中東情勢と中小企業経営
投稿日:2026年05月06日

― キャッシュ・借入・そして“お金の本質”を考える ―
朝4時起きの税理士、丸山です。
本日は「中東情勢と中小企業経営」について、少し現場の実感も交えてお話ししたいと思います。
先日、同友会で中東情勢について話を聞く機会がありました。
その中で強く印象に残ったのが、「材料が入ってこない」という声です。
実際に顧問先でも同じことが起きています。トヨタ系の仕事をされている企業では、トヨタから支給される材料については問題なく入ってきます。しかし一方で、自社で調達しなければならない潤滑油などは、すでに在庫が枯渇し始めているという話を伺いました。
ここから見えてくるのは、非常に重要なポイントです。
・大手と取引していれば安心という時代ではない
・むしろ「自分で確保しなければならないもの」が最大のリスク
つまり、サプライチェーン(供給網)の中で「自社責任の部分」が、そのまま経営リスクに直結する時代に入っているということです。
今回の問題は「短期では終わらない」
過去のオイルショックを思い出される方も多いと思います。確かにあの時も混乱はありましたが、期間としては比較的短期でした。
しかし今回の中東情勢はどうでしょうか。
すでに2ヶ月以上影響が続いており、さらに物価は明らかに上昇しています。そして一番怖いのは、その価格が元に戻る保証がどこにもないという点です。
これは単なる一時的な問題ではなく、
👉 構造的にコストが上がる時代
に入っている可能性があります。
私が見てきた「倒産の現実」
ここからは少し現実的なお話になります。
私は税理士として、多くの会社を見てきました。そして、会社が倒産する瞬間も何度も見てきました。
その中で、非常に印象に残っている製造業の会社があります。
その会社は確かに資金繰りは厳しい状況ではありましたが、返済が遅れていたわけではありませんでした。会社としては何とか回している、そんな状態です。
しかしある日、売掛金が入金された瞬間に、銀行がその資金を差し押さえました。
そのタイミングは、ちょうど社員の給料を支払う直前です。
現場は本当に混乱しました。「何が起きたのか分からない」という状態でした。結果的には説明をして差し押さえは解除されましたが、その後その会社は倒産しました。
おそらく銀行としては、「この会社はもう長くない」と判断していたのだと思います。
ここでお伝えしたいのは、非常にシンプルな事実です。
👉 外部は、経営者よりも先に危機を察知することがある
そして何よりも重要なのは
👉 倒産の原因はすべて同じだった
ということです。
倒産の理由は一つしかない
これまでの経験から断言できます。
👉 会社が潰れる理由は一つしかありません
それは
👉 現金がなくなること
です。
赤字だから潰れるわけではありません。実際に黒字でも倒産した会社を何度も見ています。
逆に、赤字でも資金がある会社は続きます。
つまり
👉 キャッシュがあるかどうか
これがすべてです。
キャッシュは「時間」を買うためのもの
ここで少し視点を変えてみてください。
お金とは何か。
私は
👉 お金は「時間を買うための道具」
だと考えています。
例えば
・状況を冷静に分析する時間
・戦略を立て直す時間
・次の一手を考える時間
こういった「経営判断の時間」を確保できるのがキャッシュです。
逆に資金がなければどうなるか。
👉 考える前に、終わります
これが現実です。
キャッシュは「守り」ではなく「攻め」
よく「現金を持つのは守り」と言われますが、私はそうは思いません。
むしろ
👉 キャッシュは攻めのための準備
です。
例えば
・高くても材料を仕入れて機会を逃さない
・供給が戻った瞬間に一気に動く
・競合が止まっている間にシェアを取る
こういった行動は、キャッシュがあるからこそできるものです。
借入は「悪」ではない
ここで必ず出てくるのが借入の話です。
多くの方が「借金は怖い」「できればしたくない」と感じています。
しかし私は
👉 借入は悪いものではない
と考えています。
借入によって資金を確保し、それが手元にあるのであれば
👉 実質的にはコントロールできている状態
とも言えます。
家庭と経営は分けて考える
借入に対する抵抗感の多くは、家庭の価値観から来ています。
家庭では
・借金はしない方がいい
・早く返した方がいい
これは正しい考え方です。
しかし
👉 経営は別です
家庭の延長で考えてしまうと、経営判断を誤ります。
極端に言えば
👉 借入が怖いのであれば、事業は難しい
それくらい重要な要素です。
お金は「道具」である
ここが一番大事なポイントです。
👉 お金は目的ではありません
👉 お金は道具です
借入によって得た資金も同じです。
👉 価値を生み出すための道具
です。
本当の価値とは何か
では何が本当の価値なのか。
それは
👉 お金を使って得られるもの
です。
・人材
・サービスの質
・挑戦の機会
・社会への貢献
こうしたものが積み重なって、会社は成長していきます。
お金を使わないことがリスクになる
今の時代は少し怖い時代です。
なぜなら
👉 使わないこと自体がリスク
だからです。
投資をしない、人にお金を使わない、設備を更新しない。
一見安全に見えますが、それは
👉 成長を止めている状態
とも言えます。
経営とは「お金の使い方」
結局のところ
👉 経営とはお金の使い方
です。
借入を怖がって動かない会社と、借入を使って価値を生み出す会社。
この差は、時間とともに大きく広がります。
最後に
私はこれまで、倒産する会社を何度も見てきました。
そしてそのすべてに共通していたのは
👉 現金がなくなったこと
でした。
あの製造業の会社のように
👉 昨日まで回っていた会社が
👉 今日、突然止まる
これが現実です。
だからこそ
👉 会社はお金がある限り潰れない
そして
👉 お金は時間を買う道具である
と私は考えています。
今のような不確実な時代だからこそ
・キャッシュを持つ
・しっかり考える時間を確保する
・戦略的に使う
この積み重ねが、会社の未来をつくります。
丸山会計事務所では
資金繰り・値決め・経営改善のご相談を承っております。
「今の状況で何をすべきか整理したい」
という方は、お気軽にご相談ください。
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この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


