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【DX投資促進税】制度の概要や要件、申請方法を分かりやすく解説
投稿日:2024年03月11日
DX(デジタルトランスフォーメーション)投資促進税制は、企業のDX投資を後押しし、日本の経済成長を促進することを目的とした制度です。
デジタル環境の構築に関する投資に関して特別償却または税額控除が適用されます。
適用期間は、2021年8月2日から2025年3月31日までとされています。
1DX投資促進税制とは?企業のDX推進が目的
DX投資促進税制とは、デジタル技術を活用した企業変革を進める観点から創設された制度です。
産業競争力強化法に基づき、デジタル環境の構築による企業変革に向けた投資に関して、特別償却30%または税額控除3%(5%)が適用される税の優遇制度です。
新型コロナウィルス感染症をきっかけに、ウィズ・ポストコロナ時代に適応して
いくDXの流れを支援し、社会全体としてデジタル技術活用が普及していくことを目的としています。
2 DX投資促進税制の適用要件は2つ
DX投資促進税制を受けるには、デジタル要件(D要件)、企業変革要件(X要件)の2つの要件を満たし、事業適応計画を提出して認定を受ける必要があります。詳しい要件を説明していきます。
1.デジタル要件
下記の3つの要件を満たす必要があります。
・データ連携
社外が有するデータやセンサー等を利用して新たに取得するデータと、既存の社内データを合わせて連携する必要があります。
・クラウド技術の活用。
・DX認定の取得
DX認定とは?
デジタル技術による社会変革に対して求められる事項を取りまとめた「デジタルガバナンス・コード」に対応し、DX推進の準備が整っている企業を国が認定するものです。
情報処理推進機構(IPA)の審査を通過する必要があり、経営ビジョン・ビジネスモデル、戦略などの6項目について適合しているかチェックされます。
1年を通していつでも申請が可能ではありますが、認定取得までに60営業日(3か月) ほど期間を要するため、DX認定を受けてない事業者は、一刻も早くDX認定を受ける必要があります。
また、DX認定には2年間の有効期限があります。延長したい場合は、有効期間が切れる日の60日(3か月)前までに認定更新申請書を提出する必要があります。
2.企業変革要件
下記の4つの要件を満たす必要があります。
・一定以上の生産性向上が見込まれること
計画期間内で商品の製造原価が8.8%以上削減されること等の指標があります。
・全社レベルでの売上上昇が見込まれること
・成長性の高い海外市場の獲得を図ること
・全社の意思決定に基づくもの
取締役会の決議文書等の添付が必要です。
税制を利用した際のメリット
DX投資促進税制を利用した際のメリットは、
・事業投資額の30%相当の特別償却
・事業投資額の3%(一定要件を満たすと5%)相当の税額控除
※5%の税額控除を受けるための要件としては、グループ会社以外の者とデータ連携をする必要があります。
また、特別償却は、課税繰延措置であるのに対して、税額控除は、算出税額から控除することができる永久免税措置となります。
※控除上限額は、カーボンニュートラル投資促進税制と合わせて当期法人税額の20%までが対象です。
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例)12月決算の法人
10月に取得価額が1,000万円、耐用年数5年のソフトウェアを取得、税額控除適用前の法人税額が500万円である場合
普通償却限度額
1,000万円×0.2×3月/12月=50万円
特別償却限度額
1,000万円×(30/100)=300万円
当期償却限度額
50万円+300万円=350万円
3適用対象
対象となる事業所は?
青色申告書を提出する法人で認定事業適応事業者であるものが対象となります。
※認定事業適応事業者とは、産業競争力強化法に規定する、認定事業適応計画に従って実施される情報技術事業適応を行う事業者です。
対象となる資産は?
①ソフトウェア
②繰延資産
※クラウドシステムへの移行に係る初期費用等で、支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの
③機械装置・器具備品
※機械装置・器具備品は、①ソフトウェア②繰延資産と連携して使用するものに限る
投資金額は?
投資額下限:国内売上高比0.1%以上
投資額上限:300億円(300億円を上回る投資は300億円まで)
控除金額は?
【税額控除】
投資金額の3%
投資金額の5%
【特別償却】
投資金額の30%
5 申請手続の流れと必要書類
申請手続と申請までのスケジュール
DX認定のスケジュール
計画の作成
↓
計画の申請
↓ gBizIDでの申請になります。
計画の認定
DX投資促進税制のスケジュール
DX投資促進税制は、他税制と比較して手続きに期間を要します。
余裕をもった投資を行うためには、半年程度の期間を想定しておく方が良いです。
投資を行う場合は、早い段階で顧問税理士などへのご相談をおすすめします。
事前相談と計画の作成
↓ 1~2か月程度
計画の申請(審査開始)
+ 同時に申請が必要となっております。
課税の特例への適合確認申請
↓
計画の認定(計画開始)
↓
税制対象投資の実施
↓
税務申告
↓
実施状況報告書の提出・公表
毎事業年度終了後3か月以内に報告書の提出が必要です。
提出書類一覧
DX認定に必要な書類
・認定申請書
・認定申請書の添付資料
・申請チェックシート
DX投資促進税制に必要な書類
・定款の写し
・事業報告の写し
・貸借対照表
・損益計算書
・生産性の向上又は需要の開拓について
・財務内容の健全性の向上について
・経営の方針の決議又は決定の過程について
・計画の実施に必要な資金の使途及びその調達方法の内訳について
・暴力団排除に関する制約事項
・前向きな取組の根拠(成長発展事業適応または情報技術事業適応に関する計画に限る)
・「データ連携」および「クラウド技術の活用」について(情報技術事業適応に関する計画に限る)
・第三者機関による認証(エネルギー利用環境負荷低減事業適応を行うものが金融支援を受けようとする場合に限る)
・融資計画(利子補給制度を受けようとする場合に限る)
6 まとめ
企業のDX化を後押しするために設けられたDX投資促進税制では、投資資産取得額の特別償却30%または税額控除3%(5%)という大きなメリットが得られます。
しかし、適用を受けるには、DX認定と事業適応計画の認定という2つのハードルをクリアする必要があります。
DX投資促進税制税務や会計でお困りの際は、丸山会計事務所までお気軽にご相談ください。
丸山会計事務所では法人向けのコンサルティング、個人向けの不動産コンサルティングを始めとして、確定申告だけではなくお客様に寄り添った提案型のサービス提供を得意としています。仕事内容に興味のある方は、ホームページの採用情報をぜひご覧ください。
この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。
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