26/3/27配信:54億円の土地売却で落とし穴?税務署が認めた「1枚の書類」の威力
投稿日:2026年03月27日
皆様、おはようございます。
朝4時起きの税理士、丸山です。
最近、我が家の7歳と4歳の子は
「太鼓の達人」に夢中です。
上の子がいつの間にか
色々な曲を覚えていることに
親として驚かされる毎日です。
さて、本日は不動産オーナー様、
特に同族会社を経営されている皆様に
ぜひ知っておいていただきたい
最新の裁判事例をお伝えします。
「個人(地主)と、会社(借地人)が
持っている不動産を一緒に売ったとき、
売却代金をどう分けるべきか?」
という、非常にシビアな論点です。
54億円の売却、その「分け方」が争点に
今回の事例(大阪地裁 令和7年1月17日判決)は、次のような状況でした。
〇個人(地主)が土地を所有
〇自身の資産管理会社(法人)が建物を所有
〇これらをセットで第三者に売却
売却額は、土地が約54億円、
建物が約7800万円という巨額なもの。
この土地は「借地権割合90%」とされる
超一等地の商業地区でした。
売却にあたり、地主と法人は
土地の代金(約54億円)について、
「個人が80%、法人が20%を受け取る」
という合意をして申告したのです。
法人は「これまで建物の管理や経費負担をしてきたのだから、
20%分は法人の取り分だ」と主張しました。
税務署の「待った!」と裁判所の冷徹な判断
これに対し、税務署は首を縦に振りません。
「土地代金の100%(約54億円全額)が個人の収入である!」
として、多額の追徴課税を行ったのです。
裁判所も、税務署の主張を全面的に認めました。
なぜ、当事者が納得して決めた「80対20」の
按分が認められなかったのでしょうか?
その最大の理由は、過去に提出していた
「無償返還届出書」という1枚の書類です。
「無償返還届出書」という諸刃の剣
この書類は、簡単に言うと「将来、土地をタダで地主に返します」
という税務署への約束手形のようなものです。
これを出すメリットとリスクを整理しましょう。
メリット:
法人が土地を借りる際、
「借地権という価値をタダでもらった」
とされる課税(認定課税)を回避できる。
リスク(今回のケース):
税務上は「借地権の価値は法人に移っておらず、
地主の手元に残ったまま」と扱われる。
つまり、裁判所はこう指摘したのです。
「税金を逃れるために『借地権の価値はゼロ』という前提の届出を出していたのだから、
売る時だけ『20%の価値がある』と言って売上を分けることは認められません。」
相続税の時とは違い、法人には借地権認めないいうことになります。
まとめ:実態よりも「過去の書類」が優先される
今回の事例から学べる教訓は明確です。
同族間での不動産取引において、
「当事者間の自由な合意」は、
「過去に提出した書類」に勝てません。
特に「無償返還届出書」を出している場合、
売却代金の一部を法人に移す行為は、
税務署に否認されるリスクが極めて高いのです。
不動産の売却代金が億単位になれば、
否認された時のダメージは甚大です。
「うちは大丈夫だろうか?」と少しでも
不安に思われたら、売却に動く前に
必ず過去の届出状況を確認してください。
もちろん、私の方でも精査させていただきます。
手遅れになる前に、ぜひご相談ください。
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この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


