税理士試験の5科目合格まで何年かかる?現実的なスケジュールの立て方
投稿日:2026年05月09日

税理士試験は、5科目合格が必要な難関資格です。
「何年で合格できるのか」
「どのくらいの期間を見込めばよいのか」
という疑問は、受験を検討している多くの方が持たれています。
正直にいえば、5科目の合格に要する年数は人によって大きく異なります。
勉強に専念できる環境か、働きながらか、どの科目を選ぶか、週に何時間学習できるか
——これらの要素によって、最短2年から最長10年以上というケースまで幅があります。
本記事では、5科目合格までの現実的なスケジュールと、効率よく合格を積み重ねていくための計画の立て方を詳しくお伝えします。
1. 5科目合格までの一般的な年数
1-1. 勉強に専念できる場合は2〜3年が目標
学生など、比較的まとまった学習時間を確保できる方の場合、一般的に2〜3年での5科目合格が一つの目標となります。令和7年度の年齢別合格率を見ると、20歳以下が35.4%、21〜25歳が29.4%と若い年代ほど高い合格率を示しています。
これは単に「若いから記憶力がある」というだけでなく、「まとまった学習時間を確保できる環境にある」という条件が大きく影響しています。大学在学中から学習を始め、卒業前後に5科目合格を達成するというケースは、税理士業界では珍しくありません。
1-2. 働きながらの受験は3〜5年を見込もう
会計事務所や一般企業で働きながら受験する場合は、3〜5年を目標にするのが現実的です。仕事の繁忙期・残業の多さ・プライベートの状況によって学習時間が変動するため、余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。
「3年で合格したい」という目標は十分に達成可能ですが、そのためには平日も含めて毎日2〜3時間の学習習慣を維持する必要があります。週あたりの目標学習時間と、現実的に確保できる時間を正直に見積もることが計画の出発点です。
| 【目安】週の学習時間と合格ペースの関係 週10〜15時間:1年に1科目の合格を目標 週15〜20時間:1年に2科目(うち1科目はボリュームの少ない税法科目) 週20〜25時間:1年に2科目の合格を目標 週25〜30時間以上:より早いペースでの合格も視野に |
2. 科目別の標準学習時間を把握しよう
2-1. ボリュームの違いを理解して計画を立てる
税理士試験の11科目は、それぞれ学習に必要な時間が大きく異なります。科目別の標準学習時間の目安(講義時間を含む)は以下のとおりです。なお、理論暗記に要する時間は個人差があるため含まれていません。
・法人税法・所得税法:各600時間(最もボリュームが大きい)
・簿記論・財務諸表論・相続税法:各450時間
・消費税法:350時間(税法科目の中で人気No.1)
・固定資産税:250時間
・事業税・住民税:各200時間
・酒税法・国税徴収法:各150時間(最もボリュームが少ない)
この標準学習時間を週の学習時間で割ると、おおよその合格に必要な週数が見えてきます。例えば消費税法(350時間)を週15時間学習する場合、単純計算で約23週(約6ヶ月)が必要です。ただしこれはあくまで目安であり、個人の理解速度・既存知識・暗記の得手不得手によって大きく変わります。
2-2. 難しいのは「量」だけでなく「質」の違い
税法科目は会計科目と学習の性質が大きく異なります。会計科目(簿記論・財務諸表論)は計算中心で、解き方のパターンを習得することが重要です。一方、税法科目は理論(条文の考え方を論述する)と計算の両方が出題され、特に理論暗記の負担が重くなります。
多くの受験生が「会計科目は順調だったのに、税法科目で詰まってしまった」という経験をしています。税法科目に進む際には、学習方法の切り替えが必要なことを意識しておきましょう。
3. 効率的な科目の組み合わせと順番
3-1. 最初は簿記論・財務諸表論から始めるのが鉄板
税理士試験の受験順序として、最も一般的に推奨されているのは「まず簿記論と財務諸表論を学習し、その後税法科目に進む」というルートです。その理由は以下のとおりです。
・簿記論・財務諸表論は必須科目で、最終的には必ず合格しなければならない
・会計知識は税法科目(特に法人税法・所得税法・消費税法)の学習の土台となる
・2科目の内容に重複が多く、同時学習することで学習効率が上がる
・令和7年度の財務諸表論の合格率は31.9%と高く、狙い目の科目
3-2. 税法科目はどの順番で受けるべきか
会計2科目に合格した後の税法科目の順番については、自分の目指すキャリアと学習効率の両方から考えることをおすすめします。
実務で最もよく使われる消費税法(350時間)を3科目目に選ぶ方が多いのは、ボリュームが適度であり、税法科目の学習スタイル(理論暗記+計算)に慣れるための「橋渡し」科目として最適だからです。消費税法で税法科目の勉強の流れをつかんでから、法人税法・所得税法・相続税法といったボリュームの多い科目に進む戦略が効果的です。
4. 「急ぎすぎること」の落とし穴
4-1. 複数科目の同時受験が裏目に出るケースも
私自身の経験からも正直にお伝えしたいことがあります。受験生時代、「早く合格したい」という焦りから毎年複数科目を受験していた時期がありました。しかし要領よく勉強できるタイプではなかったため、どの科目も中途半端になり、全科目不合格という年が何度かありました。
振り返ると、あの頃はなぜ1科目に集中しなかったのかと思います。最後に残った消費税を1科目だけに絞って集中した年は、「自分が解けない問題は誰も解けない」と開き直れるほどの自信を持って本番に臨めました。
4-2. 確実に積み重ねることが最終的な最短ルート
1科目ずつ確実に合格を積み重ねることは、遠回りに見えて最終的には最短ルートになります。
不合格が続けば合格までの総年数は延びますが、1年に1科目ずつ確実に合格すれば5年で5科目達成できます。複数科目を狙って全滅を繰り返せば、5年経っても0〜2科目しか合格していないという事態になりかねません。
「自分が週に確保できる学習時間」を正直に見積もり、その時間で確実に合格できる科目数を設定することが合理的です。
5. まとめ
税理士試験の5科目合格は、一般的に2〜5年かかります。大切なのは「自分が確保できる学習時間」を正直に見積もり、そこから逆算して現実的な計画を立てることです。焦って複数科目に手を広げるよりも、1科目ずつ確実に合格を重ねていくことが、結果的に最速のルートになります。
丸山会計事務所では、税理士受験生を積極的に採用しており、繁忙期以外はほぼ定時退社で学習時間を確保しやすい環境を整えています。在職中に税理士試験に合格したスタッフもいます。受験の進め方について相談したい方も、ぜひカジュアル面談にお越しください。
丸山会計事務所では、共に成長していけるスタッフを募集しています。
この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


