その新規事業、お客様の頭に真っ先に浮かびますか──価格で消耗しない3つの視点

投稿日:2026年08月09日

その新規事業、お客様の頭に真っ先に浮かびますか──価格で消耗しない3つの視点

おはようございます。

朝4時起きの名古屋の税理士丸山です。

 

「良いものを作れば売れる」と信じて、こだわりの商品やサービスを世に出したのに、なぜか思うように選ばれない。
値段を下げなければ話も聞いてもらえない。

中小企業の新規事業で、そんな壁にぶつかる経営者は少なくありません。
原因の多くは、商品の良し悪しではなく「お客様の頭の中に、あなたの会社が浮かんでいない」ことにあります。

人は、真っ先に思い浮かんだものから選びます
裏を返せば、頭に浮かびさえすれば、価格で消耗しなくても選ばれる
本稿では、二番手が価格競争に沈む理由をふまえ、

 

①お客様のまだ言葉にならない不満から種を見つける、

②その価値に「名前」をつける、

③一点に資源を集中して一番手を取りにいく、

という3つの視点を整理します。

目次

1. なぜ「二番手」は価格でしか戦えないのか

2. 視点①:お客様の「言葉にならない不満」から種を見つける

3. 視点②:価値に「名前」をつけ、頭に残す

4. 視点③:一点に集中し、一番手を取りにいく

1. なぜ「二番手」は価格でしか戦えないのか

人の記憶に残るのは、その分野の「一番手」だけです。
「◯◯といえば、この会社」と真っ先に浮かぶ存在になれれば、指名で選ばれ、値引きの必要もありません

ところが、すでにある市場で後から一番手を奪うのは、資本でもブランドでも先行者に劣る中小企業にとって現実的ではありません。
同じ土俵で二番手・三番手を争えば、差別化の余地は価格しか残らず消耗戦に引きずり込まれます

 

ここで発想を切り替えたいのが、「既存のカテゴリーで一番になれないなら、自分が一番手になれる新しいカテゴリーを作る」という考え方です。

市場全体で勝とうとするのではなく、お客様の頭の中の小さな一区画で「◯◯といえば、うち」を作る。

これが、体力に限りのある会社が価格競争から抜け出すための出発点になります。

2. 視点①:お客様の「言葉にならない不満」から種を見つける

新しいカテゴリーの種は、お客様自身もまだ言葉にできていない「潜在的な不満」に眠っています。
すでにはっきり自覚されている悩みには、たいてい誰かの解決策が用意されているからです。

だからこそ、まだ誰も名前をつけていない不満を先に見つけた会社が、その領域の一番手になれます。

ここで有効なのが、探偵のように事実だけを集める姿勢です。

 

ありがちな失敗は二つ。

一つは、頭の中で作り上げた「理想のお客様像」をもとに考えてしまうこと。

想像上の顧客からは、それ以上の発見は出てきません。

もう一つは、「これ、便利だと思いますか」と誘導するような質問で、欲しい答えを自分から引き出してしまうことです。

 

避けるコツは、実際のお客様に会い、使う場面をその場で再現してもらいながら、「いつ・どこで・誰が・何を・どのように使っているか」を丁寧に聞き取ること。
意見や感想(解釈)ではなく、実際の行動(事実)を積み上げていく。

その事実の山から、本人も気づいていない不満が立ち上がってきます。

3. 視点②:価値に「名前」をつけ、頭に残す

種を見つけたら、その価値に「名前」をつけます。
お客様が一言で思い出せるキーワード、それがカテゴリー名です。

「骨伝導イヤホン」「ロボット掃除機」「消せるボールペン」――いずれも、聞いただけで何ができるかが直感的に伝わります。

優れた名前はそれ自体が説明書きになり、多額の広告費をかけずとも記憶に残ります

 

中小企業でも、たとえば「◯◯専用の△△」「□□しない◯◯」といったように、狙いを一点に絞った言い方にするだけで、「そういうものが欲しかった」という反応を引き出せます。

あわせて、その名前とセットで思い浮かぶ具体的な利用シーンを一つ用意しておくと、価値はより速く伝わります。
難しい機能説明を並べる前に、まず「ひと言で何屋なのか」を決める。
ここを曖昧にしたまま売り出すと、どれだけ中身が良くても埋もれてしまいます。

4. 視点③:一点に集中し、一番手を取りにいく

最後は資源配分の判断です。
新しいカテゴリーで一番手を取るには、狭く絞った領域に人と時間を集中させる覚悟が要ります。
あれもこれもと手を広げれば、どの分野でも中途半端な二番手にしかなれません。
本業が好調なうちに、余力の一部を一つの種へ集中して投じる。
この見極めこそが経営者の仕事です。

 

そして、こうした挑戦のコストは税務でいくらか和らげられます。
試作や技術開発にかかった費用は、要件を満たせば試験研究費の税額控除の対象になり得ます。
立ち上げ期に赤字が出ても、中小法人であれば欠損金を最長10年繰り越し、黒字化した年度の所得と相殺できます。
設備投資には中小企業経営強化税制などの優遇が使える場合もあります。
はじめから使える制度を前提に資金計画を組んでおけば、一点集中への踏み込みが、ぐっとしやすくなります。

おわりに

当事務所では、毎月の顧問業務を通じて数字を整えるだけでなく、新規事業の事業計画づくりや、「どこに集中し、どこから撤退するか」という判断の壁打ち役までご一緒しています。

「この種に、どこまで資源を割くべきか」――税務とお金の両面から、経営判断のそばに立つのが私たちの役割です。
経営理念に掲げる「ともに未来を描く」の言葉どおり、社長お一人で抱え込まず、頭の中を一度整理する相手として、どうぞお気軽にご相談ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別具体的な経営判断を行うものではありません。実際のご判断に際しては、税理士・会計士等の専門家へご相談ください。

 

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この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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