相続した不動産の税務Q&A 知らないと損する5論点
投稿日:2026年05月18日

朝4時起きの税理士、丸山です。本日は「相続した不動産の扱い」についてお話しします。
「親が遺してくれたアパートを相続したけれど、何から手を付ければよいのか分からない」
――こんなご相談を、毎月のように受けます。
多くの方は『相続税の申告さえ済ませれば終わり』と思いがちですが、実はその後に控える譲渡所得税や固定資産税、共有名義の調整など、判断を誤ると数百万円単位で損をする論点が山積しています。
今日はよくある5つの質問に、攻める税理士の視点でお答えします。
Q1.相続した不動産の評価額は、買った時の価格でよいのですか?
結論から言えば「違います」。
相続税では、土地は路線価方式または倍率方式、建物は固定資産税評価額で評価します。
市場価格の概ね7〜8割になることが多く、相続税の節税効果が期待できる仕組みです。
ただし、不整形地、無道路地、間口の狭い土地など『個別の減価要因』がある場合、画一的な路線価評価では実勢価格より高く評価されてしまうケースがあります。
この場合、不動産鑑定評価を活用して低い評価額で申告できれば、納税額を大きく圧縮できる可能性があります。
私の関与した案件でも、鑑定評価の採用で評価額が4割減となり、納税額が1,200万円下がった事例があります。
Q2.小規模宅地等の特例は、誰でも使えますか?
いいえ、要件が厳しい特例です。被相続人の自宅敷地なら最大330㎡まで評価額を80%減額できる強力な制度ですが、『同居親族』もしくは『家なき子』など、適用対象者の要件を満たさなければなりません。
見落としがちなのが、被相続人が老人ホームに入所していたケース。
一定の要件を満たせば『空き家になった自宅』でも特例が使えます。
また、二世帯住宅では区分所有登記の有無で扱いが変わります。
区分所有登記をしていると、親世帯の床部分しか特例が使えず、結果的に減額幅が半分以下になることも。生前の登記設計が、相続税額を大きく左右します。
Q3.相続した不動産を売却したら、税金はどうなりますか?
譲渡所得税の計算上、取得費は被相続人が買った時の金額を引き継ぎます。
古い不動産で取得費が不明なら、譲渡価額の5%しか経費にできず、税負担が一気に膨らみます。
購入時の契約書や通帳の記録は、必ず探してください。※
※どうしても見つからない場合でも、当時の間接証拠などを基に実額に近い取得費を推計・立証できるケースがあります。ここが私たち専門家の腕の見せ所です
節税のキーは『取得費加算の特例』。
相続税の申告期限から3年以内(実質的なタイムリミットは相続開始から3年10か月以内)に売却すれば、支払った相続税の一部を取得費に加算でき、譲渡所得税を下げられます。
3年を1日でも過ぎると使えませんので、売却スケジュールは戦略的に組み立てる必要があります。
Q4.兄弟で共有名義にしておけば、もめずに済みますか?
一見公平に見える共有は、実は将来トラブルの火種です。賃貸の意思決定、修繕、売却、すべてに共有者全員の同意が必要になり、誰かが亡くなれば持分はその子へさらに細分化されていきます。
私たちの提案は『共有を作らない遺産分割』。
代償分割(一人が現物を取得し他の相続人に金銭を支払う方法)や、収益不動産の法人化による持分管理など、選択肢は複数あります。
すでに共有になっている場合も、共有物分割や交換特例を活用して整理可能です。
先送りせず、一代のうちに整える――これが資産を次世代に守り渡す王道です。
Q5.丸山会計事務所はどんな支援をしてくれますか?
私たち丸山会計事務所は、経営理念「ともに未来を描く」のもと、相続税申告だけで終わらせない伴走型の支援を提供しています。
相続発生前の事前シミュレーション、評価減の最大化、二次相続まで見据えた遺産分割案の設計、売却・組替えの出口戦略まで、ワンストップでご提案します。
『知らないことで損をした』をなくしたい
――これが攻める税理士・丸山の信念です。
税務調査官も納得の節税実績、提案力で、相続した不動産を『負動産』にせず『資産』として活かす道筋を、共に描かせていただきます。
まとめ
相続した不動産は、評価・特例・譲渡・共有・承継と、判断を要する論点が連続します。
路線価評価の見直し、小規模宅地等の特例、取得費加算特例、共有回避の遺産分割
――この4点を押さえるだけで、納税額は大きく変わります。
迷ったら、相続が起きてからではなく、起きる前にご相談ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談については専門家にご確認ください。
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この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


