所得税・住民税改正で手取りが変わる 経営者の実務対応
投稿日:2026年06月22日

朝4時起きの税理士、丸山です。
本日は所得税・住民税の改正ポイントと、経営者が今すぐ取るべき実務対応についてお話しします。
「最近の所得税改正はパートやアルバイトの話で、自分には関係ない」と思っていませんか。
実は違います。
基礎控除や給与所得控除の引き上げは、役員報酬を受け取る経営者ご自身、家族従業員への給与、さらにはパート従業員の働き方まで、会社のお金の流れ全体に影響します。
改正を「他人事」として放置した会社と、給与設計を見直した会社とでは、世帯の手取りベースで年間数十万円の差がつくこともあるのです。
基礎控除・給与所得控除の引き上げで「壁」が動いた
今回の改正の柱は、所得税の基礎控除の引き上げ(48万円から58万円へ、所得が低い方にはさらに上乗せの特例あり)と、給与所得控除の最低保障額の引き上げ(55万円から65万円へ)です。
これにより、いわゆる「103万円の壁」は123万円以上へと動きました。
長く据え置かれてきた控除額が物価上昇を背景に見直された、近年では大きな改正です。
注意したいのは、住民税の基礎控除は所得税と同じ幅では引き上げられていない点です。
「所得税がかからないなら住民税もゼロ」とは限らず、非課税ラインは自治体の制度も絡んで別に判定されます。
手取りシミュレーションは所得税・住民税を分けて行う必要があります。
大学生年代の子を持つ世帯は「特定親族特別控除」に注目
19歳から22歳の子がいる世帯には、新設された特定親族特別控除が効きます。
従来は子のアルバイト収入が103万円を超えると63万円の特定扶養控除が一気にゼロになりましたが、改正後は子の収入が150万円までなら親は満額63万円の控除を受けられ、150万円を超えても控除額が段階的に減る仕組みになりました。
「子どもがバイトで稼ぎすぎたせいで親の税金が急増する」という崖は大幅に緩和されています。
お子様の働き方を年末に慌てて調整していたご家庭は、前提を更新してください。
経営者がやるべきは「給与設計の再点検」
改正を手取り増につなげる鍵は、会社側の対応です。
第一に、扶養の範囲内で働くパート従業員の勤務時間です。
本人の所得税だけを見れば年収123万円程度まで働けますが、社会保険の加入ラインである106万円・130万円の壁は別に存在します。
どの壁を意識して何時間働くか、従業員と認識を揃えることが人手不足対策にも直結します。
第二に、家族従業員への給与です。
控除引き上げ後の非課税ラインまで給与を適正に支給すれば、世帯全体の手取りを増やしつつ法人の経費を確保できます。
第三に、役員報酬です。
控除の変化で最適な報酬水準は変わります。
定期同額給与の変更は原則として期首から3か月以内しかできませんから、決算前のこのタイミングで来期の報酬設計を試算しておくべきです。
丸山会計は「改正のたびに提案する」事務所です
税制改正は毎年あります。
重要なのは、改正のニュースを知ることではなく、自社の数字に当てはめて行動を変えることです。
丸山会計事務所は、確定申告や記帳代行にとどまらず、役員報酬の設計、家族への給与、従業員の働き方まで含めて、お金が動くタイミングで先回りして提案する「攻める税理士」であり続けたいと考えています。
「知らないことで損をした」を一つでも減らし、経営理念である「ともに未来を描く」を実践する。
改正対応はそのための絶好の機会だと捉えています。
まとめ
基礎控除58万円・給与所得控除65万円への引き上げで「103万円の壁」は123万円以上へ動き、大学生年代の子には特定親族特別控除が新設されました。
一方、住民税や社会保険の壁は別判定です。
経営者はパート従業員の勤務調整、家族給与、役員報酬の三点で給与設計を見直すことで、改正を世帯と会社の手取り増につなげられます。
決算前の試算が行動の第一歩です。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談については専門家にご確認ください。
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この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


