【早起き税理士が断言】その「節税」はもう終わり!不動産小口化商品が迎える突然の死と、資産家が今すぐ取るべき「次の一手」

投稿日:2025年12月03日

あなたの「贈与対策」が、来年、紙クズになるかもしれない”冷酷な真実”

もしあなたが「不動産小口化商品」を相続・贈与税対策の切り札として購入し、「これで税金は大幅に安くなる」と安心しているなら、目を覚ましてください。

正直に言いましょう。

その常識は、まもなく崩壊します。

国税庁の最新資料(審議会資料)を読み解くと、彼らが最も問題視し、最もメスを入れようとしているのが、この**「不動産小口化スキーム」**であることは明白です。

表面的な税法の知識ではなく、税務当局がどこを見て、どのように資産家の対策を無効化しようとしているのか—。

この記事では、不動産・資産税専門の私が、他の税理士があまり口にしない、この改正の本質をかみ砕いて解説します。これを読めば、あなたは一歩先の行動をとり、キャッシュフローの最大化という真の利益を守ることができます。

税務当局が許さない「市場価格と評価額の”異常な”かい離」とは何か?

なぜ、不動産小口化商品が標的になったのでしょうか?

答えはシンプルです。

それは、市場で売買される価格(時価)と、相続税の計算に使う評価額(通達評価額)との差(かい離)が、もはや異常としか言えないレベルに達しているからです。

「不動産の評価」という盲点が利用された

不動産小口化商品とは、オフィスビルや賃貸マンションなどの賃貸用不動産の持分を、信託などの仕組みを活用して小口化し、共同で所有して賃料収入などを分け合う商品です。

この商品の最大の魅力は、「相続税評価は不動産」として評価される点にありました 。

相続税のルールでは、賃貸用の不動産を評価する際、「借主がいることによる利用の制限」を考慮して評価額を下げます 。

  • 市場価格(時価):将来の賃料収入(収益性)を期待して、価値は上がる
  • 通達評価額:借主の権利(利用制限)を考慮して、価値は下がる 。

この二つの評価のズレ(かい離)を意図的に拡大させたのが、今回のスキームです。

 衝撃の事実!「5倍を超えるかい離」と「贈与直後の現金化」

不動産小口化商品を使った事例を見ると、取得価額と通達評価額のかい離が5倍を超えるものが散見されています 。

具体的な事例を見てみましょう 。

  • 取得価額(市場価格):3,000万円。
  • 通達評価額:480万円(路線価等で評価)。
  • かい離(圧縮額):2,520万円。

この評価差を利用することで、本来3,000万円の現金を贈与した場合に発生する贈与税額1,195万円が、この商品を贈与することで49万円にまで圧縮されました。

さらに問題なのは、受贈者がその信託受益権を贈与直後に市場価格とほぼ同額で売却し、現金化している点です。

税務当局は、この「現金を贈与したのと同じなのに、評価方法だけを利用して税金を大幅に減らした」という行為を、「実質的な租税負担の公平に反する」として問題視しているのです。

税制改正前に見逃せない「金融機関と後継者への影響」

多くの資産家は「税金が安くなるなら」と、金融機関や不動産会社から勧められるままにこの商品を購入しました。しかし、このスキームには「落とし穴」があります。

「節税効果」が消えると、ただの「儲からない不動産」になる

今回の資料では、相続税対策を企図した駆け込み取得や、物件の希少性によって、高値で取引される傾向があると指摘されています。

これはつまり、「節税効果」というプレミアムが価格に乗っているということです。

私が多くの資産家を見てきた実体験から断言します。

もし通達改正が入り、この商品の評価額が市場価格に近い水準(例:3,000万円)で評価されるようになれば、その商品の市場価値は一気に崩れる可能性があります。なぜなら、その商品から得られる賃貸収入が少なく、信託報酬なども取られ、純粋な利回りだけ見れば全く儲からないケースが多いからです。

「相続税対策」という看板が外れた瞬間、それはただの利回りの悪い不動産となり、売却も困難になるリスクがあるのです。

「課税の繰延べ」こそが真の目的

「節税」という言葉は安易です。私たちが目指すのは、「課税の繰延べ」「キャッシュフローの最大化」です。

今回のスキームで贈与税を減らしても、その商品自体の賃料収入が乏しく、後継者のキャッシュフローが悪化したり、固定資産税等の負担に窮したりするような事例も散見されています。

真の資産防衛は、「評価の圧縮率」だけを見て行うものではありません。**商品自体の収益性、そして出口までを見通した「総合的な課税の繰延べ戦略」**こそが本質です。

【時間がない!】資産家が今すぐ取るべき「次の一歩」

不動産小口化商品に対する税制改正は、間違いなく来ます。これほどまでに当局が問題視している以上、評価方法の明確化(改正)が入るのは時間の問題です。

次の行動は「二択」です

もしあなたが、今、この商品を利用しているならば、時間との勝負です。税理士として、私は断言します。

  1. 【贈与済みの場合】
    • 通達改正が適用される前に、市場価格で売却し、現金化すること。改正が贈与日を遡及することは稀ですが、評価通達は贈与した瞬間の評価額を問題にするため、売却して現金化すれば、税務リスクを完全に清算できます。
  2. 【購入したが未だ贈与が発生していない場合】
    • 年内(税制改正大綱が出るまで)に、贈与を実行してしまうこと。
    • 税制改正は、その通達が出た日以降の贈与・相続に適用されるのが一般的です。改正前であれば、現行の「かい離した低い評価額」が適用できる可能性が高いです。

税金の話は、所詮は「ルール」の話です。 ルールが変わる前に、ルールを最大限利用し、キャッシュフローの最大化を図る。それが真の資産家としての「尖った」戦略です。

追伸

「税制改正大綱」は、通常12月の中旬頃に出ます。待っている時間はありません。

今回のブログ記事は、「不動産小口化商品の贈与により相続対策を行う」スキームが、まさに改正のメスが入るターゲットであるという緊急警報です。

私どもの事務所では、今回の改正リスクを見据えた「不動産ポートフォリオの見直し」や「改正後の贈与戦略」について、個別相談を受け付けています。

このブログを読んで「なるほど、本質はそこか!」と膝を打った方、ぜひ一度、ご連絡ください。あなたの資産を守る「次の一手」を一緒に考えましょう。

参照URL

本記事は、国税庁の「財産評価を巡る諸問題」に関する審議会資料に基づき作成しています。

https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/7digital-noukan4kai3.pdf



この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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