不動産で攻める相続・贈与の総合戦略 オーナーに効く5本柱
投稿日:2026年05月18日

朝4時起きの税理士、丸山です。本日は「不動産と相続・贈与の総合戦略」についてお話しします。
「相続対策は亡くなる直前に慌ててやるもの」
「贈与は暦年110万円までを毎年コツコツ続ければ十分」
――不動産オーナーから本当によく聞く言葉です。
しかし、これは半分正しく、半分は大きな誤解です。
実は、不動産を持つ方の相続・贈与対策は、亡くなる直前ではなく10年20年単位で組み立てる「総合戦略」として考えなければ、最大の節税効果は得られません。
今日は、攻める税理士の視点から、不動産オーナーが押さえておくべき5本柱を整理してお伝えします。
1.現状把握こそ最大の節税策 ―― まずは「財産マップ」を描く
総合戦略の出発点は、現状把握です。
意外なことに、ご自身の不動産が相続税評価でいくらになるかを正確に把握しているオーナーはごくわずか。
市場価格と相続税評価額(路線価ベース)は、立地や形状によって2〜4割も差がつくケースが珍しくありません。
例えば、市場では1億2,000万円で取引される土地でも、間口が狭い・不整形・無道路といった個別事情があれば、不動産鑑定評価を活用することで7,000万円台まで評価を下げられる事案もあります。
これは仮に相続税の限界税率が40%の方なら、実に2,000万円規模の納税額の差です。
「うちは大した財産じゃない」と思い込まず、まず財産目録と相続税試算をつくる
――これが攻めの節税の第一歩です。
2.生前贈与は「枠の組み合わせ」で勝負する
贈与といえば暦年贈与の110万円枠を思い浮かべる方が多いですが、令和6年以降、相続開始前7年以内の贈与は相続財産に持ち戻されるルールへ強化されました。
早期に動かなければ効果が薄くなる制度設計です。
攻めの選択肢は、相続時精算課税制度の活用です。
令和6年改正で年110万円の基礎控除が新設され、この基礎控除部分は持ち戻し対象外となりました。
値上がりが見込まれる収益不動産や同族会社の自社株を、価値が低いタイミングで早めに次世代へ移転する
――これが王道パターンです。
さらに、住宅取得等資金贈与や教育資金一括贈与の非課税特例を組み合わせれば、複数の枠を立体的に使うことができます。
「どの枠を、誰に、どの順番で使うか」を10年計画で設計することが鍵です。
3.不動産は「組替え」で評価を下げる
更地のまま保有している土地は、相続税評価上もっとも不利です。
賃貸マンションを建てれば「貸家建付地」として2割前後評価が下がり、さらに小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)が使えれば200㎡まで50%減額。
借入金で建築すれば手元の現金を減らさずに済み、その借入金は債務控除の対象となるため、手元の現金を残したまま大きな評価圧縮効果を得ることができます。
ただし、節税だけを目的にした過度な借入アパート建築は要注意です。
実需や収益性を無視した投資は、税務リスク(評価通達6項による否認)と空室リスクの両方を抱えます。
攻める税理士の発想は、収益性と評価圧縮の両立。
例えば、地方の遊休地を売却し、東京・名古屋の中心部の一棟収益物件(※区分マンションの一室は令和6年の改正で評価減効果が縮小されたため注意が必要です)に組み替えれば、利回り改善と評価減を同時に実現できます。
組替えのタイミングと売却益課税のシミュレーションをセットで検討してください。
4.法人化で「贈与・相続のスピード」を上げる
不動産オーナーが規模拡大したら次に検討すべきは資産管理法人の設立です。
賃貸不動産を法人に移し、その株式を子や孫に少しずつ贈与していけば、家賃収入が次世代へ自動的に流れ、所得分散と相続財産の増加抑制が同時にできます。
自社株評価は類似業種比準価額や純資産価額の組み合わせで決まるため、設立直後や赤字計上時に贈与を行えば、評価が低い時点で大量に株式を移すことが可能です。
さらに役員退職金や保険を活用した株価引下げスキームを組み合わせれば、数千万円単位の節税効果も現実的です。
法人化は手続きや維持コストもかかるため、家賃年収1,500万円〜2,000万円が一つの目安。
所有期間20年スパンで採算を見れば、ほぼ確実にプラスになります。
5.丸山会計事務所が「ともに未来を描く」理由
ここまで5本柱のうち4つを紹介してきましたが、最後の柱は「専門家との伴走」です。
不動産税務、自社株評価、組織再編、贈与スキーム
――どれか一つだけ詳しい専門家は多くいますが、これらを横断して10年単位で設計できる事務所はわずかです。
丸山会計事務所は、確定申告や記帳代行だけでなく、お金が大きく動くタイミングで納税額に差をつける「攻める税理士」を理念に掲げています。
経営理念は「ともに未来を描く」。
オーナーの想いを聞き取り、ご家族の関係性を踏まえ、20年後の財産マップから逆算して今やるべき一手を提案する
――これが私たちのスタイルです。「知らないことで損をした」をなくすために、初回のご相談から具体的な数字でお応えします。
まとめ
不動産オーナーの相続・贈与対策は、①現状把握、②贈与枠の組み合わせ、③不動産の組替え、④法人化、⑤専門家との伴走、という5本柱で総合的に組み立てるべきです。
直前対策では遅く、10年20年スパンで動けば数千万円単位の節税効果が現実になります。「うちはまだ大丈夫」と思った今こそが、戦略を描き始めるベストタイミングです。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談については専門家にご確認ください。
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この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


