「知らなかった」では済まされない!グループ間取引の価格操作に潜む重加算税リスクと正しい節税戦略
投稿日:2026年08月10日

朝4時起きの名古屋の税理士丸山です。
「グループ会社間で取引価格を少し調整して、利益が出ている会社の税金を抑えたい」
「不動産の賃料や管理料、売買価格をグループ内で柔軟に変えるのは自由ではないのか?」
不動産を複数所有するオーナー様や資産管理法人を運営する経営者様から、このようなご相談を受けることが少なくありません。
しかし、安易な価格操作や取引のねつ造は、税務署から非常に厳しくチェックされます。
最悪の場合、本税に加えて重加算税という重いペナルティが課され、数千万円から数億円規模の追徴課税を受けることになります。
今回は、実際の税務調査で問題となった事例をもとに、税務署がどこを見ているのか、そして実務上どのようにリスクを回避すべきかをプロの視点から分かりやすく解説します。
税務調査の現場で見抜かれる「不自然な取引」
1. 実際にあった「グループ会社間取引」の所得隠し事例
近年の事例において、高齢者施設向け給食事業を行う大手グループの給食製造会社(仮にA社)が、グループの中核会社(B社)に対する卸売価格を合理的な理由なく引き下げ、売上と所得を圧縮していたことが税務調査で指摘されました。
・税務署の指摘内容:
A社は「中小企業投資促進税制(機械等の導入費用の一部を税金から引ける制度)」などの優遇税制(平均所得15億円以下などの制限あり)の適用要件を満たすため、意図的に卸売価格を引き下げて所得を圧縮していました。
・不自然な点:
製造原価や人件費の減少といった合理的な理由(価格を下げるべき裏付け)が存在しなかったこと、また仕入れた側のB社も施設等への販売価格を下げていなかったことです。
・結果:
期首にさかのぼって価格を変更するなどの帳簿操作があったことも重く見られ、全額が意図的な「所得隠し」と認定されました。
所得差額約10億円に対し、重加算税を含めて約4億円もの追徴課税が行われました。
2. なぜ「グループ内」なのに厳しいペナルティを受けるのか?
一般的に、グループ会社間で取引価格を変更しても「一方の利益が減り、もう一方の利益が増える」だけなら、グループ全体での利益や税額に大きな変化はありません。
そのため「内々のやり取りだから大丈夫だろう」と甘く考えがちです。
しかし、税務当局は次のポイントを厳しくチェックしています。
- 税率差や優遇税制の不正利用:
赤字会社に利益を付け替えたり、特定の優遇税制の要件(所得制限等)に収めるために利益を操作する行為。
- 隠蔽・仮装(帳簿操作):
単なる計算ミスや見解の相違(過少申告加算税)ではなく、後から期首にさかのぼって契約書や帳簿を書き換えるような行為は「意図的な偽装」とみなされ、一発で重加算税の対象になります。
実行する際の法的リスクと実務上のネック
地主様や不動産オーナー様が資産管理法人(不動産保有会社や管理会社)を活用する際にも、全く同じリスクが存在します。
実務上で最もネックになりやすいポイント
- 不動産の売買価格・賃料・管理料の設定:
個人から法人、あるいはグループ会社間で土地・建物を売買したり、管理手数料を設定する際、「時価」から大きく離れた金額で取引すると、同族会社間の行為計算の否認や低額譲渡・贈与認定を受けるリスクがあります。
- 合理的な根拠(証拠)の欠如:
税務調査で必ず求められるのが「なぜその価格(賃料)にしたのか?」という合理的理由です。
「近隣相場や不動産鑑定評価に基づいているか?」
「原価や業務内容に見合った適正な対価か?」
これらを説明できる客観的なエビデンス(契約書、見積書、鑑定評価書など)がない場合、追徴課税のリスクが跳ね上がります。
期限・税務調査への備え
確定申告書や計算明細書(譲渡所得の内訳書など)は、提出と同時に税務署の審理担当者によって契約書・添付資料との突き合わせが行われます。
特に同族会社間の取引や特例適用案件は、税務署のデータベースや実地調査で深く解明されます。
不動産税務・資産管理のご相談は丸山会計事務所へ
節税対策は、法律の要件を満たし、客観的な根拠(時価の適正性や取引の合理性)を揃えて初めて「合法で価値のある対策」となります。
根拠のない価格操作や帳簿操作は、節税ではなく単なるリスクでしかありません。
丸山会計事務所では、朝4時からの徹底した判例・実務研究に基づき、
税務調査が入ってもびくともしない確実な不動産税務・相続対策・法人化シミュレーションをご提案しております。
「保有している不動産の法人化やグループ内取引の価格設定に不安がある」
「将来の相続を見据えて、安全かつ最大の節税効果を得たい」
このようにお悩みのオーナー様・経営者様は、ぜひ一度丸山会計事務所にご相談ください。
プロの視点から、あなたの大切な資産を守り、得をする最適な設計をサポートいたします。
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この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


