家賃収入の「税金」を賢く抑える:建物だけを法人化するスキームと、失敗しないための「時価」の考え方
投稿日:2026年04月09日
朝4時起きの税理士、丸山です。
本日は、建物だけを法人化するスキームと、失敗しないための「時価」の考え方についてです。

不動産所得が増えるほど「手残り」が減っていませんか?
「賃貸経営が順調で家賃収入が増えたが、所得税と住民税を合わせると半分近くが税金で消えてしまう」
「将来の相続を考えると、今のうちに収益を家族や法人に移しておきたい」
不動産オーナー様から多く寄せられるこれらのお悩みに対し、非常に有効な手段が「建物の法人化(不動産管理会社の活用)」です 。
土地は個人所有のまま、建物だけを法人へ移転させることで、所得の分散と資産の圧縮を同時に図ることができます。
しかし、このスキームの成否は、建物を「いくらで売買するか」という一点にかかっています 。
節税メリット:所得の分散と「建物比率」の最大化
建物を法人へ移転し、適切に運用することで、以下のような多角的なメリットを享受できます。
所得の分散による税率の引き下げ
個人では累進課税により最大55%(住民税含む)の税率がかかりますが、
法人へ所得を移し、家族を役員にして役員報酬を支払うことで、世帯全体の納税額を大幅に抑えることが可能です。
「不動産鑑定評価」による減価償却費の創出
建物の売却価格を、不動産鑑定評価に基づき「適正な時価」として算出することで、法人側で計上できる減価償却費(経費)を適切に最大化できます。
個人で譲渡所得は長期譲渡の場合には約20%ですが、法人税では25%~30前後であるためたとえ個人で税金が発生したとしも、法人税で取り戻すことができます。
相続財産の増加をストップさせる
将来の家賃収入が個人の通帳ではなく法人に蓄積されるため、個人の相続財産が雪だるま式に増えていくのを防ぐことができます。
自社株評価のコントロール
法人で不動産を所有することで、将来的な事業承継の際、自社株の評価(純資産価額)を戦略的に管理する土台が整います。
税務署が厳しくチェックする「価格設定」の落とし穴
非常に強力なスキームですが、実務資料が示す通り、形式的な手続きだけでは思わぬ追徴課税を招く恐れがあります。
「1円譲渡」や「帳簿価格」での売却リスク
築古物件だからといって、安易に1円や未償却残高で法人へ売却すると、時価との差額が「寄附金」や「受贈益」とみなされ、法人・個人双方に多額の課税がなされるリスクがあります 。
「土地の無償返還届出書」の提出忘れ
建物のみを法人名義にする場合、借地権の認定課税を避けるために「土地の無償返還に関する届出書」を遅滞なく税務署へ提出しなければなりません。
移転コストのシミュレーション
建物の移転には不動産取得税や登録免許税、消費税が発生します。これらのコストを考慮しても数年で節税メリットが上回るか、事前の緻密な計算が不可欠です。
丸山会計事務所が、確かなエビデンスに基づきサポートします
不動産の法人化は、単なる節税テクニックではなく、最新の判例や通達を熟知した上での「高度な経営判断」です 。
丸山会計事務所では、膨大な知見を基に、不動産の「真の価値」を見極め、否認されない安全なスキームを構築します。
「自分の物件で法人化が可能か?」「最適な売買価格はいくらか?」と迷われたら、ぜひ一度ご相談ください。大切な資産を守り、次世代へつなぐためのパートナーとして伴走いたします。
▼経営に役立つ情報をもっと知りたい方は
→ メルマガ登録はこちら
→ 丸山会計へのお問い合わせはこちら
この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


