事業承継税制を申請するにはいつまでに贈与しなければいけないですか?

投稿日:2024年12月06日

事業承継税制を申請するにはいつまでに贈与しなければいけないですか?

A: 事業承継税制の適用を受けるためには、現行の特例措置の下では、令和9年(2027年)12月31日までに相続、贈与を完了させる必要があります。これは、後継者に対して会社の株式を相続、贈与することで、相続税や贈与税の納税猶予や免除の適用を受けるための期限です。この期限までに贈与が完了していない場合、特例措置の恩恵を受けることができなくなるため、計画的な事前準備が非常に重要です。

1. 令和9年12月31日までの期限の意味
令和9年12月31日までに相続、贈与が完了していないと、事業承継税制の「特例措置」を利用することができません。特例措置は、株式などにかかる相続税・贈与税の全額が猶予される非常に有利な制度で、贈与による承継を円滑に進めることができます。この特例措置は、あくまで期限内に行われる贈与に対して適用されるため、後継者に経営を引き継ぐ際は、この期限を厳守することが必要です。

特例措置の終了後は、一般措置が適用されますが、一般措置では猶予される税額が一部に限定されるなど、税制上のメリットが減少するため、できる限りこの期限内での贈与を計画することが推奨されます。

2. 贈与手続きを早めに進める理由
事業承継に関わる贈与は、単なる株式の移転だけではなく、後継者の育成や経営権の引き継ぎ準備も伴います。また、贈与には事前に行わなければならない手続きが複雑であり、贈与税の申告、事業の評価、税務署との対応、さらには後継者の育成など、多くのステップが必要です。これらの手続きには時間がかかるため、期限間近で焦って対応するのではなく、数年前から計画的に進めることが望ましいです。

また、贈与を進める過程で、株式の評価や資産の分配、後継者以外の相続人との調整が必要になるケースもあります。遺留分の問題や、相続人間での合意形成がスムーズに進まない場合には、さらに多くの時間を要することが予想されます。そのため、贈与や事業承継に関わる一連の準備は早めに着手しておくことが重要です。

3. 特例承継計画の提出も重要
贈与を行う前には、「特例承継計画」を都道府県に提出し、承認を受ける必要があります。この計画書は、贈与前に提出しておくことが重要で、計画書を提出しないままでは、事業承継税制の特例措置を受けることができません。特例承継計画の提出期限は令和8年(2026年)3月31日までと定められており、これも早期に対応が必要な手続きの一つです。

特例承継計画を提出するためには、後継者の選定や株式の贈与に関する具体的な計画を立てる必要があり、このプロセスも慎重に進める必要があります。特に、中小企業の事業承継においては、会社の実態に合わせた承継計画をしっかりと作成し、都道府県の認定を受けるための準備を進めることが肝要です。

4. 贈与時の評価と納税猶予のポイント
贈与を行う際には、会社の株式や事業用資産の評価が必要です。特に株式の評価は、会社の資産や収益状況に基づいて行われるため、税制上の適切な評価方法を選択することが求められます。評価額に基づいて贈与税が計算され、納税猶予が適用されるため、正確な評価が不可欠です。また、納税猶予を受けた後も、贈与された後継者が5年間事業を継続し、必要な報告を行うことが求められます。

さらに、贈与後に事業が続かなくなった場合や、後継者が株式を他人に譲渡した場合には、猶予されていた税金が一括して課税されることになるため、贈与後の経営継続にも注意が必要です。

5. 専門家への早期相談が重要
事業承継税制を活用するためには、税理士や事業承継に詳しい専門家のサポートが不可欠です。贈与のタイミングや計画の立て方、株式評価の方法など、さまざまな税務的な要素を正確に把握し、適切な手続きを進めることが重要です。早期に専門家と連携し、事前の計画を綿密に立てることで、スムーズな事業承継と税負担の軽減を実現することができます。

まとめ
事業承継税制の特例措置を活用するためには、令和9年12月31日までに贈与を完了する必要があります。贈与には時間がかかるため、早めに手続きを進め、特例承継計画を令和8年3月31日までに提出して承認を得ることが重要です。贈与や株式の評価、事業承継の計画には多くの要素が絡むため、税理士などの専門家と連携しながら計画的に進めることが推奨されます。



この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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