

さらに一定要件を満たせば小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)により、200㎡までの部分について土地評価を『50%減額』できます。(※ご自身の自宅や事業用店舗等の敷地であれば最大8割減も可能です)。

ここに前述の贈与制度を重ねるのが王道です。

たとえば賃貸物件を生前に持分贈与し、毎年の家賃収入を子世代へ移していけば、相続財産の増加そのものを止められます。

個別性の強い土地では不動産鑑定評価を使い、通達評価より低い時価で申告して納税額を抑えられる場合もあります。

制度を“単品”でなく組み合わせて初めて、本当の節税効果が生まれるのです。

④ 「ともに未来を描く」——丸山会計の攻めの提案

相続・贈与対策は、改正のたびに正解が変わります。

3年前に立てたプランが、いまでは逆効果になっていることも珍しくありません。

私たち丸山会計事務所は、確定申告や記帳代行にとどまらず、お金が大きく動くこのタイミングでこそ納税額に差をつける「攻める税理士」でありたいと考えています。

暦年贈与と精算課税のどちらを選ぶか、いつ・誰に・どの資産を渡すか。お客様の家族構成と資産内容を踏まえ、十年単位の最適解を一緒に設計します。

経営理念に掲げる「ともに未来を描く」とは、まさにこの伴走のことです。

「知らなかったから損をした」をなくす

——それが私たちの使命です。

まとめ

生前贈与加算が7年に延び、相続時精算課税には年110万円控除が新設されました。

改正後は「早く動く」「制度を正しく選ぶ」「不動産の評価減と組み合わせる」の3点が節税の鍵です。

正解が変わり続ける今こそ、専門家と一緒に十年先を見据えた設計を始めましょう。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談については専門家にご確認ください。

 

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この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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