26/4/10配信:贈与2日前の「16億円借入れ」は通用するのか?

投稿日:2026年04月10日

おはようございます。
名古屋の丸山会計事務所、
丸山でございます。

毎朝4時に起きるのが
私のルーティーンなのですが、
朝の日出が少しづつ早くなってくるのを
感じます。

 

さて、本日は
「自社株の評価」に関する
非常に重い裁決事例を
ご紹介します。

(国税不服審判所 令和7年9月5日裁決)

経営者の皆様なら、
「株式等保有特定会社」
という言葉を一度は
耳にされたことがあるはずです。

会社の資産のうち、
株の割合が50%を超えると、
株価が跳ね上がってしまう
あの厄介な仕組みです。

 

今回ご紹介する事例の会社は、
上場株を大量に持つ会社でした。

コロナ禍でその上場株が
一時的に値下がりしたため、
「今が贈与のチャンスです!」
と税理士から提案を受けます。

 

しかし、そのままでは
「株式等保有特定会社」に該当し、
評価が高くなってしまいます。

そこで、この会社が取った行動は、
贈与のわずか「2日前」に、
銀行から15億8,000万円を借り入れ、
同額の不動産を購入することでした。

借入れによって
分母(総資産)を大きくし、
株の比率を無理やり
50%未満に下げたわけです。

いわゆる「株特外し」ですね。

 

結果はどうなったか。

審判所は、この株価評価を
認めませんでした。

 

ポイントは以下の点です。

贈与のわずか2日前の実行であること

会社に9億円もの現預金があるのに、全額借入れで賄ったこと

税理士の提案書に「判定を外すため」という意図が明白だったこと

これらは「合理的な理由のない資産構成の変動」
であると断じられました。

 

もしこれが、
2〜3年ほど前から不動産を所有しており、
たまたま株価が下がったタイミングで
贈与を行ったのであれば。

あるいは、以前から
明確な設備投資計画があり、
すでにその資産が経営の実態として
組み込まれていたのであれば。

 

おそらく、結果は
全く違うものになっていたはずです。

結局、直前の
「テクニック」に走りすぎると、
最後は必ず足元をすくわれます。

大切なのは、
「事前の準備」と「経営上の必然性」です。

節税のために慌てて動くのではなく、
数年前から出口を見据えて
正しく資産を整えておく。

 

その「王道の準備」こそが、
結果として最大の節税に繋がります。

本日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

 

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この記事の監修

丸山会計事務所 税理士 代表 丸山和秀

税理士
丸山会計事務所代表 丸山 和秀(1986年生まれ)

税制支援20年以上、不動産税務、事業承継&M&A、法人資産税、設備投資時の優遇税制を得意とする。
「ともに未来を描く」を経営理念として、お客様と一緒に未来を描くことができる、提案型の“攻める税理士”として、経営ビジョンやニーズに寄り添い、適切なタイミングで、お客様のお悩みを解決するご提案を行う。

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