法人税「20%上限」の壁を突破せよ。控除しきれない減税枠を3年間繰り越す「激変対応計画」とは
投稿日:2026年08月05日

朝4時起きの名古屋の税理士の丸山です。
「シミュレーションしたら、新税制で数千万円の税額控除が取れると分かりました。
でも、うちの今期の利益予測だと法人税そのものが少なくて、上限に引っかかって控除枠が切り捨てられてしまいます……」
せっかく大型の税額控除(機械・ソフトウェア等7%、建物・附属設備・構築物4%)が使えても、税額控除には「当期の法人税額の20%」という上限があります。
当期の納税額が少なければ、控除枠を使い切れない。
これが設備投資税制の悩みどころでした。
しかし、本税制には、この壁に対応するための特別なルートが用意されています。
「予見し難い国際経済事情の急激な変化に対応するための計画」——いわゆる激変対応の計画について認定を受けた場合、控除限度超過額を3年間繰り越すことができるとされているのです。
■ 繰越控除の入り口となる「激変」の状況
この繰越しの特例は、誰でも使えるわけではありません。
為替の急激な変動、世界的な資源高、国際情勢の不確実性といった外部環境の変化によって、事業活動がダメージを受けていることが前提となります。
売上や利益率が一時的に落ち込んでいる——そんなピンチの状況がスタートラインです。
そして、その逆風を言い訳にせず、大型の生産性向上設備を導入して「攻めに転じる」計画を策定し、認定を受ける。
これが3年繰越しへの道筋です。
認定には生産性向上や財務健全性に関する具体的な目標基準が設けられていますので、自社が要件を満たせるかどうかは、事前の精査が不可欠です。
■ 申請先は経済産業局ではない
実務上、非常に間違えやすいのが「申請窓口」です。
通常の投資計画の確認申請は、本社所在地を管轄する地方経済産業局(全国9局)に行います。
愛知県の企業であれば中部経済産業局です。
しかし、経済産業省の公表によれば、激変対応の計画(国際経済事情激変事業適応計画)の認定申請は、経済産業局ではなく「事業を所管している省庁」が窓口となります。
自社の業種によって、経済産業省本省なのか、国土交通省なのか、農林水産省なのか、申請先が変わってくるのです。
申請先を間違えると審査が進まず、時間切れになるリスクがあります。
事前の正確な特定が必須です。
■ 即時償却か、繰越税額控除か。高度な二者択一
ここで経営判断が問われます。
即時償却で初年度に一気に経費化して当面の資金繰りを楽にするか。
それとも、激変対応の認定まで取りに行き、3年間にわたって税額控除を確実に使い切り、トータルの税負担を極小化するか。
即時償却は税金の「支払いの先延ばし(課税繰延)」であり、税額控除は税金そのものの「減額」です。
どちらが有利かは、今後の売上予測、資金調達の金利、納税額予測を掛け合わせた緻密なシミュレーションがあって初めて判断できます。
■ 逆風の今こそ「攻めの財務戦略」を
「売上が落ちている時期に、大型の設備投資をするなんて正気か?」と思われるかもしれません。
しかし、業績が良い時に投資をするのはある意味当たり前。
逆風が吹いている今こそ大胆に投資し、生産性を高めて復活する企業を、国は税制で応援しようとしています。
「通常の申請だけで終わらせる」か、「一歩先の認定まで狙って、手元のキャッシュを最大化する」か。
名古屋で「ここ一番」の大型投資を決断される経営者様、その財務戦略の設計は、ぜひ丸山会計事務所にお任せください。
▼経営に役立つ情報をもっと知りたい方は
→ メルマガ登録はこちら
→ 丸山会計へのお問い合わせはこちら
この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


