税金と社会保険の収入基準と年収の壁について解説!

投稿日:2023年05月31日

税金と社会保険では、負担が上昇する収入基準が異なるのを皆さんはご存知でしょうか。

よく主婦のパートなどで年収の壁について話題になることがありますが、詳しく知らないと損をしてしまう可能性があります。

そこで今回は税金と社会保険で異なる収入基準について説明をしますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

税金と社会保険で異なる収入基準とは?

税金と社会保険で異なる収入基準は以下のようになります。

 

所得税

所得税は、個人が得た所得に対して課税されます。所得税の収入基準は「課税所得」と呼ばれ、所得の種類や控除額などによって異なります。例えば、給与所得者の場合は給与所得控除や社会保険料控除があり、所得税がかかる収入額は減少します。

 

住民税

住民税は、市町村等が個人に対して課税する税金です。住民税の収入基準は、所得税と同じく「課税所得」ですが、所得税の控除額が住民税には存在しないため、所得税よりも収入が多くなります。

 

社会保険料

社会保険料は、健康保険や厚生年金などの社会保険に加入することで支払われます。社会保険料の収入基準は「被保険者の所得」と呼ばれ、健康保険や厚生年金などの保険種別によって異なります。例えば、厚生年金保険では、年金保険料の支払い対象となる年金控除額があり、所得が低い人ほど社会保険料が低くなる仕組みになっています。

このように、個人の税金の代表格である所得税・住民税と社会保険料は収入基準が異なりますので注意してください。

 

それでは、年収の壁について詳しく見ていきましょう。

社会保険と税金の年収の壁について解説!

社会保険と税金の年収の壁についてまとめました。

年収について 社会保険 税金
100万円の壁   住民税の発生
103万円の壁 配偶者控除(38万円)を受けられる上限年収 所得税の発生
106万円の壁 社会保険料発生(条件付き)  
130万円の壁 社会保険料発生  
150万円の壁 配偶者特別控除(38万円)の満額を受けられる上限年収。

年収150万円を超えると段階的に控除は減る

 
201万円の壁 配偶者特別控除を受けられる上限年収  

 

まず、年収100万円の壁ですが、これを超えると住民税が発生する可能性があります。続いて年収が103万円を超えると、所得税が発生します。

続いて社会保険の壁ですが、まずは103万円の壁です。配偶者控除の38万円を受けられる上限年収になりますので注意してください。

ちなみに、配偶者控除とは、所得税の税制において、配偶者の扶養に関する負担を軽減するために設けられた控除のことです。

具体的には、結婚している夫婦のうち、一方が収入が少ない場合には、もう一方の収入を扶養していると見なされ、その配偶者の収入から一定額を差し引くことができます。

 

年収が106万円に到達すると、条件付きではありますが、社会保険料が発生する可能性があります。年収106万円で、社会保険料が発生するケースは、従業員が101人以上の企業に勤務していることや週の所定労働時間が20時間以上であることなどです。

年収が150万円を超えると配偶者特別控除の満額を受けられなくなります。年収201万円を超えると配偶者特別控除は受けられなくなりますので覚えておきましょう。

ちなみに配偶者特別控除とは、納税者本人や配偶者が条件を満たしている場合に、所定の金額を所得から差し引くことができる所得控除の1つです。

一見すると配偶者控除と同じように見えますが、配偶者の年収によって受けられる控除額は異なります。

 

配偶者の合計所得金額 控除を受ける納税者本人の合計所得金額
配偶者特別控除 900万円以下 900万円超950万円以下 950万円超1,000万円以下
48万円超95万円以下 38万円 26万円 13万円
95万円超100万円以下 36万円 24万円 12万円
100万円超105万円以下 31万円 21万円 11万円
105万円超110万円以下 26万円 18万円 9万円
110万円超115万円以下 21万円 14万円 7万円
115万円超120万円以下 16万円 11万円 6万円
120万円超125万円以下 11万円 8万円 4万円
125万円超130万円以下 6万円 4万円 2万円
130万円超133万円以下 3万円 2万円 1万円
配偶者控除      
48万円以下 38万円 26万円 13万円

 

このように、税金と社会保険では、収入基準が様々な点で異なるのでしっかり理解しておきましょう。

まとめ

今回は税金と社会保険の収入基準について説明しました。一見すると同じように見えますが、税金と社会保険では収入基準が大きく異なります。

細かく理解するのは大変ですが、今回説明した年収の壁を参考に、ご自身がどこに当てはまるのかを一度確認してみるのがよいでしょう。

また、こちら以外にも配偶者の給料明細を確認していただき、家族手当などの項目がある場合には注意しましょう。

家族手当は扶養の範囲に連動することが多く、その扶養の範囲がどの金額なのか、どこの区分なのか正確に把握することにより、家族としての収入を最大にできるように心がけましょう。

大きく稼げれば問題ないですが、そうでない場合、配偶者控除や配偶者特別控除を受けた方が良いケースが多々あります。

ぜひ今回の記事を参考にしていただき、税金と社会保険の収入基準について意識をしていただければ幸いです。

扶養の相談も丸山会計事務所までご相談ください。



この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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