税務署のシステムが「統合」される今、不動産オーナーが守るべきは「数字」よりも「文脈」です。
投稿日:2026年04月19日

名古屋の街も桜が舞い、新しい年度が始まりましたね。
朝4時起きの名古屋の税理士丸山です。
先日、長年お付き合いのある不動産オーナー様と、大須の喫茶店でこんな話をしました。
「最近マイナンバーやら何やらで、税務署に自分の資産が全部筒抜けになるって本当? システムが変わるって聞いたんだけど……」
実はその通り。国税当局はいま、数十年に一度とも言える巨大なシステムの刷新(DX)の真っ只中にいます。
2026年、税務署の「目」は一つに繋がる
これまで税務署が使っていたシステムは、所得税、法人税、相続税……と、税目ごとに情報が分かれて管理されていました。
それらを統合して確認するには、職員さんの膨大な「手間と時間」が必要で、情報の統合には物理的なハードルがあったのです。
しかし、今年から全国で本格導入される「KSK2」と、それを支えるネットワーク環境によって、そのハードルが一気に低くなります。
■ 「点」と「点」が結びつき、資産が「立体」で見える
これまでの情報は、いわばバラバラのパズルのピースでした。
しかしこれからは、そのパズルが最初から組み上がった状態で当局の画面に映し出されるようになります。
税目の垣根が消える
例えば「法人の経費」として支出したお金が、個人の通帳にどう流れたか。
これまでは別々の調査で追いかけていたような「資金の還流」も、システム上で一本の線として可視化されます。
役所・金融機関との「デジタル直結」
ここが大きな変化です。役所が持つ固定資産税の情報や不動産の登記データ、さらには金融機関の口座情報までもが、デジタル上でよりスムーズに紐付けられていきます。
これまでは、わざわざ銀行に照会をかけたり、役所の資料を取り寄せたりするのに「手間(コスト)」がかかっていました。
しかしこれからは、システムが「預金残高の増減」と「申告された所得」のバランスを自動で照合し、違和感があれば即座にアラートを出す……そんな時代がやってきます。
多くの税理士は「正しく申告を」と言いますが……
情報の統合が進むと聞くと、「隠し事はできない」「ミスが怖い」と、守りの姿勢になりがちです。もちろん、適正な申告は大前提です。
しかし、ここからが「攻め」の視点です。
システムやAIが得意なのは、あくまで「過去のデータに基づいた不自然な数字」を見つけること。でも、彼らにはわからないことがあります。それは、「なぜ、あなたがその選択をしたのか」という背景(文脈)です。
例えば、親族間での不動産取引。
システムが統合され、役所の登記情報と銀行の送金記録が照らし合わされたとき、機械は「相場より低い! 贈与だ!」と判断するかもしれません。
しかし、そこには親族にしかわからない事情や、将来を見据えた正当な経営判断があったはずです。
大事なのは、数字の裏にある「ストーリー」の整理
これからの時代、実務家として私たちが意識すべきは、単に計算を間違えないことだけではありません。
「横の繋がり」を意識する
法人の決算、個人の所得、将来の相続。これらを一つのストーリーとして矛盾がないか事前に点検しておくこと。
「文脈」を準備しておく
万が一、調査官から「この数字の意図は?」と問われたとき、即座にその背景にある正当な理由を、ストーリーとして提示できるか。
システムが賢くなり、情報のパズルが自動で組み上がるからこそ、私たち人間にしかできない「納得感のある説明」が、あなたの大切な資産を守る最強の盾になります。
ひとりで悩まず、セカンドオピニオンを。
国税のシステムが統合され、情報の見え方が変わる今こそ、これまでの対策を見直す絶好のチャンスです。
「今の申告、統合されたシステムで見られたときにどう映るだろう?」
「顧問税理士さんとは別の、もう少し踏み込んだ視点が欲しい」
そんなときは、いつでも丸山会計事務所へお声がけください。最新のシステム事情を踏まえつつ、あなたの「想い」に寄り添った、一番納得感のある着地点を一緒に探しましょう。
名古屋の街の頼れる相談相手として、扉を広げてお待ちしております。
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この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


