DX投資促進税制終了後 デジタル投資の賢い節税術
投稿日:2026年06月12日

朝4時起きの税理士、丸山です。
本日は「DX投資促進税制が終わった今、デジタル投資をどう節税につなげるか」についてお話しします。
「デジタル化への投資は“DX投資促進税制”で大きく優遇される」
——そう思っている経営者の方は要注意です。
実は、いわゆるDX投資促進税制(デジタルトランスフォーメーション投資促進税制)はすでに適用期限を迎え、新規の認定は終了しています。
「制度があるはず」と動き出してから空振りに気づくケースが後を絶ちません。
とはいえ、デジタル投資への支援が消えたわけではありません。
今はむしろ、中小企業にとって使いやすい別のルートが主役になっているのです。
今日は、終わった制度に振り回されず、いま現実に使える優遇を取りこぼさないための勘どころをお伝えします。
終わった制度・残った制度を正しく整理する
DX投資促進税制は、クラウド連携やデータ共有といった全社的なデジタル変革を要件に、最大5%の税額控除や30%の特別償却を認める大型制度でした。
しかし産業競争力強化法に基づく事業適応計画の認定が必要で、要件が重く、中小企業には正直なところ使いにくい制度でもありました。
これに代わってデジタル投資の主役となるのが「中小企業経営強化税制」です。
令和7年度税制改正でこの制度は適用期限が2年延長され、引き続き利用できます。
ソフトウェアやサーバー、業務効率化のためのIT機器も対象に含まれ、会計システムや販売管理システム、生産管理ソフトといった日常のデジタル投資との相性は抜群です
。「大きな制度が終わった=もう優遇はない」という思い込みこそ、最初に捨てるべきものです。
ソフトウェア投資で「即時償却」か「税額控除」を選ぶ
中小企業経営強化税制の最大の魅力は、対象設備を取得した年度に取得価額の全額を一気に経費化できる「即時償却」か、取得価額の最大10%(資本金3,000万円以下の法人。3,000万円超1億円以下は7%)を法人税から直接差し引く「税額控除」を、納税者が選べる点にあります。
たとえば800万円の基幹システムを導入した場合、即時償却なら初年度に800万円を損金算入でき、利益が大きく出た年の納税を一気に圧縮できます。
一方、安定して利益が出続ける会社なら、80万円を税額からそのまま控除できる税額控除のほうが、数年単位の累計手取りで有利になることも珍しくありません。
即時償却は「課税の繰り延べ」、税額控除は「正味の減税」
——性格が違うこの2つをどちらに振るかは、その年だけでなく向こう数年の利益計画まで見て判断すべきで、こここそ税理士の腕の見せどころです。
「経営力向上計画」の事前認定を忘れない
デジタル投資の最大の落とし穴は、設備を買ってからでは間に合わないという点です。
経営強化税制を使うには、原則として設備取得前に「経営力向上計画」を主務大臣へ申請し、認定を受ける必要があります。
契約・納品を先に済ませてしまい、優遇を丸ごと取り逃がす
——これが現場で最も多い失敗です(※ただし、A類型・B類型・D類型に限っては、設備取得日から60日以内に申請が受理される等の要件を満たせば取得後の申請でも認められる例外措置があります)。
ソフトウェアの場合は取得価額70万円以上といった金額要件もあるため、見積り段階での確認が欠かせません。
さらに令和7年度改正では、売上高100億円超を目指す成長企業(売上高10億円超90億円未満の法人)向けに、対象へ建物まで含めた「E類型」が新設されました。
なお、E類型の「建物及びその附属設備」については即時償却の対象にはならず、「取得価額の15%(特定建物等については25%)の特別償却」または「1%(特定建物等については2%)の税額控除」となる点に注意が必要ですが、本社や店舗のデジタル化を伴う大型投資を検討中なら、一考の価値があります。
IT導入補助金など他の支援策との組み合わせも含め、原則である「先に申請、それから契約」
——この順番を守るだけで、数百万円単位の優遇を確実に手元に残せます。
丸山会計の視点——攻める税理士は“買う前”に動く
優遇税制は、知っているかどうかではなく、いつ相談するかで結果が変わります。
決算が終わってから「あの設備、優遇が使えたのに」と気づいても、もう取り戻せません。
私たち丸山会計事務所は、確定申告や記帳代行の代行にとどまらず、お金が大きく動く設備投資のその前から関与し、即時償却と税額控除のシミュレーション、計画認定のスケジュール設計、補助金との併用判断まで一気通貫でご支援します。
「ともに未来を描く」
——これは単なる理念ではなく、経営者が投資判断を下すまさにその瞬間に、攻める税理士として隣にいるという約束です。もちろん、節税効果を超える報酬はいただきません。
まとめ
DX投資促進税制は終了しましたが、デジタル投資への支援は中小企業経営強化税制へと確実に引き継がれています。鍵は「設備取得前の計画認定」と「即時償却か税額控除かの選択」。投資を決める前のひと相談が、納税額を大きく左右します。デジタル化を検討中の経営者は、契約のサインをする前にぜひお声がけください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談については専門家にご確認ください。
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この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


