26/6/12配信:ペットのお墓は非課税?法律の裏にある「実態」の話
投稿日:2026年06月12日
こんにちは。
丸山会計事務所の丸山です。
私は毎朝4時に起きて、
静かな時間の中で
日々のこと今後のことを考えることを
日課にしています。
この早朝の時間が日々の判断の軸になっています。
さて、先日仕事の中で、
固定資産税の非課税規定について
あれこれと調べていました。
その中で、改めて
「墓地は非課税」という
条文が目に留まったのです。
そこでふと、
疑問に思いました。
「最近増えているペット霊園は、
一体どう扱われるのだろうか?」
近年、大切な家族の一員として
ペットを飼われる方が
本当に増えましたよね。
経営者や資産家の方からも、
ペットに関するご相談を
受けることが多くなりました。
結論から申し上げますと、
ペット霊園は「原則は課税」です。
なぜなら、法律が定める「墓地」とは、
あくまで「人間を埋葬する場所」を
指しているからです。
そのため、民間の業者が運営する
ペット霊園の土地には、
しっかりと固定資産税などがかかります。
「やっぱりそうか」
と思われたかもしれません。
しかし、ここからが
税務の非常に面白いところです。
ある江戸時代から続く由緒正しい寺院が、
境内に動物専用の納骨堂(ロッカー型)
を設置したケースがありました。
これに対して税務当局は当初、
「ペット用だから課税」
と判断したのです。
ところが、裁判所の判断は違いました。
裁判所は、
「その寺院は長年にわたり、
動物供養という宗教活動を
真摯に行ってきている。
営利目的の民間業者とは全く異なる」
と指摘したのです。
結果として、その納骨堂は、
お寺が宗教活動を行うために必要な土地
(税法上でいう「境内地」)と認められ、
例外的に【非課税】となりました。
法律の文字面だけを追うと
「ペットは対象外」ですが、
歴史的な背景や、
そこで行われている「実態」、
あるいは「社会通念」によって、
結論がガラリと変わるのです。
ところが、この話には
さらに興味深い続きがあります。
今度は固定資産税ではなく、
「法人税」について争われた、
別の宗教法人で、別の裁判でのお話です。
そちらの宗教法人も1326年創設の由緒正しい寺院です。
なんと最高裁は、
宗教法人が行うペットの葬祭活動の「収入」には、
しっかり法人税を課税するという
判断を下したのです。
「えっ? 固定資産税はかからないのに、
法人税はかかるの?」と、
ますます不思議に思われますよね。
これは、税金の種類によって
「課税のルール」が異なるためです。
お寺の歴史や建物の構造は
「純粋な宗教施設」と認められても、
ペット霊園の運営ビジネス自体は、
一般の民間業者とも競合してしまいます。
そのため、
「競争条件を同じにするために、
法人税は公平に払いましょう」
という判断になったわけです。
この一連の事例は、私たち経営者の
実務にも深く関係しています。
実際の税務調査でも、
契約書の名前や形式だけではなく、
「実際に何が行われているか」という
実態が何より重視されます。
表面的なルールや形式だけで安心せず、
その奥にある「取引の実態」を
多角的に捉えることこそが、
確実な資産防衛へと繋がります。
少しマニアックな事例でしたが、
税務が「形式」ではなく「実態」で
判断されることを示した、
非常に面白い事例のご紹介でした。
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この記事の監修
税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)
税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。


