大家さんの法人化はいつ動く?節税で差がつく5つの判断軸

投稿日:2026年05月20日

大家さんの法人化はいつ動く?節税で差がつく5つの判断軸

朝4時起きの税理士、丸山です。本日は「大家さんの法人化はいつが正解か」についてお話しします。

「家賃収入が増えてきたから、そろそろ法人化したほうがいいですよね?」

——名古屋の事務所には、こうした相談がほぼ毎週のように寄せられます。

そして決まって私はこう聞き返します。

「ところで、なぜ法人化したいのですか?」と。

意外なことに、明確に答えられる方はそう多くありません。

 

ネット記事や書籍では「年収1,000万円を超えたら法人化」「課税所得900万円が分岐点」といった目安がよく語られますが、この数字だけを信じて動くと、思ったほど節税にならなかった、社会保険料の負担で逆に手取りが減った、というケースが少なくないのです。

法人化はゴールではなく、出口戦略までを見据えた長期の道具です。

1. 法人化が「節税」になる本当の理屈

個人の不動産所得は総合課税で、最高税率は55%(所得税45%+住民税10%)まで上がります。

一方、中小法人の実効税率はおおむね22〜34%程度にとどまります。仮に課税所得が1,500万円ある大家さんなら、個人のままだと所得税・住民税等で約498万円かかりますが、法人化して利益をそのまま残した場合の税金は約453万円となり、単純な税率差だけでも年間約45万円の節税になります。

加えて、法人なら家族を役員に据えて役員報酬を支払い、給与所得控除を活用しながら所得分散を図ることもできます。

退職金規程や生命保険、社宅制度など、個人ではできない経費化の打ち手が一気に広がる

——これが法人化の本当の威力です。

2. タイミングをめぐる3つの誤解

第一の誤解は「課税所得900万円を超えたら必ず法人化」。賃貸規模、借入残高、減価償却の進み具合、家族構成によって損益分岐点は大きくぶれます。

第二の誤解は「物件を法人に売却して移せばOK」。個人から法人への移転には、不動産取得税・登録免許税・譲渡所得税という三重コストが発生し、簿価次第では数百万円単位の出費になります。

第三の誤解は「これから買うものは全部法人で」。融資戦略上、最初の数棟は個人で組み、団信や与信枠を温存してから法人へスイッチした方が拡大スピードが速いケースもあります。

3. 本気で法人化を検討すべき5つのサイン

①課税所得が900万円〜1,200万円のレンジに入ってきた。

②これから新築・大型物件を取得する計画がある。

③配偶者や子へ所得を分散させたい。

④相続まで見据えた資産承継対策を始めたい。

⑤法人で内部留保を厚くし、次の物件購入に備えたい

——このうち2つ以上に当てはまるなら、本格的なシミュレーションに入る価値があります。

4. 法人化の「型」を間違えない

法人化スキームは1つではありません。

新規物件のみ法人で取得する「新設取得型」、建物だけ法人に移す「建物法人化型」、土地・建物まるごと法人に売却する「全部移転型」、サブリースや管理会社として法人を使う「管理委託型」など複数の型があります。

特に「建物法人化型」は、土地は個人のまま残しつつ家賃収入を法人に集約できるため、移転コストを抑えながら所得分散が実現でき、相続税対策にも応用しやすい型として注目されています。

どの型を選ぶかで、5年・10年後のキャッシュフローと相続税は大きく変わります。

5. 丸山会計が「攻める」のは、ここから

私たち丸山会計事務所は、確定申告や記帳代行だけにとどまる事務所ではありません。

お金が大きく動くタイミングこそ、税理士の腕の見せどころです。法人化の判断についても、5年・10年・20年後の出口まで見据えたシミュレーションを行い、「いま動くべきか、もう少し待つべきか」を数字でお示しします。

「ともに未来を描く」は、私たちの経営理念です。

攻める税理士として、法人化の損益分岐点を一緒に超えていく——それが丸山会計のスタンスです。

まとめ

法人化は「いつやるか」より「なぜやるか」「どの型でやるか」が決定的に重要です。

所得の損益分岐だけでなく、融資戦略・家族構成・相続・物件取得計画までを総合判断することで節税効果は最大化します。

判断に迷ったら、まずはシミュレーションを取ることから始めましょう。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談については専門家にご確認ください。

 

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この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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