大家さん必見!賃貸経営で使える5つの節税テクニック
投稿日:2026年04月16日

朝4時起きの名古屋の税理士丸山です。
賃貸経営をされている大家さんにとって、節税は毎年の大きな関心事です。
適切な税務対策を講じることで、手元に残るお金が大きく変わります。本記事では、賃貸オーナーがすぐに実践できる5つの節税テクニックをわかりやすく解説します。
❶ 青色申告特別控除を活用する
賃貸経営における節税の第一歩は「青色申告」の選択です。白色申告と比べて帳簿の記帳義務がありますが、その代わりに最大65万円の「青色申告特別控除」が受けられます。
たとえば、不動産所得が200万円の大家さんが青色申告で65万円の控除を受けると、課税所得は135万円に圧縮されます。所得税率20%の方であれば、約13万円の節税効果です。これは何もしないでいるのとは大きな差になります。
青色申告の特別控除額は記帳方法によって異なります。電子申告(e-Tax)と複式簿記での申告なら65万円、複式簿記のみなら55万円、簡易な帳簿付けなら10万円の控除となります。できれば65万円控除を狙いましょう。
※ 青色申告の承認申請は、適用を受けたい年の3月15日までに税務署へ提出が必要です(新規開業の場合は開業後2か月以内)。
※ただし、55万円や65万円の特別控除を受けるためには、賃貸経営が『事業的規模(おおむねアパート10室以上、一戸建て5棟以上など)』であることが要件となります。事業的規模に満たない場合は、記帳方法に関わらず10万円控除となります。
❷ 修繕費・管理費など経費を漏れなく計上する
大家さんは意外と多くの費用を経費として計上できます。主な経費の例を確認しましょう。
【経費に計上できる主な費用の例】
• 修繕費(外壁塗装、設備交換、内装リフォームなど)
• 不動産管理会社への管理委託料
• 固定資産税・都市計画税
• 火災保険料・地震保険料
• ローンの利息(元本は除く)
• 減価償却費
• 税理士報酬・司法書士報酬
• 交通費(物件の視察・管理のための移動)
• 通信費(賃貸経営に使うスマートフォン・インターネット代の按分)
経費が増えれば課税所得が下がり、所得税・住民税の負担が軽くなります。領収書はすべて保管し、用途をメモしておくことが大切です。
※ 修繕費と資本的支出の区別には注意が必要です。原状回復は修繕費、価値を高める改良工事は資本的支出(減価償却対象)となります。
❸ 減価償却を正しく活用する
不動産投資における節税の柱のひとつが「減価償却」です。建物や設備は時間の経過とともに価値が減少するとみなされ、その減少分を毎年の経費として計上できます。
法定耐用年数は構造によって異なります。木造アパートは22年、鉄骨造(骨格材肉厚3mm超4mm以下)は27年、RC造(鉄筋コンクリート)は47年です。中古物件を購入した場合は、残存耐用年数に応じた短期間での償却が可能なため、減価償却費が大きく取れることもあります。
たとえば、築25年の木造アパート(建物部分2,000万円)を購入した場合、中古の耐用年数は4年となり、毎年約500万円の減価償却費を計上できます。これにより課税所得を大幅に圧縮できます。
※ 土地は減価償却できません。購入時の売買契約書等で建物と土地の価格を明確にしておきましょう。
❹ 家族への給与支払いで節税する(専従者給与)
青色申告をしている場合、配偶者や家族が賃貸経営を手伝っているなら「青色事業専従者給与」として給与を支払い、経費に計上することができます。
たとえば、配偶者に月10万円(年120万円)の給与を支払うと、大家さんの不動産所得から120万円が経費として差し引かれます。配偶者側では給与所得控除(最低55万円)が適用されるため、実際に課税される金額は65万円程度に抑えられます。一方、配偶者の税率が低ければ、世帯全体の税負担を大きく減らせます。
ただし、青色事業専従者として認められるためには、実際にその事業に従事していること、届出書を提出していること、給与が適正額であること、不動産貸付が事業的規模(5棟10室以上等)であること、などの条件があります。名目だけの給与支払いは認められませんのでご注意ください。
※ 「青色事業専従者給与に関する届出書」は、開始年の3月15日まで(新たに雇う場合は雇用後2か月以内)に提出が必要です。
❺ 法人化による節税を検討する
不動産所得が一定規模以上になると、「法人化(法人成り)」が有効な節税策となります。個人の所得税は最大45%(住民税合わせると最大55%)の超過累進税率が適用されるのに対し、法人税の実効税率は中小企業で約23〜30%程度に抑えられます。
法人化のメリットはほかにもあります。役員報酬として自身への給与を設定して給与所得控除を受けられる、家族を役員にして報酬を分散できる、生命保険料の一部損金算入、退職金の活用など、個人では使えない節税手法が多数あります。
一方で、法人化にはデメリットもあります。設立費用(約20〜30万円)や毎年の法人住民税の均等割(最低7万円)、税理士費用の増加、社会保険の加入義務などが発生します。所得水準や物件規模によって効果が異なるため、税理士に相談して判断することをお勧めします。
※ 目安として、課税所得が700〜900万円を超えてくると法人化のメリットが出やすいとされています。
■ まとめ
大家さんが実践できる節税テクニックは多岐にわたります。
①青色申告特別控除の活用、
②経費の漏れない計上、
③減価償却の正しい活用、
④家族への専従者給与の活用、
⑤法人化の検討
——これら5つを組み合わせることで、手元に残るキャッシュを大幅に改善できます。
ただし、節税策にはそれぞれ要件や注意点があり、状況によって最適な方法は異なります。確実な節税効果を得るためにも、ぜひ不動産税務に詳しい税理士にご相談ください。
【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談については専門家にご確認ください。税制は毎年改正されることがあります。最新の情報は税務署または税理士にお問い合わせください。
▼経営に役立つ情報をもっと知りたい方は
→ メルマガ登録はこちら
→ 丸山会計へのお問い合わせはこちら
この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


