不動産投資の修繕積立術 大家が知るべき5視点

投稿日:2026年05月17日

不動産投資の修繕積立術 大家が知るべき5視点

朝4時起きの税理士、丸山です。

本日は「不動産投資の修繕コストと積立の考え方」についてお話しします。

「毎月の家賃が入ってくるから、不動産投資はキャッシュフローが安定している」

――そう考えている大家さんは多いものです。

 

しかし、表面利回りに一喜一憂しているうちに、ある日突然「外壁塗装に300万円」「給排水管の交換に500万円」と見積書が届き、手元資金が一気に枯渇する。

これが、私が現場で何度も見てきた典型的な“修繕ショック”です。

修繕コストは「いつか来る」ではなく「必ず来る」費用。先に積み立てていなかった大家さんから順に、利益が消えていきます。

1.大規模修繕は10〜15年周期で必ず訪れる

木造アパートでも鉄筋コンクリート造マンションでも、大規模修繕の周期はおおむね10〜15年。

屋根防水、外壁塗装、共用部の鉄部塗装、給排水管の更新、エレベーター部品交換

――これらは経年によって確実に発生します。

国土交通省の長期修繕計画ガイドラインによれば、戸数20戸前後のRC造マンションで30年間にかかる修繕費は、戸あたりおよそ400〜600万円が目安。

20戸なら8,000万円〜1.2億円規模の出費です。これを家賃から事後的に賄おうとすると、確実に資金繰りが破綻します。

2.修繕積立の目安は「家賃収入の5〜10%」

では、いくら積み立てればよいのか。私が顧問先にお勧めしているのは、年間家賃収入の5〜10%を「修繕積立用の別口座」に毎月自動振替する方法です。

家賃収入が年間1,000万円なら、月額4〜8万円。築古物件や設備が多い物件はレンジの上限、新築寄りは下限を目安にします。

重要なのは、運転資金と完全に分けて管理すること。

同じ口座に置いておくと、ついつい運転に使ってしまい「気づいたら積立ゼロ」という事態になりがちです。

修繕は「経費」ではなく「先払いの設備投資」と捉えるのが、攻める大家の発想です。

3.税務上は「積立金」のままでは経費にならない

ここで多くの方が誤解されるのが税務上の扱いです。

自分の口座に毎月いくら積み立てようと、それは単なる資金移動であり、経費にはなりません。

経費にできるのは、実際に修繕工事を行い、支出が発生したタイミングです。

しかも、その支出が「修繕費」(一括経費)になるか「資本的支出」(減価償却)になるかで、税負担は大きく変わります。

原状回復・現状維持の工事は修繕費、価値や耐用年数を高める工事は資本的支出。

区分経理を誤ると、税務調査で大きく否認されるリスクがあります。

4.法人化×修繕計画で「節税×内部留保」を両立

収益不動産の規模が大きい方には、法人化と長期修繕計画をセットで設計することを強くお勧めしています。

法人であれば、役員報酬で所得分散しながら、法人内部に修繕用の留保金を残すことが可能です。

さらに、大規模修繕のタイミングを利益が出る期に合わせて実施することで、課税所得を圧縮しつつ物件価値を維持できます。

これは個人課税の累進税率では真似のできない、法人スキームならではの“攻めの節税”です。

逆に、無計画に修繕を行う個人大家さんは、税負担が一番重い年に大支出が重なり、資金繰りが悪化するという二重苦を抱えがちです。

5.丸山会計事務所からのメッセージ

私たち丸山会計事務所は、「ともに未来を描く」を理念に、単なる申告代行にとどまらない“攻める税理士”として、不動産オーナーの皆さまに寄り添ってまいりました。

修繕コストの試算、積立額の設計、法人化のシミュレーション、そして大規模修繕のタイミングに合わせた節税提案まで、ノウハウを総動員してご支援します。

「知らなかったから損をした」を、私たちはなくしたい。

修繕は守りの出費ではなく、物件価値を守り、未来のキャッシュフローを生み出すための“投資”です。

ぜひ早い段階で、長期修繕計画と税務戦略を一体で組み立ててください。

まとめ

修繕コストは突発費用ではなく、計画的に必ず発生する経営コストです。

家賃収入の5〜10%を別口座で積み立て、修繕費と資本的支出の区分を意識し、法人化や時期コントロールで税務メリットも取りに行く。

この3点を押さえれば、修繕は脅威ではなく、資産価値を磨くチャンスになります。

「ともに未来を描く」――丸山会計事務所が、その設計をお手伝いします。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談については専門家にご確認ください。

 

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この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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