ホームページを購入した際は資産と費用どちらで 会計処理をすべき?
投稿日:2023年05月24日
ホームページを購入した場合の会計処理
すでに稼働しているホームページを購入した場合の会計処理の方法には次の
2つの種類が存在します。
① 広告宣伝費として費用計上
② 繰延資産として資産計上
一括で購入費用を経費計上できる場合と、資産として貸借対照表に計上した上で数年かけて減価償却していく2つの方法があります。
すでに出来上がっているホームページをサイト購入した場合や新たにホームページを作成した場合の会計処理の方法について詳しく解説していきます。
①広告宣伝費として費用計上
WEBサイトの購入した際の費用は、広告宣伝費として一括で費用として計上
するのが基本です。
国税庁が発表している取扱通知(平成9年7月28日)にはホームページを購入(開設)した際の会計処理について以下のように明記されています。
国税庁 取扱通知(平成9年7月28日)
(1)通常、 ホームページ(HTMLと言う言語の組合わせで、ブラウザソフトで閲覧するもの) の中には、コンピュータプログラムは組み込まれておらず、その制作を業者等に委託した場 合であっても、制作費用の中には繰延資産に該当するソフトウェアの開発費用は含まれてい ない。また、通常、ホームページは企業や新製品のPRのために制作され、その内容は頻繁に 更新されるもので、長年にわたり繰り返し使用できるものではなく、その制作に係る費用の 効果が1年以上に及ぶことは稀であると考えられる。よって、ホームページの制作を他の者に 委託した場合の費用は、原則として、その支出時の損金として取扱うのが相当である。
(2)ホームページの利用方法によっては、1年を越えて使用する場合も考えられ、その場合 の外部に委託した制作費用はソフトウェア以外の繰延資産に該当し、その利用方法等により 合理的に見積もった使用期間に応じて均等償却する必要がある。
(3)ホームページは、企業や新製品のPRを目的とするものだけでなく、データベースとアク セスできるものやネットワークと接続した高度なものもあり、これらの高度なホームページ を制作する場合は、ホームページの制作とは別にデータベースやネットワークへのアクセス のためのコンピュータプログラム(ソフトウェア)が必要となるため、このようなホームペ ージの制作を他の者に委託した場合は、繰延資産として5年間で償却することとなる。
国税庁では使用期間が1年未満で宣伝や広告などの目的で使用するホームページは原則的に費用だと定義しています。
②繰延資産として資産計上
国税庁はホームページについては基本的には広告宣伝費として費用計上すると述べていますが、以下のケースについては繰延資産として5年間で減価償却を行うとも明記しています。
- 使用期間が1年以上
- PR目的ではない
- データベースとアク セスできるものやネットワークと接続するもの
国税庁の通知は平成9年に公表された非常に古いものです。
当時はホームページといえば、新商品やサービスをPRする目的に使われることが多かったため「原則的に広告宣伝費として費用計上」というのが基本だったのかもしれません。
しかし、今はホームページは商品を販売したり、予約を取ったり、ホームページそのものが収益をあげるなど、PRとしてのみの効果を持つホームページの方が少なくなりました。
そのため、「商品やサービスのPR以外の機能がついているホームページは資産計上する」と理解しておくのが自然かもしれません。
具体的には次のようなホームページを繰延資産として費用計上します。
- ホームページで商品やサービスを販売している
- 店舗の予約を取る
- アフィリエイトなどで収益化している
これらの機能を備えているホームページを買収・制作を依頼した際には繰延資産として費用計上しなければならないという点を理解しておきましょう。
また、同じようにこれらのホームページに新たな機能を追加する場合、そのホームページの機能を向上させる場合などは、資産計上をするのが原則だと思われます。原稿の修正、ページの更新等の場合には修繕費、広告宣伝費などで経費処理するこが妥当だと思われます。
まとめ
ホームページを買収した際の会計処理の方法については、今から26年前の平成9年という非常に古い時代に公表された国税庁の通知しかベンチマークとなるものがありません。
平成9年当時からホームページの定義については大きく変わり、今はホームページそのもので資産的な価値を持つものも増えています。
ホームページの解説や買収にかかった費用など税務や会計でお困りの際は
丸山会計事務所までお気軽にご相談ください。
この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。
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